このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
鉄道ビジネスはグローバル展開
(ただし日本国内を除く)
■日本経済新聞平成21(2009)年 2月13日付記事より
鉄道車両 / 日立、英で大型受注へ
納入最大1400両 / 総事業費 1兆円弱
記事本文略
■日本経済新聞平成21(2009)年 3月28日付記事より
丸紅、豪で貨車リース
資源など輸送拡大見込む / 現地企業に49%出資
記事本文略
JR東海設備投資2800億円
09年度 3%減、なお高水準
記事本文略
■日本経済新聞平成21(2009)年 5月15日付記事より
鉄道車両を共同受注
三菱電機など日韓印4社 / インド向け、335億円
記事本文略
サンパウロでモノレール計画
市長「日本勢、最も優位」
記事本文略
■コメント
筆者は日本経済新聞の不定期読者である。ほんらい、情報に日々触れなければならないところだが、購入するのは月のうち数日にすぎない。そういった偶然購入した日の記事に鉄道ものが連なると、さすがに感じるものがある。もっとも、各記事の中身に触れる必要はあるまい。表題だけで、日本の企業が世界を舞台に活躍していることが読みとれる。
四本の記事に社名が挙がっているのは日立・丸紅・三菱など。関係する国はイギリス・オーストラリア・韓国・インド・ブラジル。日本発の鉄道ビジネスはまさにグローバルな展開を示しているとするべきであろう。
3日分の紙面で唯一日本を舞台としているのはJR東海である。リニアに関連した設備投資の話題で、金額ベースでの事業規模は遜色ないものの、他の記事と比べ内容に具体性が乏しい点が気になってしまう。日本の鉄道の話題に関し、記事を提供する側(=新聞)において、記事にインパクトを持たせる工夫が薄いように感じるのは、ひとり筆者の気のせいだろうか。
筆者は以前(平成16(2004)年11月だからもう 5年も前だ!)、
東京モーターショーを素材とした記事
を書いた。この記事の主旨は、ショーをビジネス(=商談)の場としても展開する自動車産業と、イベントがビジネスに発展する素地を持たない日本の鉄道(産業ではなく営業路線を経営する会社)とを対比することにあった。
この記事から 5年近く経った。しかし、日本の鉄道の淡泊さはほとんど変わっていないように見える。メーカーや商社は世界に雄飛したがっているというのに、なんという差であろうか。例えば、ある大手私鉄が新車を大量導入するといったような記事が、日本経済新聞の紙面を飾ったことはあったか。あるいは逆に、メーカーや商社が日本の鉄道に技術や車両を売りこんだという類の記事はあったか。少なくとも、筆者の記憶に引っ掛かったものはない。
ひょっとすると新聞の世界では、日本の鉄道にはビジネスとしても産業としても話題性がない、という固定観念があるのかもしれない。もし仮にこの固定観念が存在したとしても、実態としては当たらずとも遠からずであろう。受注生産といえば聞こえが良いものの、固定化した需給関係には新しい風など吹きようがないではないか。
「○○電鉄新車を百両以上導入へ / 内外のメーカーが受注に向け奔走」
かような見出しが日本経済新聞の紙面に打たれるようになってこそ、日本の鉄道に産業やビジネスとしての発展性が伴うと、筆者は信じている。
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