このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
言わずと知れた西日本鉄道の主要路線です!! 福岡のみならず九州の中心繁華街とも言える天神から一直線に筑紫平野を南下し、久留米、柳川を経由して大牟田に至る74.8kmの路線です。かつては大牟田線と称していたのですが2001年1月をもって「天神大牟田線」と改称、あわせて始発駅である福岡駅を「福岡(天神)駅」と改称しました。カッコ書きを含む正式名称の駅名は全国でも珍しいのではないかと思います。
南下するに従って輸送人員が減少する、典型的な片方向通勤路線となっています。福岡(天神)口だけを見れば「大手私鉄」の名に恥じない輸送状況ですが、南部の普通列車を見る限りでは、中小私鉄の風情も漂います。データイムのダイヤを見ると、30分ヘッドで全線直通の特急が走り、その30分の間に区間運転の急行2本、普通2本というパターンダイヤを形成しています。朝ラッシュ時は上り急行の続行運転などにより最大20本/時の高頻度運転を行っています。下りの終電が長らく23時46分福岡(天神)発の筑紫行き普通電車でしたが、「フライデーナイトエクスプレス」と称して金曜日のみ運転した24時ちょうど福岡(天神)発花畑行きの臨時急行が好評だったことにより、平日運転の定期列車に格上げされました。2004年10月改正現在、平日ダイヤでの終電はこの花畑行き急行となっています。
福岡(天神)では福岡市営地下鉄空港線天神駅に接続します。二日市では 太宰府線 を分岐します。歴史的な経緯もあり、福岡(天神)から太宰府へ向かう列車は二日市でスイッチバックしなければならない配線となっています。小郡では甘木鉄道に接続します。旧国鉄甘木線の「筑後小郡」駅はやや離れた位置にあったのですが、甘木鉄道が乗り換え需要を見越して駅を移転させ、接続を改善した経緯があります。宮の陣では甘木線を分岐します。大牟田駅はJRの駅と一体の構造となっており、のりばの番号も通しで振られています。ただ、JRの駅に「間借り」する関係になっているため、いささか肩身の狭い思いをしている、というのが実のところです。
列車種別は特急、急行、普通と、朝ラッシュ時上りのみの運転の「快速急行」、朝ラッシュ時下りのみ運転の「直行」があります。
特急は福岡(天神)〜大牟田間、全線通しての運転です。大善寺以南に単線区間があるものの、特急同士がすれ違う箇所を重点的に複線化することで到達時間の短縮を図ってきた歴史があります。「福岡〜大牟田60分運転」が売りだったのですが、近年、久留米近郊の住宅開発に伴って停車駅が増加し、所要時分が若干延びています。大善寺はラッシュ時のみ停車だったのが終日停車に格上げされ、花畑は高架化の完成と同時に停車駅に加えられました。停車駅は<福岡(天神)—薬院—二日市—久留米—花畑—大善寺—柳川—新栄町—大牟田>で、毎時2本の運転です。
急行は区間運転が基本です。急行停車駅は<福岡(天神)—薬院—大橋—春日原—下大利—二日市—朝倉街道—筑紫—小郡—宮の陣—久留米—(以南、特急停車駅と同じ)>で、福岡(天神)〜筑紫・太宰府間運転列車は福岡(天神)〜二日市間急行運転、福岡(天神)〜小郡間運転列車は福岡(天神)〜筑紫間急行運転、福岡(天神)〜花畑・津福・大善寺・柳川間運転列車は福岡(天神)〜久留米間急行運転です。福岡(天神)〜大牟田間全線直通の急行は数えるほどしかありません。データイムには福岡(天神)〜花畑間と、福岡(天神)〜小郡間の列車がそれぞれ毎時2本ずつ運転されています。
普通も区間運転が基本です。かつてはデータイムの普通が毎時2本、全線直通で運転されていましたが、大牟田起終点の普通を甘木線と直通させ、ワンマン化したため全線直通の普通は激減しました。データイムには福岡(天神)〜太宰府間、福岡(天神)〜大善寺間、福岡(天神)〜筑紫間の列車がそれぞれ毎時2本ずつ運転されています。
快速急行は平日朝ラッシュ時上りのみ2本の運転。急行停車駅のうち春日原、下大利を通過します。天神大牟田線では最長の8両での運転で、春日原・下大利の両駅はホームの有効長が7両しかないため通過するものです。直行は平日朝ラッシュ下り3本のみの運転で、全て二日市行き、途中停車駅は薬院のみです。限りなく「回送」に近い列車です。
車両運用にも輸送人員の状況が如実に反映されています。主力通勤型車両は5000系と呼ばれる、3ドアロングシート車です。3連固定と4連固定の2種類があり、自在な編成で走ります。車体更新が行われ、バケットシートとスタンションポールの設置が順次行われています。3ドアロングシート車には600系、700系という形式も存在します。そして6000系は4ドアロングシート車。こちらも3連固定と4連固定があります。VVVFインバータ制御車の6050系が存在しますが共通に運用されています。7000系はIGBT素子を用いる近年主流のVVVFインバータ制御を採用した、ワンマン対応の4ドアロングシート車。兄弟分として、3ドアロングシートバージョンの7050系が存在します。
3ドアセミクロスシート(転換)の6連固定編成2000系はかつての特急車。2ドアでデビューしたのですが、中扉を増設して現在に至ります。そして現在の特急車は8000系。2ドアセミクロスシート(転換)、全面展望抜群のフロントウィンドウ、日本最大級のワイド側面窓など特急車の貫禄十分です。そして2006年春に鮮烈デビューした3000系は、急行運用を主眼とした、VVVFインバータ制御3連or2連固定編成3ドアセミクロスシート(転換)車となっています。ドア鴨居部にLEDの案内表示機が設置された他、妻部には液晶ディスプレイも設置されています。ステンレス車体に青いラインをまとった、これまでの西鉄電車のイメージを根底から覆すような車両に仕上がっています。
5000系、6000系は編成の自在さを生かして全ての列車種別で使用されます。区間運転の各駅停車は4連、急行以上の優等列車は6・7連での運転です。ただロングシート車のため、特急運用に就くのはラッシュ時など一部のみです。8連も組めますが、ホームの有効長の関係上停車できる駅が限定されてしまいます。ラッシュ時の上り快急及び下り直行のみの運用です。600系、700系は各駅停車運用が主です。600系は一部急行にも就きます。2000系はデータイムの急行運用が中心ですが各駅停車にもなります。8000系も、データイムの特急運用が中心ですが各駅停車での運用もあります。7050系は多くは2連のワンマン運転で、支線の甘木線から宮の陣〜久留米〜柳川〜大牟田という区間の各駅停車運用に就いています。当初は7000系がこのワンマンローカル普通列車の運用に就いていましたが、3ドアの7050系が投入されたため、7000系については2+2の4連でツーマン各駅停車として福岡(天神)口での普通列車に運用されるようになりました。
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |