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真言宗メモ
 

工事中

  ここは、数年前から 石動山関係のコーナー を私・畝源三郎が書くにあたって、真言宗関係の用語が色々出てきて意味がわからず、図書館や家にある辞書辞典の類などで調べノートに書いてメモしたもの(平成18年2月26日現在まだ一部しか転載していません)、及びインターネットの辞書で調べノートパッドなどで保存した内容のものを、転載した頁です。今後も私のメモ代わりに用いるつもりです。
 したがって、自分本位な目的のメモであり、あまり他人が利用することを念頭に置いた頁ではありません。また私は、宗教家でもその方面の学校で学んだ者でもないので、用語の説明には正確さにも欠けるかも。他の人はあまり参考にされない方がいいかもね(笑)
 辞書としては、Yahooで利用可能な大辞林(三省堂)、大辞泉(小学館)などを多く利用させてもらっています。
平成18年2月26日メンテ
用 語意    味
【あ行】
阿闍梨(あじゃり)[梵acarya]の音写「阿闍梨耶(あじやりや)」の略。教授・軌範(師)・正行などと訳す
1 弟子たちの模範となる高僧の敬称。あざり。
2 密教で、修行を完了し、伝法灌頂(でんぽうかんじよう)を受けた僧。また、伝法灌頂の職位を受けた、天台宗・真言宗の僧。あざり。
3 勅旨によって修せられる法会を執行する僧。
あのくたら‐さんみゃく‐さんぼだい《梵anuttara samyak sabodhiの音写。無上正等覚などと訳す》仏語。仏の悟り。一切の真理をあまねく知った最上の智慧(ちえ)。真理を悟った境地。
一切衆生(いっさいしゅじょう)仏語。この世に生きているすべての生き物。生きとし生けるもの。特に人間をいう。一切有情。
【か行】
勧修寺(かじゅうじ)京都市山科(やましな)区勧修寺仁王堂町にある真言宗山階(やましな)派の大本山。山号は亀甲山。開創は昌泰3年(900)、開基は醍醐(だいご)天皇が、母藤原胤子の願によって創建。開山は承俊。延喜5年(905)定額寺(じようがくじ)となる。代々、法親王門跡寺院(山科門跡)として栄えた。勧修寺縁起など、多数の古文書を所蔵。かんじゅじ。かじゅじ。かんしゅうじ。
カルマ(業)(梵語から)身体・言語・心による人間の働き・行為。行為は必ずその結果をもたらし、また現在の事態は必ずそれを生む行為を過去に持っているとする思想は、インド思想に広く見られる。人が担っている運命や制約。主に悪運をいう。
祈願(きがん)あることが成就するよう神仏に祈り願うこと。
祈祷(きとう)神仏にその加護・恵みを求めて祈ること。また、その祈り。
九会(くえ)・真言密教で金剛界(こんごうかい)曼荼羅を構成する九つの部分の称。羯磨(かつま)会・三昧耶(さんまや)会・微細会・供養会・四印会・一印会・理趣会・降三世(ごうざんぜ)会・降三世三昧耶会の九つ。(大辞林より)
・真言密教で、金剛界について説かれる曼荼羅(まんだら)の総称。成身(じようじん)会・三昧耶(さんまや)会・微細(みさい)会・供養会・四印会・一印会・理趣会・降三世羯磨(ごうざんぜかつま)会・降三世三昧耶会の九つ。(大辞泉より) 
玄奘三蔵法師(げんじょうさんぞうほうし)西遊記で有名な三蔵法師は、名は玄奘といいます。経・律・論を三蔵と呼び、経(お釈迦様の教えをまとめたもの)、律(規則に関するもの)、論(経と律に関する解説や研究論文)のこと。三蔵法師とは敬称です。
虚空(こくう)仏教用語で、一切の事物を包容してその存在を妨げない無為法。何も妨げるものがなく、すべてのものの存在する場所としての空間。
虚空界(こくうかい)仏教用語で、無形・無相で、一切万有を包含する真如(しんにょ)をたとえていう。
虚空のように、一切を包括し擁する、色もなく形もない本源的な真如の世界。
虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)梵 akasagarbhaの訳。虚空が無限に一切のものを蔵するように、その智慧と功徳(くどく)が広大無辺である菩薩。胎蔵界曼荼羅(まんだら)の虚空蔵院の主尊で、蓮華座に座し、五智宝冠を頂き、身に瓔珞(ようらく)を纏(まと)い、右手に智慧の宝剣(利剣)、左手に福徳の如意宝珠を持つ姿に表す。
虚空蔵。虚空孕菩薩(こくうようぼさつ)。
五大明王(ごだいみょうおう)密教の明王のうち、①不動明王・②降三世(ごうざんぜ)明王・③軍荼利(ぐんだり)明王・④大威徳明王・⑤金剛夜叉(こんごうやしや)明王の五明王を総称したもの。五方に配し、中、東、南、西、北とする。五大尊明王、五大尊、五力明王。
五智(ごち)・密教で、仏の備える五種の智のこと。
①法界体性智、②大円鏡智、③平等性智、④如観察智、⑤成所作智
・ 大日如来に備わる五種の智慧。密教で、大日の智の総体の法界体性(ほつかいたいしよう)智と、大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作(じようしよさ)智の四智。また、浄土教では仏智・不思議智・不可称智・大乗広智・無等無倫最上勝智の五つを阿弥陀仏の智とする。(大辞泉より)
・密教で、大日如来のもつ智を五つに分けたもの。大円鏡智・平等性智(びようどうしようち)・妙観察智(みようかんざつち)・成所作智(じようしよさち)の「四智(しち)」に、四智の根本である法界体性智(ほつかいたいしようち)を加えたもの。(大辞林より)
護摩(ごま) 梵語homa。密教で、不動明王・愛染明王などを本尊とし、その前に火炉など設けた護摩壇で護摩木(乳木など)を焚いて仏(本尊)に祈る行法。木は人の悩み(煩悩)や災難を、火は智慧や心理を表す。増益、降伏。敬愛などを祈願。
金剛(こんごう)梵語 vajra  バサラ(跋折羅、伐闍羅、伐折羅、跋日羅、縛日羅、などと表記)
金剛界(こんごうかい)・密教で、大日如来の、すべての煩悩(ぼんのう)を打ち破る強固な力を持つ智徳の方面から開示した部門。
・大日如来内証の智徳は堅固で、一切の煩悩を摧破するから言う。
・⇔胎蔵界
・金剛界曼荼羅の略
金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)・密教の両界曼荼羅の一で金剛界を妙用を図示したもの。すなわち向上進修の極致たる仏界の聖域を象徴している。金剛頂経の説に基づいて描かれ、大日如来を主尊とする九種の曼荼羅を一図におさめたもので、九会(くえ)曼荼羅ともいう。胎蔵界曼荼羅に対し、西側に掛けて用いられることから西(さい)曼荼羅ともいう。
金剛座(こんごうざ)・金剛で出来ている宝座のこと。すなわち釈尊成仏の時の座所。
金剛薩た(こんごうさった)・最後の「た」の部分の漢字は土ヘン+垂という字。
・梵語 vajurasattva。真言密教付法八祖の第二。
・大日如来の説いた教えを結集し、鉄塔に納め、後に龍猛に授けたという。金剛手菩薩。
金剛蔵王(こんごうざおう)胎蔵界曼荼羅のうち、虚空蔵院の一尊で大青色一百八臂の菩薩。蔵王。蔵王菩薩。
金剛杵(こんごうしょ)・もと古代インドの武器。密教で煩悩(外道悪魔)を破砕し、煩悩(ぼんのう)を打ち破る象徴として、また菩提心を表す象徴として用いる金剛製の法具。真鍮(しんちゆう)・鋼(はがね)などで作り、中央の握りが細い。
・修法に用い、細長く、手に握れるほどの大きさで中程がくびれ、両端は太く、手杵(てぎね)に似る。
・両端が尖って分かれぬものを独鈷杵という。また金剛杵のうち両端が三叉のものを三鈷杵、五叉のものを五鈷杵という。
厳修(ごんしゅう)仏教で、儀式を厳かに執り行うこと。
【さ行 】
薩た(さった)・後の「た」の部分の漢字は土ヘン+垂という字。梵語 sattva。
①生命あるもの。有情。衆生。
②菩提薩たの略。菩薩。
②金剛薩たの略。
悟り・覚り(さとり)知らなかったことを知ること。気が付くこと、感づくこと。 [仏]迷妄を去って、真理を会得すること。また、その真理。
三密(さんみつ)・密教でえ、仏の身、口(く)、意の働きを言う。
・人間の思議の及ばない所を密という。また人間の身・口・意の三業も、そのまま絶対なる仏の働きに通じるところから三密という。
三密加持(さんみつかじ)・修行者の三密が、法身仏の三密と本質的に同一であることを体験すること。言い換えると、行者の三密と仏の三密とが一体となること。行者の三密と仏の三密とが相応・融合すること。「瑜伽」は相応の意味。
・=三密相応、三密瑜伽、三密ヨーガ、三密ヨガ、瑜伽三密。
三密観(さんみつかん)・密教の修行の一つ。修行者の三密を本尊の三密に融合させること。
・具体的には「吽(うん)」の字を、身・口・意に安置し、五鈷金剛杵を観想することで、三業を清める観法。三金剛観。三金観。三吽観。
・三金剛観、三金観、三吽観とも言う。
三密行法(さんみつぎょうほう)三密加持を実践すること。
三密護摩(さんみつごま)・三密の意による護摩。三密の法を修してたくごま。
・本尊・真言・印契を三密と名付け、火炉を真言と呼び、修行者自身と同一視する。
四種曼荼羅(ししゅまんだら)・(真言)密教の四種の曼荼羅、つまり①諸尊の形像を描いた大曼荼羅、②諸尊の持物(じぶつ)や印契(いんげい)を描いた三昧耶(さんまや)曼荼羅、③諸尊の真言・種子などを示した法曼荼羅、④諸尊の威儀・動作を表した羯磨(かつま)曼荼羅の総称。四曼。
四曼(しまん)四種曼荼羅の略。
四曼相即(しまんそうそく)・四曼不離と同じ。
・密教で四曼が互いに融通して作用し不離の関係にあること。
十号(じゅうごう)に対する10種の称号。如来・応来(おうぐ)・正遍知・明行足(みょうごうそく)・善逝(ぜんぜい)・世間解(せけんげ)・無上士・調御丈夫(じようごじようぶ)・天人師・世尊。
真言宗(しんごんしゅう)・大日経・金剛頂経により、胎蔵・金剛の両部を立て、六大・四曼・三密・即身成仏を宗旨とする。
・インドに起こり、唐に渡り、金剛智の弟子・不空に至って大成。
・日本仏教の一宗派。平安初期(延暦23年:804)入唐した空海が、不空の弟子・恵果から密教を受けて帰国、開宗した。金剛峰寺・東寺を根本道場とし、修法と門弟の教育なども行なった。主に大日経・金剛頂経に基づき大日如来の悟りの世界を直接明らかにしようとするもので、身口意(しんくい)三密の加持力で即身成仏を説く。加持祈祷を行なって平安時代の貴族の間に浸透。十三世紀末に古義と新義に分裂した。真言陀羅尼(だらに)宗。秘密宗。曼荼羅宗。東密。
真言伝持の七人の祖師龍猛(りゅうみょう)・龍智・金剛智・善無畏(ぜんむい)・不空・恵果・一行
真言密教(しんごんみっきょう)真言宗の教え。
真如(しんにょ)・梵語 tathata 。
・ものの真実の姿。あるがままの真理。万物の本体としての、永久不変の真理。宇宙万有にあまねく存在する根元的な実体。法性(ほつしよう)。実相。如(にょ)。如如。
【た行】
胎蔵(たいぞう)密教で一切を包含する義。胎蔵界の略。
胎蔵界(たいぞうかい)・ 密教で説く二つの世界(両部)の一。金剛界に対して、大日如来の本来的な悟りである理性(りしょう)(慈悲)の面から説いた部門。仏の菩提(ぼだい)心が一切を包み育成することを母胎にたとえ、胎児のように慈悲に包まれてはぐくまれていることから、こう名づける。蓮華(れんげ)によって表象する。
・ 「胎蔵界曼荼羅(まんだら)」の略。
・⇔金剛界
胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)・密教の両界曼荼羅の一。大日経に基づいて、大日如来を主尊とし、その分身・眷属(けんぞく)・護法諸尊を四方に図式的に配したもの。胎蔵界諸仏の悲の徳を象徴したもの。中台八葉院を中央に内外四重よりなるので、四重円壇ともいう。灌頂(かんじよう)の本尊として用いる。
・大悲胎蔵生曼荼羅。
大日教(だいにちきょう)・真言三部経の一。七巻。唐の善無畏(ぜんむい)・一行(いちぎよう)の共訳。七巻。胎蔵法を説く真言密教の根本経典で、大日如来の説法を編したもの。チベット語訳もある。正しくは「大毘盧遮那(だいびるしやな)成仏神変加持経」。ほかに毘盧遮那経、遮那経ともいう。密教の教理(教相)と実践の方法について述べている。
大日経疏(だいにちきょうそ)・大日経の注釈書。20巻。唐の善無畏(ぜんむい)講説、一行(いちぎよう)が筆録。8世紀初めに成立。密教の理論書として重要。東密で用い、台密ではその改訂版「大日経義釈」14巻を用いる。
・密教を理論的に、組織的に解説。
大日如来(だいにちにょらい)[梵Mahavairocanaの訳] 音写は摩訶毘盧遮那(まかびるしやな)。大日如来の意味はヴィルシャナ「光り輝き、遍く照らす」であることから光明遍照とも訳す。真言密教の教主。古代インドで大日如来の考え方は既に発生したといわれるが、「大日経」に至って毘廬遮那仏を更に密教的に解釈発展し、宇宙の森羅万象がすべて大日如来の徳を顕わしたものであり、釈迦、観音、諸仏菩薩も根本は大日如来であるとする、つまり宇宙の実相を仏格化した凡神論的な密教の根本仏(本尊)。
 大日如来には「金剛界大日如来」と「胎蔵界大日如来」とがあり、それぞれの如来像は宝冠をつけ結髪した菩薩(ぼさつ)形に表される。曼荼羅(まんだら)では主座を占め、智の面を示す金剛界では、胸前で左手の人さし指を立て拳を作りその人さし指を右手の拳で包み込む智拳印(ちけんいん)を結び(金剛界大日如来)、理の面を示す胎蔵界では、腹の前で左手を下に、右手を上に組む法界定印(ほつかいじよういん)を結ぶ(胎蔵界大日如来)。
別名、遍照如来、毘盧遮那、大日、遮那教主、遍照尊など。
【な行】
如来(にょらい)[梵 tathagata ]真理からやってきたもの、真理から生まれたもの,真理に到達した人の意味。仏教上の最高の状態にある存在、すなわち仏のこと。仏陀をいう。仏の十号の一。「釈迦(しやか)—」◆如(真理)より生来したもの、と解しての訳。
仁和寺(にんなじ)京都市右京区御室(おむろ)にある真言宗御室(おむろ)派の総本山。山号は大内山。宇多天皇が光孝天皇の志を継いで仁和4(888)年に落成。宇多天皇が譲位後、益信を戒師として出家、一宇を設け御座所として住んだので、御室御所と称した。門跡寺院の最初となる。のち、門跡寺院として代々法親王が入寺。現在の金堂は寛永年間(1624〜1644)に旧紫宸殿を移築したもので国宝。平安時代作の本尊阿弥陀三尊像や「三十帖冊子」「医心方」をはじめ、多数の文化財を所蔵。御室仁和寺門跡。御室桜で知られる桜の名所。
(参考) 真言宗御室派・総本山仁和寺のホームページ
【は行】
八大明王(はちだいみょうおう)①八方守護をつかさどる八体の明王。八大菩薩(ぼさつ)の変現。五大明王の不動・降三世(ごうざんぜ)・軍荼利(ぐんだり)・大威徳・金剛夜叉(こんごうやしや)に、穢迹(えしやく)または烏蒭沙摩(うすさま)・無能勝・馬頭の三明王を加えたもの。
②八大菩薩から現出した、降三世・大威徳・大笑・大輪・馬頭・無能勝・不動・歩擲(ぶちやく)の八体の明王。(大辞泉より)
毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)・[梵Vairocana(ヴァイローチャナ)の音写] 光明遍照と訳す。大乗仏教で、蓮華蔵(れんげぞう)世界に住し、その身は法界に遍満し、身光・智光の大光明で全宇宙を照らす仏。真言宗では大日如来、天台宗では法身仏、華厳宗では報身仏をさす。華厳経などで中心となる仏。真言宗では、大日如来と同じとされる。盧舎那仏。遮那仏。毘盧遮那。
・史実の人物としてのゴータマ・シッダッタを超えた宇宙仏(法身仏)。宇宙の真理をすべての人に照らし、悟りに導く仏。毘盧遮那仏については、華厳経に詳しく説かれている。
・真言宗などの密教における大日如来はマハー・ヴァイローチャナで、教義上かなり性格が異なる。
仏十号(ぶつじゅうごう)⇒十号
不動明王(ふどうみょうおう)五大明王・八大明王の主尊。悪魔を下し、仏道に導きがたいものを畏怖せしめ、煩悩を打ちくだく。菩提心の揺るがないことから不動という。仏や真言行者によく仕えることから、不動使者ともいう。猛々しい威力を示す怒りの表情を浮かべ、右手に剣、左手に羂索を持つ。石の台座にすわり、火生三昧にはいり、火焔を背負っている。
菩薩(ぼさつ)[梵 bodhisattva の俗語・略 または bot-sat の音写か]
1 最高の悟りを開いて、仏になろうと発心して、修行に励む人。初めは前世で修行者だった釈迦をさす名称であったが、のちに大乗仏教では自己の悟りのみを目指す声聞(しようもん)・縁覚(えんがく)に対し、自利利他の両者を目指す大乗の修行者をいう。弥勒・観世音・地蔵などの高位の菩薩は仏に次ぐ存在として信仰される。菩提薩(土ヘン+垂)(ぼだいさつた)。大士。覚有情。
2 高徳の僧をたたえて付ける尊称。日本では行基菩薩のように朝廷から正式に与えられる場合もある。
3 神仏習合の思想により、日本の神に与えられる称号。
菩提(ぼだい)梵語 bodhiの音写。智・道・覚と訳す。
1 修行を積み煩悩(ぼんのう)を断ち切ることにより、真理を明らかに知って、悟りの境地に達すること。また、悟りの智恵。一般には仏の悟りをいうが、声聞(しようもん)・縁覚(えんかく)の悟りをいうこともある。「覚」「智」「道」とも訳す。
→阿の耨多羅三みゃく藐三菩提(anuttara-samyak-sambodhi)→最高真理を悟った仏陀の境地。無上正覚。
2 死後の冥福(めいふく)。
菩提薩た(ぼだいさった)菩薩と同じ。
菩薩道(ぼさつどう)・菩薩の修行の道。自利・利他の行を成就して悟りに到る道。
梵語(ぼんご)・古代インドの文語であるサンスクリット語の異称。
・その起源が造物神ブラフマン(梵天)にあるというインドでの伝承に基づき、中国、日本などでこういう。
・サンスクリット語は、釈迦がインドで喋っていた言語であると昔は信じられていた(実際には、釈迦はマガタ語に近い俗語を喋っていた)。
梵字(ぼんじ)梵語、すなわち古代インドでサンスクリット語を書くのに用いたブラーフミー文字と、その系統の文字の総称。その起源は北セム系文字。字体は種々あるが、わが国では、主として悉曇(しったん)文字を用いてきた。卒塔婆などに書かれた外国文字がそれである。
煩悩(ぼんのう)人間の身心の苦しみを生み出す精神のはたらき。肉体や心の欲望、他者への怒り、仮の実在への執着など。
【ま行】
曼荼羅(まんだら)・曼陀羅とも書く。
・《梵mandalaの音写。本質を有するものの意》仏語。密教で、仏の悟りの境地である宇宙の真理を表す方法として、仏・菩薩(ぼさつ)などを体系的に配列して図示したもの。胎蔵界曼荼羅・金剛界曼荼羅・四種曼荼羅などがある。転じて、浄土の姿を図示したものなどにもいう。(大辞泉(小学館)から)
・画面に諸仏を描いた図形や象徴的に表した記号を特定の形式で配置し、悟りの世界や仏の教えを示した図絵。四種曼荼羅・金剛界曼荼羅・胎蔵界曼荼羅など。(大辞林(三省堂)から)
・梵語mandala 輪円具足・道場・壇・本質などと訳す。
・諸尊の悟りの世界を表現したもの。
・一定の方式に基づいて、諸仏・菩薩及び神々と網羅して描いた図。四種曼荼羅・両界曼荼羅など多くの種類がある。
曼荼羅供(まんだらく)曼陀羅供とも書く。密教で曼荼羅を作成し、供用すること。またその法会(ほうえ)のことを言う。
曼荼羅華
(まんだらげ)
・梵語mandalava  天妙華・悦意華などと訳す。
・仏語。諸仏出現のときなどに天から降り、色が美しく、芳香を放ち、見る人の心を楽しませるという花。天上に咲くという架空の花の名。
密教(みっきょう)・大日如来(本尊)が自らの悟りのなかで、自らの悟りを楽しみながら説く、奥深い絶対の真理の教え。密教の「密」の字は、容易に知りえない深遠秘密(の教え)という意味合いで使われている。「大日経」「金剛頂経」などがその代表的経典。
・七、八世紀ごろインドで大乗仏教の発展の極の中で起こり、唐代に中国に伝わり、日本のほか、チベットやネパールにも伝わった。
・日本には、平安初期に空海・最澄によって伝えられ、貴族などに広く信仰された。仏教の中で加持(かじ)・祈祷(きとう)を重んじ、特に祈祷を重視し、そのための呪文や儀式を整備している。日本には空海(弘法大師)が伝えた真言宗系の東密と最澄(伝教大師)が伝えた天台宗系の台密がある。密教⇔顕教
明王(みょうおう)・1大日如来の命を奉じ、忿怒(ふんぬ)の相を現わし、諸悪魔を降伏(こうぶく)して仏法を守護する諸尊。大日如来の意を受けて、導きがたい人々を強力に仏の教えに導いて救済する諸尊。不動(明王)、愛染(明王)、降三世、五大明王など。特に、不動明王をさす。
・2 智慧の王、すなわち真言(しんごん)のこと。
【や行】
【ら行】
理趣経(りしゅきょう)・真言宗の常用経典。不空の訳で一巻。
・大日如来が金剛薩タ(土へん+垂)のために般若理趣の自性清浄なることを説いたもの。
・「般若経」の理趣分に相当。般若の空の理趣が清浄であることを説くもので、密教の極意を示すとして真言宗で常に読誦する。(大辞泉より)
・真言宗の読誦経典。大般若経理趣分に相当する。万物の本体が清浄であることを明らかにし、即身成仏の教義を説く。男女の愛欲などの欲望肯定的傾向が強い。(大辞林より)
・正確には大楽金剛不空真実三摩耶経という。また般若理趣経などとも呼ぶ。
輪廻(りんね)生あるものが死後、迷いの世界である三界・六道を次の世に向けて死と生とを繰り返すこと。仏教の基本的な概念。
六大(ろくだい)仏教用語で、地、水、火、風、空、識の総称。
→①有情(うじょう)を構成する要素。
→②(真言)密教で、これを万有の本体とし、法身大日如来の象徴とする。
【わ行】
参考になるHP高野山真言宗総本山金剛峰寺のホームページ

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