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総合病院誘致問題について

1999.12.18

平成11年12月9日の読売新聞(朝刊・地域版)によりますと5小跡地に武蔵村山市が医療法人徳州会の救急総合病院を誘致し協定が結ばれたという記事が掲載されました。

記事を要約すると5小跡地の土地を有償で貸し、ベット数600床ほどの24時間体制の総合病院を日産村山工場閉鎖に併せた2001年3月をめどに開設。武蔵村山市民を中心とした職員を採用して雇用対策もするとのこと。東大和病院も200床ほどの療養型病院の建設を計画したが、市側は病院のタイプがあわず断ったとのこと。市の医師会は突然こんな話がでて、必要なのは療養型病床であり、患者の奪い合いなどの市内の病院関係が悪化してまい納得できないとのこと。今後、市と医師会で話し合いが行われる予定。



一般に私たちが呼んでている病院には、その機能によりいくつかの種類に分けることができます。
診療所・・・いわゆる町医者です。XXX医院とかXXXクリニックと称しているのがそうです。入院する為のベットが19床以下の施設を指します。
病院・・・ベット数が20床以上ある施設です。当たり前ですが医師がいて診察する為の設備等なければ診療所・病院と名乗ることはできません。
総合病院・・・100床以上であり、内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻科を含む知事の承認を得た病院。
救急病院・・・傷病者に対して常時それに対応できる医師・設備を有すること。知事が救急業務の協力を要請して応じたものを知事が「救急病院」として告示している。
地域支援病院・・・200床以上であり、ICUなどの一般病院以上の施設、救急医療が行なえる知事の承認を得た病院(公立病院等)
特定機能病院・・・500床以上であり、高度な技術・設備の開発・研究を目的とした厚生大臣の承認を得た病院。(大学病院等)
療養型病床・・・慢性疾患等で症状は安定しているが長期入院を必要とする患者に対して療養目的とした病床。

ここで武蔵村山市内にある診療機関をあげてみると
国立療養所村山病院(560床)
東京小児療育病院(145床)
村山中央病院(72床)
並木向病院(58床)
41診療所(内19歯科)
さらに立川・東大和市の大病院をあげると
立川病院(487床)
立川相互病院(345床)
立川中央病院(146床)
国立病院東京医療災害センター(390床)
東大和病院(238床)

建設される予定の600床の病院の規模がだいたいわかりましたでしょうか?多摩地域でも大規模な病院となりそうです。前回の市議選でも市内に救急総合病院の設置を公約とする議員さんが多くおられましたので、この話はすんなり決まっていくのではと思います。市民も交通の便等を考えると総合病院の設置は歓迎していると思います。

ではなぜ医師会が反対しているという医療機関の関係の悪化、一般病棟ではなく療養型病床を望むのかというとやはり一言でいえば、患者がとられてしまうからです。(商店街の中に大手スーパーができるようなものです。)
患者からみれば診察・設備等がしっかり整っている大病院にどうしてもいきたくなってしまいます。

ですが、基本的に厚生省の方針では
・ 中小病院・診療所では地域医療における、初期・総合的な診療
・ 大病院では入院を中心とし外来では基本的に専門的分野の診療
と診療機関ごとの役割分担をするように指導しています。
最初は診療所で診察してもらい高度な技術・治療等必要ならば専門的な病院を紹介してもらおうということなのです。こういうことでよくいわれる「はしご受診による医療費の高騰」や「1時間待って診察1分」を防ぎ、質のよい医療を提供しようとしているのです。

それなら今まで総合病院のないむさむらに、これはとってもいい話になるのです。
しかしこのままではうまくこの機能が生かされない可能性もあります。現状で他病院との支援・連携がうまくいっていれば、突然できた大病院に紹介することがあるかどうかという問題です。紹介する医師は自分のいた病院や先輩・後輩等いる病院に紹介しがちです。むさむらで診察しても隣の市の病院に紹介されるよりは同レベルの病院が市内にあれば患者としてみれば近いほうに行きたいに決まっています。このようなことから医療機関の関係の悪化から患者の奪い合いという現象が生じてしまうのです。病院同士の協力があって質がよく効率的な医療が提供されるものだと思っています。

医師会では療養型病院を求めていますが、療養型病床群のある病院のメリットとを考えてみました。
・ 入院費に介護保険が適用される。
・ 一般病院に入院するべき患者の入院待ちが減少する。
つまり医師・患者共に適切な治療・診療ができ、現存する診療所・病院の患者の奪い
合いが減るのではないかと思っています。
武蔵村山市の65歳以上の人口は9000人弱です。そのうち介護保険の支給予定となる人は800人ぐらいいます。
武蔵村山市の福祉施設の状況がわかりませんが、今後の高齢化社会に備えて療養型病
床も加えた総合病院になればいいのではと思います。

最後に誘致される予定の徳州会については、ヤフー等で検索すれば見つかると思います。さらに理事長の徳田さんの書いた医療問題の取り組みについて書いた本がでていると思います。(最初にこの記事をみて、どこかで聞いた名前だとずっと考えていたところ思い出しました)
なっくんは読んだことありませんが、興味ある方はどうぞ。

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