このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

踊る時刻表>あれこれ>時刻表の片隅から>2003年12月06日(土)


■2003年12月06日()

▽JR東海、車内携帯電話使用調査
 「車内では携帯電話の電源をお切りになり、使用をご遠慮下さい。」まさか社内でこれを再徹底せねばならないとは思わなかったに違いない。呑気に列車に身を預けていればいい乗客に「禁止」を言っておいて、安全に最大限の注意を払わねばならない乗務員が携帯電話を使っているようでは、もはやモラルは地に堕ちたとしか言いようがない。
 某鉄道誌で某有名ライターがJR東海を批判する記事を書いていたが、最近のJR東海、何かと批判の的になっているようだ。「のぞみ」大増発で「ひかり」「こだま」は見る影もなくなったにもかかわらず、各種企画乗車券の中には「のぞみ」使用不可のものがたくさんあるのである。こういう少しマニアックな話でなくとも、系列のJRバス東海が飲酒運転を行ったり、高速道路上でバックしたりなどと危険行為を繰り返している事件はセンセーショナルに扱われたので、ご記憶の方も多いだろう。
 私の中にある「鉄道マン」は、大袈裟に言えば「鉄道員(ぽっぽや)」のあのイメージである。公私の区別なく安全輸送に心血を注ぐ、ああいう姿に憧憬を覚える。あそこまで徹底しろとは言わないが、勤務中くらいは私情を切り捨ててもいいのではないか? アルバイトの学生ではあるまいし、中途半端は許されないと思う。
 ちなみにJR東日本は首都圏の私鉄などと共通の「携帯電話使用マナー」を車内で適用している。優先席付近では電源を切ること、その他の場所ではマナーモードに設定し、通話はやめること。規制緩和とも言えるこのマナー程度は守ろうと思う。

▽「はやて」1周年
 東北新幹線八戸延伸から1周年である。どうやら乗客の伸びは好調らしく、「『はつかり』の1.51倍」などと報道が多い。いわて沼宮内と二戸駅はどうなのか、とか並行在来線はどうなっているのか、などと祝賀ムードに水をさす話題はいくらもあるのだが、とりあえずは1周年を祝福したい。北東北の観光がかなり改善傾向にあるらしく、暗い話題の多かった東北地方では明るい話題である。私も今年の6月に乗ったが、確かに便利で速い。札幌を22時に出て仙台に8時過ぎに到着とあれば、様々な需要が考えられそうだ。対東京のみならず、東北地方内でのさらなる需要掘り起こしも大切だ。
 しかし、ビジネス利用にはどうだろうか? 東海道・山陽新幹線の700系には車端部にコンセントがついていたり、「ひかりRailStar」には「オフィスシート」なるシートまで設置されている。東北新幹線車内でノートパソコンを使おうかと思って「みどりの窓口」で訊ねたら、「いやぁ…車内にはないと思いますね」と言われ、実際なかった。JR九州の787系や783系には「それとなく」ついていたりするのだが、E2系にはそれはなかったわけである。積極的にPRするかどうかはともかく、あって悪いものではないと思うのだが、どうだろうか?
 水をさすつもりはない、と言ったがIGRいわて銀河鉄道とJR花輪線の連絡には改善あるいは緩和が行われてもいいように思う。花輪線も途中までは盛岡の近郊需要があるのだが、花輪線がIGRに接続する好摩から盛岡までの間はIGR運賃が適用され、合算になるのである。IGR運賃はJR時代に比べ値上げとなっているし、さらに合算、となると「高くなった」どころの騒ぎではない。定期券などがまさにインフレ状態の高騰を見せている。首都圏しか見えていない政治家はこういう現状を知っているのだろうか。近郊特定区間のようなものを設け、IGR運賃+αで乗れるような制度が望まれる。
 来年3月13日には九州新幹線「つばめ」が部分開業する。800系デビューや、九州内のさらなる活発な流動には期待したいところだが、一方で並行在来線が経営分離されて誕生する肥薩おれんじ鉄道の前途を憂えずにはいられない。

▽東北大学、地名取得
 なんと、東北大学には正式な地名がなかったらしいのである。主に1・2年生の全学教育が行われる川内北キャンパス付近、文系の川内南キャンパス付近、そして工学部・理学部・薬学部が集まる青葉山キャンパス一帯の約160haは、登記上の地名がなく、地図や住所録では近所の地名を拝借していたとか。「地名がない」なんて、よほどの無人地帯の話かと思っていたが案外身近にあるもので。
 もともとこの付近は仙台城の二の丸、三の丸などがあった場所で、その背後にある山も立ち入りが禁じられてきた。明治維新以後そこに旧帝国陸軍の司令部や演習地が設置され、終戦後は進駐軍のキャンプが設置された場所である。キャンプを国が譲り受け、東北大学の敷地となったわけだが、要するにずっと国有地だったので登記上の地名は必要でなかったらしい。現在の所有者は東北財務局である。
 歴史の深さを感じる話だが、それが何故話題になっているかと言えば、来年度からの独立行政法人化が原因である。独立行政法人化されればキャンパスの敷地が「民有地」となるわけで、登記が必要となる。登記には地名が必要となる。…と、こういう話だ。市議会で承認を受け、年明けにも地名が確定する模様。ちなみに確定される地名は「東北有二婆子弟」(とうほくゆにばぁしてぃ)1丁目〜7丁目らしい。…嘘です。これまで拝借して使ってきた「川内」「荒巻字青葉」で確定する模様。

突っ込みその他は 掲示板 または メール でお願いします。

<<あれこれ もくじへ戻る   <<「時刻表の片隅から」に戻る

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください