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■2004年04月07日(水)
▽さくら
「桜坂」という文字を車体にでかでかと描いたバスを見かけた。何となく福山雅治を思い浮かべる人はなかなか話のわかる人である。「マリエール桜坂」とか「桜坂中央外科」とかを思い出す人は私の同類である(笑) 件の「桜坂」は、名取市の「ライフタウン名取」という住宅団地の新しい街区だそうで、この春街開きである。しかし、何しろ山を切り開いて作った住宅地、住所が凄い。「宮城県名取市高舘熊野堂(たかだてくまのどう)字小畑山」。今現在「ライフタウン名取」と呼ばれている場所は「相互台」という地名になって、街区表示に統一されているので、この「桜坂」もそのうち改名されるかも知れない。
この春街開きということで路線バスもまだ通っておらず(!)、5月に宮城交通の「ライフタウン名取線」が新設「桜坂」停留所まで延伸されることになっているようだ。先述の桜坂と比較してみると、福山雅治の「桜坂」は東京都大田区の坂がモチーフになっているらしい。東京と言えば間違いなく都会だろう。私の思い出の桜坂は福岡市中央区の城南線にある地名である。博多駅・薬院駅と福岡市の南西部を結ぶ路線バスが数多く行き交う交通の要所だ。いずれにせよ、春先に桜吹雪の舞い散る光景が目に浮かぶようで、なかなか風情のある地名だと思う。
…だいぶ前置きで引っ張ったが、トピックスはこれ! 仙台でもついに桜の開花宣言が出た!! 例年より若干早いらしいが、一昨年はもっと早かった。今年の桜はちょうど入学・新歓シーズン、さぞかし各サークルの花見は盛り上がることだろう。入学式に桜、という情景は故郷福岡では考えられない光景であるため、仙台がいいなぁと思ってしまう所以である。榴ヶ岡公園、西公園など市内のお花見スポットに繰り出して大騒ぎしたい。
仙台近辺で有名なのは大河原・船岡にまたがる白石川沿いの「一目千本桜」である。実際は1250本あるそうで、それはそれは見事なものらしい。東北本線のデータイムの普通列車はこのシーズン、当該区間で徐行運転を行う。粋なサービスもさることながら、そこまで見事な桜であるなら是非見に行きたいものである。
桜前線もいよいよ仙台に到達した。北日本に本格的な春が訪れるのも間近だ。…春だ、とばかりに油断していると大抵GWあたりにもう一度冷え込み、体調を崩すのだが…。
▽違く
若者言葉として挙げられる言葉は多々ある。最近NHKでやっていたのがこれ、「違く(ない)」。違う、という動詞を形容詞のように活用する用法である。ちなみに私も使っていたような気がする。ただ、私が発音すると何故か「違うく」になるが。
私も一応は「若者」だったんだなぁ、というよくわからない感慨はさておき、この話が面白いのは実は、この言葉に対する聴取者の反応である。東北方面の方言なのではないか、という意見が多々寄せられていたのだ。栃木県や福島県、宮城県、秋田県などの方言で「違くね!」というような使い方をするわけである。考えてみれば、自動車教習所の教官が「そっかぁ? ミラーそごだど、違くねが?」…などと言っていた気がする。昨今の若者言葉は「方言」が流行の主流なのかも知れない。
これとは別の話なのだが、学校で、静岡出身の友達と方言の話になった。「やっぱさぁ、お前、出るよね、方言。博多弁?」「そら…俺みたいな西日本の人間には標準語とか恥ずかしくて喋れんから…それでも一応努力はしよるよ」「…そう?」「…一応。」その彼が話してくれた、静岡方言のエピソードもなかなか面白かった。
彼の出身地あたりでは「洗濯物を取り込む」ことを「寄せる」と言うらしい。で、ふとした拍子に「あ、洗濯物寄せといて」と言ってしまったそうなのである。言われた相手は東京出身。その相手は……ハンガーにかかった洗濯物を物干し竿の片方に「寄せた」そうである。まぁ、多分私が言われたとしても同じことをしでかしたと思う。日本はまだまだ広い。
▽市営バス
仙台市営バスと宮城交通が、去る3月29日にダイヤ改正を行った。今回の目玉は市営バス路線の「宮城学院線」と「尚絅短大線」の移譲であった。宮城交通に車両も含めて移譲が行われ、路線の新設や延伸なども行われたようである。小泉内閣ではないが、民間でできることを民間に任せるのはいいことだと思う。ただそれが、行政側の「後始末」のような格好になるのであれば、かなり問題だ。今回の改正ではこの路線移譲が行われた一方で、市営運行の市内観光循環バス「るーぷる仙台」が増便され、しかも専用車両が追加投入されたのである。その価格4000万円。日野特殊車体のレトロ調バスである。
それだけをして、税金の無駄遣いだなんだと言うつもりはない。ただ、市営バスが赤字に喘いでいるのもまた事実である。市民のバス離れが深刻だと言うが、それはどこの都市でも同じで、都市によっては公営交通が存在しないところもあるのである。そういう都市では民間企業が工夫を凝らしてバスを運営し続けているわけだ。公営交通であれば、行政的な工夫も併せて行えるはずではないか? それとも、その「工夫」がうまくいかないのか? 単に、人件費のかけ過ぎなのか?
最近の市営バスは乗務員教育が変わったのか、乗務員さんが割といろいろアナウンスするようになってきた。接客などせずに運転に専念せよ、という意見ももっともながら、乗客とのコミュニケーションすら拒絶するような態度はさすがに困る。愛想を振りまけというのではなく、なるべく気持ちよく利用できる車内環境をつくるには、まず乗務員が肝心だろうと思う。
あとは、宮城交通との共同作戦をうまく展開すればいいのである。路線ごとの棲み分けはかなり進んだわけだし、全体的な「バス離れ」を是正しようと思うのであれば肩肘張って縄張り争いをやっている場合ではない。バスロケーションシステムの整備とか、乗り継ぎ割引の設定(あるいは拡大)とか、柔軟な臨時便の運転とか、路線図の共通化とか、まだまだアイデアはあろう。仙台都市圏の住民に「なんだ、バスって結構便利だな」と思わせるためには、どちらかだけが頑張っても無理なのである。
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