このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
藻岩山に棲息する珍妙な車両
今季のスキー
を終え帰京する前に、長男とともに札幌市内観光に繰り出してみた。行先は藻岩山である。
藻岩山ロープウエイ山麓駅
ロープウエイに乗り、北の大都市・札幌の展望を楽しんでみよう。
藻岩山ロープウエイから札幌市外を展望
ロープウエイ山頂駅から藻岩山山頂まではリフトで結ばれていたはずだが、現在リフトは運休になっている。そのかわり「雪上車」が運んでくれる、と聞いたのでわざわざ足を運んでみたのだが……。
シャトルバス?雪上車?「もーりす」
なんぢゃ、こりゃ!?!?!?
シャトルバス?雪上車?「もーりす」
正直なところ、絶句した。こんな車両がありうるのか。マイクロバス(三菱ローザ)をベースにして、三角キャタピラを履くなんて。しかもナンバーが付いたままだから、この状態で車検も通っているということか。自動車の改造も奥が深いものではある。ただし、ゴムタイヤを外しているから、乗り心地はすこぶる悪い。
「もーりす」車輪部
車輪、というか三角キャタピラ部分のクローズアップ。この改造にどれだけの手間暇を要したかは知る由もないが、こういう改造ができればこそ、線路も道路もという両刀使いの車両が出現できるわけだ。車両改造という技術分野において、この「もーりす」もっと広く知られてもよい。その比較を通すことにより、
DMV
の普遍的価値が見えてくるかもしれない。
ササラ電車(許可を得て撮影)
これはオマケの写真。藻岩山に上る前に、札幌市電の車庫を見学させて頂いた。珍奇な車両として扱われることも多いササラ電車だが、説明を受け、竹のササラを使う必然性を初めて知った。金属製では変形してしまい、すぐ使えなくなるとのこと。竹ゆえしなって元の形に戻り、雪を跳ね飛ばし続けられるのだとか。ただし、一除雪毎の消耗品でもあり、手づくりの部品ゆえ手間はかかるそうだ。このように必然性があるからこそ、相応の課題を抱えつつも、長続きする技術となっているのだろう
ササラ電車のササラ(許可を得て撮影)
ちなみに、真の目当てのハイブリッド・バッテリートラムは厳重に囲われており、守秘義務があるとのことで、見せてもらえなかった。車両本体に新規性はないから、おそらくは電池のノウハウであろう。公道上で堂々と試験運転をしておいて守秘義務もないものだ、と思わざるをえないが、ハイブリッドや燃料電池という新しい技術体系を展開するなかで、メーカーが敏感になっている様子が垣間見えただけでも収穫であった。
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