このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

恵那弁の特徴

アクセント

共通語とほとんど同じ。ときどき違う語がある。

<よく知られる例>共通語恵那弁(岐阜弁)
くつ(靴)(○●)(●○)
くも(雲)(●○)(○●)
くも(蜘蛛)(●○)(●○)
○:低 ●:高

アクセント参考

参考文献:
NHK編 日本語発音アクセント辞典 改訂新版 日本放送出版協会
参考文献:編集代表 平山輝男 岐阜県編者 下野雅昭『日本のことばシリーズ 21 岐阜県の言葉』(明治書院 1997)

文法

否定

打ち消しには「ん」を使います。
   見る書く
共通語:見ない書かない
恵那弁:見ん書かん

否定の過去には、「見なんだ、見んかった」「書かなんだ、書かんかった」が使われます。

「へん」「せん」も使います。

サ行イ音便

サ行五段動詞の「タ形」にイ音便がみられます。
   出す隠す
共通語:出した隠した
恵那弁:出いた隠いた

断定の語尾

「だ」と「や・じゃ」の境界で、どちらも使われています。 地域内には「 だじゃの松 と呼ばれるものもあります。

敬語

共通語と同じものの他に次の方法があります。

これらの表現は、「書く<書きる<書かっせる<書きんさる」の順に尊敬の度合いが上がっていきます。

進行形

「-ようる」がまさに実現しつつある状態を表します。「-ている」は「-とる」という形になります。 「-ようる」は関西を除く西日本で使われている「-よる」と同じ機能を持っています。
立つ立ちょうる(立つ動作の途中。まだ完全に立っていない。)
立っとる(立ち終わって、立っている。)
行く行きょうる(行く途中。まだ目的地に着いていない。)
行っとる(既に行き始めている。目的地に着いているかもしれない。)
ぶつかるぶつかりょうる(ぶつかりそうだけど、ぶつかっていない。)
ぶつかっとる(既にぶつかっている。)

「-よる」が侮蔑の意味を持って大阪で使われることは、新喜劇などがテレビで放送されているので 何となく知っています。自分から使うことはあまりありません。

語尾

「じゃないですか」に対応する語尾が3つ(「ら」「に」「て」)あります。

「(あなた)知ってたじゃないですか!(え、まさか忘れちゃったの?)」
「(あの人は)知ってたんじゃないですか?(きっとそうだと思いますよ。)」
「(あなた)知ってたんじゃないですか!(よくも今まで隠してたわね!)」
「(あなた)知ってたんじゃないですか。(なーんだ、そうだったのか。)」
「じゃないですか」の自己主張(全原文) by 鳥居寛之
これらの「じゃないですか」はそれぞれ「知っとったて」「知っとったら」「知っとったに!」「知っとったに」 で言い換えられそうです。

語彙

古い言葉が残っています。
<例>「えらい(苦しい)」「錠を交う(かける)」「まる(排泄する)」

書けない漢語を多用します。
<例> 「勘考(かんこう)する」 「安気(あんき)こく」 「咳気(がいき)しょっとる」 「ご新造(しんぞう)さ」


阿木村総合案内板 2000年3月29日設置 E-mail: agi_jin_sa@yahoo.co.jp
2005年1月15日更新

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください