このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
東北本線 盛岡から 奥羽本線 大曲までを結ぶ標準軌のローカル線です。いわゆる「新在直通」の「ミニ新幹線」を走らせるべく改軌されました。全線を直通する各駅停車はわずかに2.5往復。それ以外は大曲〜田沢湖、盛岡〜雫石・赤渕・田沢湖間の区間運転で、区間運転列車もお世辞にも本数が多いとは言えません。東北新幹線に直通する特急「こまち」がメインの路線で、ローカル普通はひたすら待避を繰り返して運転されています。なお「こまち」が停車するのは雫石、田沢湖、角館のみで、新幹線の時刻表には他の駅は掲載されていません。
<乗車記>
盛岡発14時08分の835Mは数少ない大曲まで直通の各駅停車である。東北本線の各駅停車から乗り継いだ701系5000番台の車内は、ロングシートとクロスシートが千鳥状に配置された不思議な座席形態だった。中・長距離旅行需要と通学輸送需要を折衷するとこういった形状が生まれるのだろう。東北本線の701系のひたすらロングシートの車内よりは随分マシである。列車は4両で、ツーマン運行であった。データイムでお客がいるのかと危惧したが、旅行客らしい乗客も含め、ちらほらと各車両に乗客が分散していた。
盛岡定刻発車。IGRの車両を横目に東北本線(IGRいわて銀河鉄道線)と分かれ、東北新幹線の高架橋から降りてくる秋田新幹線の乗り入れ線と合流する。新在直通の改良で路盤が強化されており、さらに標準軌なので、701系とは言え胸がすくほどの走りを見せる。もっとも、早いとこ逃げ切らないと後続の「こまち」に追い着かれるという事情もあろうが。雪の積もったゲレンデを遠目に見ながら、春もそろそろやってきそうな田園風景が車窓を過ぎてゆく。雫石14時27分着。発車は42分。東京11時56分発の「こまち13号」に追い抜かれ、予定臨の「こまち92号」と交換して発車である。今日は「こまち92号」は運転されないので、空虚な時間が流れる。停車中に駅舎内の物産店に行ってお土産を買ったら、店員さんがオマケをくれた☆
だんだん高度を上げ、雪深い山奥に分け入っていく感じになってきた。首都圏では桜がどうこう言っている季節だが、このあたりではまだまだ雪が残っている。赤渕〜田沢湖間は駅間が長いため、スノーシェッドもいかめしい信号場がいくつかあり、秋田発14時05分の「こまち20号」と交換した。かぶりつきで前方を見ていたら、この線路もともかく、山肌に張り付くようにして道路があったりして、建設や維持の苦労が偲ばれた。田沢湖着15時17分。発車は37分。予定臨の「こまち277号」と「こまち86号」がここ田沢湖で交換するのでこれを先発させ、さらに大曲発14時46分の840M盛岡行きと交換である。列車を下りて駅前に出てみると、駅前広場の工事中であった。かなり「渋い」バスがお客を待っており、その脇には除雪された雪が固くなったまま残っていた。観光案内版を見上げたり、観光案内所でパンフレットを漁ったりしてから列車に戻る。雨が落ちてきて、独特のほこりっぽい匂いと共に駅脇にある製材所の木材の香りがたちこめていた。
神代で秋田15時06分発の「こまち22号」と交換、角館到着は16時01分。発車は26分。こうなると、新幹線ダイヤの中に無理矢理ローカル普通を入れたようにしか見えない。小雨が降り続いていたが、駅前に出てみる。みちのくの小京都と呼ばれる角館は、駅前もそれを意識したつくりになっていた。「社線のりば」と書かれた切り欠きホームに、秋田内陸縦貫鉄道の単行ディーゼルカーがぽつねんと乗客を待っていた。東京12時56分発の「こまち15号」が先発。純白の車体に「こまち」のロゴが誇らしげである。羽後長野で秋田15時58分発の「こまち24号」と交換。やたら新幹線が運転されているような気もするが、予定臨を除けばほぼ毎時1本の運転である。それだけこの普通列車が遅いのだ。羽後四ツ屋では大曲16時41分発の842M田沢湖行きと交換。車内は下校途中らしい高校生で賑わってきた。やがて定刻16時55分、終点大曲に到着。次の乗り継ぎまで30分ある。駅前に出てみるとしよう。
[2004年03月30日乗車]
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |