このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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霧の吉田駅[04.03.05]
霧の吉田駅

柏崎—出雲崎—寺泊—分水—吉田—内野—新潟
  信越本線 柏崎から沿岸部を通って新潟まで行く路線です。吉田では弥彦線に接続します。柏崎〜吉田間は1日10往復程度のローカル線ですが、吉田〜新潟間は新潟のベッドタウンとして発展が著しく、特に内野〜新潟間はデータイムでも20分ヘッドのフリークエント運転が行われています。115系やE127系などが主力車両です。新潟から白新線・信越本線方面への直通列車も設定されています。
 新潟〜新発田間を結ぶ白新線の「新」は羽越本線新発田駅の「新」ですが、「白」はこの越後線の白山駅の「白」です。
 2005年3月1日ダイヤ改正にあわせ、越後赤塚〜内野間に「内野西が丘」駅が開業しました。
<乗車記>
 柏崎駅前をぶらぶらしてから、20時01分発の173Mに乗る。115系3連の短編成で、乗客も少ない。既に車窓は闇。今年は雪が少ないようで、広がる田園風景も「真っ白」と言うには程遠い。柏崎から50分、寺泊に到着した。多感だった高校生の頃、学校で「イ○てる2人」なる漫画が流行った。この漫画のヒロインが新潟出身で、そこに「寺泊」という地名が出てきた。仲間内で「寺泊ってどんなとこなんかね〜、いっぺん行ってみたいね〜。卒業旅行で新潟行くか新潟!!」などと話していた。残念ながらこれは話だけに終わってしまったが…。あれから3年余、その夢がようやく少し叶ったわけだ。降り立ったわけではなく、通過するだけだったのはいささか残念だったが、記念に、と窓を開けて駅名標を写真に収めておいた。
 吉田着21時07分。降りた乗客は私を含めて3人だった。次の新潟行きは22時02分。駅前のコンビニに立ち寄ると、私の先にこの店に入った紳士が「この近くにアルコール売ってるコンビニないの?」と訊いていた。常連らしいおじさんと喋っていた店員さん、「えーと…国道まで出てもらえれば…」との答えであった。夜食の調達は済ませたが、もののついでに私もそのコンビニまで行ってみることにして、その店を後にした。雪は少ないとは言え気温は下がっている。積もった雪が凍り付いていて、スニーカーで仙台を出発した私の足元はかなり覚束ないものになった。オマケに霧が出てきた。駅前広場脇から自由通路然とした歩道橋で線路を越え、「国道の方」へと歩く。
 足を滑らせないように慎重に歩いていくと、大型トラックが行き交う交差点に出た。キョロキョロと辺りを見回すと、霧でかすんだ視界の中にオレンジと赤と緑のラインが目に入った。「下越吉田店」なるその店で再び買い物をし、駅に戻る。郵便局があったので自動販売機で葉書を買った。…考えてみれば葉書はコンビニでも買えるわけだが。駅前広場で転びそうになりながら駅に到着。22時02分発の175Mに乗るらしい乗客はまばらにしかいない。窓口も既に閉まっていた。LED表示の発車案内が静かに「新潟」の文字を放っている。ホームは2面3線、夜間滞泊だろうか、向かいのホームには115系やE127系が集っている。やがて目の前の1番のりばに、柏崎方から115系が3連で到着した。しばらく間合いがあった後、エアの抜ける音がして車体の赤いランプが灯る。半自動扱いのドアを手でこじ開けて車内に入る。
 新潟まで50分弱であるが、この時間に新潟へ向かう乗客は少ないようだ。新潟に近付くに連れ、飲み会帰りらしい学生集団や花束を抱えた高校生らしい一団などが乗り込んできて徐々に賑やかになってきたが、やはり空席が目立った。地方の通勤路線にあたるような路線では「片方向輸送」が顕著になるわけで、この越後線も例外ではなかった。その証拠に、通勤客を満載して窓を曇らせた下り電車と何度かすれ違った。新潟着22時50分定刻。まだこの駅は活気付いている。私の乗ってきた電車は「回送」として引き上げていった。
[04.03.05乗車]

(駅案内)柏崎—東柏崎—西中通—荒浜—刈羽—西山—礼拝—石地—小木ノ城—出雲崎—妙法寺—小島谷—桐原—寺泊—分水—粟生津—南吉田—吉田—北吉田—岩室—巻—越後曽根—越後赤塚—内野西が丘—内野—新潟大学前—寺尾—小針—青山—関谷—白山—新潟
(その他)全線電化単線、地方交通線

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