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━━ 日暮里・舎人ライナー各駅寸描 ━━


ⅩⅡ.舎人





■平凡な中間駅……のはずだが

 地理的中間の江北を過ぎ、需要の段差が生じる西新井大師西を過ぎ、拠点機能を有する舎人公園をも過ぎ、終点見沼代親水公園を目前として、舎人は如何にも平々凡々とした、特徴に欠ける中間駅である。

舎人
舎人駅全景


 ……平凡な中間駅である……。

舎人
舎人駅遠景


 否、よく見てほしい。

 なんだか狭くないか?

舎人
舎人駅近景


 工事中の段階から気にはなっていたのだが、舎人駅前後の区間だけなぜか、尾久橋通の幅員が狭められている。写真から読みとる限りでは、いちおう二車線分の幅員はあるように見えるが、その他の区間では路肩を含め充分な余裕があるだけに、突出した「狭窄感」を覚えざるをえない。

舎人
舎人駅付近の道路幅員


 筆者は自称「鉄道ナショナリスト」であり、軌道系交通機関の整備を進めるスキームは基本的に歓迎である。その一方、筆者は一ドライバーでもあるわけで、尾久橋通に関していえば扇大橋以北で運転する機会は多い。そのドライバーの視点からすれば、事故を誘発する危険すら伴う、ドライバーに恐怖や不安を与えるような幅員狭窄など、とうてい許容しがたい。

  日暮里の項 にて記したとおり、日暮里・舎人ライナーの整備には、道路特定財源が投入されている。道路特定財源とは鉄道における運賃のようなもので、受益者負担原則に依る制度である。しかるに、税金を負担している受益者(=ドライバー)をさらに苛めるような設計をするとはなにごとか。

 受益者は、長期に渡る日暮里・舎人ライナーの施工期間中、昼夜問わず頻繁に行われた複雑かつ厳しい交通規制に耐えてきた。幅員を一車線に絞る交通規制は、たとえ深夜でも渋滞を惹起した。不満の声を表に出さなかった受益者群は、むしろ可憐である。かような受益者に対し、日暮里・舎人ライナーの設計者は、舎人駅前後の区間において危険を冒し続ける試練を永劫に課した。なんという不条理であろう。





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