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ソフトハウス殺人事件 〜メビウスのアリバイ〜


第一章 同期会

         1

 土田道幸はタイムカードが午後八時になるのを暗い室内でまっていた。トリオでは三十分単位で残業代が算出されるからだ。残り十分位で七時や八時、七時三十分になるなら帰りの支度をしたり適当に時間をつぶしてタイムカードを押すのが普通である。
 土田は定時の六時に仕事を終え帰るつもりであった。帰るといっても今日は同期入社の仲間同士で午後七時から飲み会をすることになっていた。しかし、こういう時に限って顧客からトラブルの電話があるものである。
 トリオ、正式にはトリオシステムプランズ株式会社。大手コンピュータメーカーF社に関連するディーラーの下でコンピュータのソフト、つまり、プログラムを製作する、いわゆるソフトハウスである。最近の情報処理産業界の繁栄の中で設立された中小企業で、昨年、創立十周年迎えたばかりである。一時期苦しい業績の時もあったが、このバブル経済の好景気のなか、順調に成長をなし遂げてきた。東京、大阪に支店を持ち、札幌、仙台、福岡には営業所もある。来年には広島にも営業所を設立する予定で、会社全体が前向きに突っ走っていた。
 土田は入社一年目で、毎日の仕事に苦労しながらも何とかやってきた。この会社、研修と言えるものはあるにはあるが、ほとんど勉強より実践という形で仕事をさせられるので、ついていけない人は辞めてしまうし、一年も続けばそれなりに仕事も出来るようになる。
 土田宛に電話がかかってきたのは六時過ぎ、そろそろ帰る準備でもしようかと思っていた時だった。相手は小西砕石という岐阜県の田舎町にある砕石工場である。小西砕石は当初松野専務と野尻部長が作業をしていたのだが、他にも忙しい二人は青山真治に引き継がせた。今年、土田が青山に連れられて小西砕石へ出かけたため、いつしか土田が担当者になってしまった。このようなパターンで先輩から後輩へ仕事が引き継がれていくことが多い。これが良いのか悪いのか、何とも言えないが、顧客側からみれば、あまり担当者が替わるのは快しと思っていないようだ。  今日のトラブルは工場の近くに落雷があり、停電となったためシステムがダウン。その復旧方法を教えて欲しいというものだった。土田は青山からいろいろ教わり、個々のプログラムは何とか理解したものの、業務全体やシステムのことはまだよく把握していなかった。とは言ったものの今回は四苦八苦しながら、どうにか対応をしシステムが完全に復旧したのを確認した後、その日の業務を終了させるまで付き合った。その結果、時刻は七時半をとっくにまわっていた。
 どういうわけか珍しくその時刻に残っていたのは、土田一人だけだった。普段の日なら一人や二人は九時ごろまで残業している人がいるのだが、今日は木曜、いわゆる「ハナモク」で、しかも、給料日と重なったため、社員は皆定時近くに帰宅してしまったのだ。
 土田は電話を終え、後片付けをし、最終退出者なので戸締りと電気・ガスのチェックを行い、タイムレコーダーが八時になるのを待った。「ガチャ」と音がしてレコーダーが八時になった。八時きっかりでタイムカードを押すのはちょっと気がひけるので、もう一分待ってからカードを押した。プログラムの仕様書などが入っている引き出しから鍵を取り出し、電気が消えていることを確認してから施錠をした。電気がついていたり、ガスの元栓が開いていると、一階で鍵を格納する時「電気を消してください」とか「ガスの元栓を閉めてください」とメッセージを言ってくるので、それが煩わしいのである。エレベーターに乗り一階へ、鍵を階段の脇にある収納壁に格納した。メッセージが出なかったことにホッとして、裏口の扉の開閉ボタンを押した。このビルは午後七時を過ぎると正面の自動ドアはロックされてしまうため、裏口から出なければならない。当然この裏口も外側からセフティロックが掛かっているため、自由に入ることは出来ない。ロックを解除するカードを使うか、中から誰かに開けてもらわなければ、ビルに入ることは出来なくなっている。
 裏口を出るとそこには二台の車が駐車できるスペースがあり、その端には段ボールが積んである。ここには、いつからかホームレスの男が住みつくようになっていた。若いのか年寄りなのか良く分からないのだが、たぶん、三十から四十と思われる。今は酒などを飲んでいる様子などはなく静かであった。土田は今夜は眠っているのだなと思い気にもとめず。同期会へ出るため駅の方へ急いだ。
 冬真っ只中。風は無いが空気は冷たくコートを通じて肌身にその寒さが伝わってくる。静かな夜だが、その闇の中には・・・・・・。

         2

 土田が飲み会の場所に着いた時には宴は盛大に盛り上がっていた。ここは、居酒屋の天狗、名古屋駅から五分位の広小路通りから三井ビルの交差点を一本入ったビルの地下にある。土田の同期が集まる時は、たいていここで飲み食いする。
 土田の同期は、彼の他に名古屋では七人いる。大学卒の竹内、荻須、古田、佐藤、専門卒の土田、伊藤、古井、それに高卒でまだ十八歳の樋口で、古田と佐藤は女性である。
 今日の飲み会の言い出しっぺは古井で、たいていは伊藤や古井が「飲もうぜ」と言いはじめて招集されることが多い。近頃、各人の仕事が忙しいため、同期の八人が揃うのは久しぶりであった。
 土田が店の階段を降りると「土田様御一行」という札がかけられいる。土田は、割りと社内に居ることが多いので、いつも幹事役にされてしまう。店の予約と各人への連絡係である。店員に「土田で予約してあるんですけど」と尋ねると、席まで案内してくれた。
「やあ、お待たせ」
「やっと、来たか。遅いぞ、ツッチー」と古井孝士がバターコーンを食べながら、絡むように怒鳴った。古井は長身の見るからに痩せた体型でひょろっとした感じだ。性格はお調子者で楽しむことがまず第一、たまにうるさすぎると思われることもあるが、人からは好かれるタイプだ。
システム三課に配属されたが研修が終わった初日の翌日には、出向ということでT社に派遣された。片岡という入社四年目の先輩と、臼井という二年目の女性の下で働くこととなり、会社にはほとんど戻ってくることはない。そのかわりこういった飲み会とかイベントには必ず参加している。
「何飲む?ビールでいいか?」荻須克也が陽気にきいた。荻須は古井とうってかわってガッシリとした体格で歳のわりに老けて見られるせいか、一部からは「オヤジ」と呼ばれている。最近髪にパーマをかけたのだが、妙に似合わず、よけい「オヤジ」に見えてしまう。物事をクールに見る目があるのか、いつも落ちついていてはしゃぎすぎることもない。荻須も、一週間目にはF社に出向に出てしまい社には戻らない派である。一様一課なのだが、既に一課で取り扱うような仕事はできないようになっていた。
「ああ、ビールでいいよ」土田は背広の上着とコートを佐藤に頼んで壁の洋服掛けに掛けてもらい、竹内の隣に座った。八人は大きなテーブルを挟んで四人ずつ向かい合って座る形になっていた。テーブルの上にはあふれんばかりに料理が並び、テーブルの端には既に食べ終わった料理の皿や焼き鳥などの串が積まれていた。
「竹内さん、久しぶりだね。元気にしとった?」
「ああ、ぼちぼちでんな」と竹内は大阪弁の冗談で答えた。竹内正典は二課なのだが、三ヵ月後位に出向のため研修で東京へ半年ほど出張させられた。帰ってきた後はその出向先で作業をしているため会社には戻らない日々が続いている。背丈は小柄で髪はいつもスポーツ刈りのように短くしている。たまに不精髭などをはやして「長渕剛」を気取っているが、誰も目にしてくれない。入社したころから「遊び人」というレッテルを貼られているが、本人も全くの否定は出来ない。だが、その実、物事の判断力や行く先の推察力など、優れたものがあり、人からも好かれ頼られる存在だ。本人いわくコンピュータには向かず、自動車のディーラにでもなればよかったと後悔しているのだが、今は自分の仕事に努力奮闘しているところである。
「トラブルはよかったんか?」伊藤賢司が尋ねた。二課の伊藤は典型的なB型人間で古井以上にお調子者である。不真面目、ぐうたら、人の話は聞かない、投げやりと悪評は履いて捨てるほどあるのだが、いい点と言えば誰からも好かれるという点ぐらいしかない。ただ、仕事とはうってかわって遊びとなると、俄然張り切りだし率先して皆の先頭に立つ。スポーツ万能でスピード狂、先日までやたらと定時に帰ると思ったら免許を取り消されたので、再度教習所に通っていたことが判明した。とにかく、植木等の「無責任男」を地でいくような男だ。
 土田は先に会社を出る伊藤に後から遅れて行くと言っておいたのだ。伊藤と樋口、古田、佐藤は社内にいて一緒に天狗へ出かけていた。
「うん、なんとか終わらしたよ。雷が落ちて大変だったけどな」少し不機嫌そうに土田は言った。
「すいません!中ジョッキー一つと、揚げ出し豆腐一つ、サイコロステーキ一つ」通路側にいる荻須がちょうど通りかかった店員に注文をした。
「ツッチー他に何かいるか?」
「ひとまず、ここにあるやつでいいよ」
 “ツッチー”とは土田のニックネームである。何気なく伊藤が年末の飲み会で言ったところ、いつしか会社中に広まってしまった。土田は一課で専門卒ということで早くから仕事についていたが、社会というのは思ったほど楽じゃないと痛感していた。背が低く眼鏡を掛けて目立たないタイプで、人見知りの性格のせいかなかなか他の人と打ち解けなかった。が、いったん仲良くなれば、よく喋るし、下らないことを言う変人である。気弱で優柔不断なところを直せばいいのだが、そう性格など直るわけもない。
 この八人、個性、年齢はバラバラだが仲はいい。社会人になると学生時代以上に上下関係が複雑になるが、そんな中で横の関係である同期の仲間は大事にすべきである。いつも、話を盛り上げているのは古井、伊藤で、それに荻須や竹内が突っ込みをかます。樋口と土田は割りと静かな方だったのだが、最近この二人も結構うるさ型というのが明白になってきた。特に土田の性格の変わりようには、他の社員も驚いている。別に性格自体が変わったのではなく、今まで猫をかぶっていたというのが真実である。
 樋口は十八歳ということもあり、まだ顔も幼く、言葉使いも大人に成っていないというか、ボソボソとはっきりしない話し方なのだ。ただ、そのイメージとは裏腹にパチンコはやるし、今でも二十歳になっていないのに平気で酒を飲んでいる。煙草は吸わないのだけは感心できるが、これから大人たちの真似をして悪くなるのが心配だ。だが、逆に若くして社会人になったため、学生時代に行うような遊びを知らないというのも可哀相な気がする。伊藤と同じく二課であるが彼よりは二課のためになっている。
 古田美和子と佐藤真里はトリオの女性社員の中では極めておとなしい静かなタイプだ。二人とも小柄でのんびり屋さん、話し方も動き方もスローである。冗談を言ってもそれを冗談と解してくず、「何?」という感じの返答をするので、こちらがガクッときてしまう。二人とも一課の所属で先輩の下で一生懸命という毎日だ。他の女性たちと比べると、全く対照的な二人である。
 二人は酒もそれ程飲まず、古田などビールを少ジョッキーの半分ほど飲んでしまったら、後は注ぎ役に徹してしまう。それが注ぎ上手というか、誰かが古田に注ごうとすれば、そのビンを奪い取って注ぎ返してしまう技は天下一品である。佐藤の方もビールには乾杯で口をつける程度で、後は適当に食べることにまわってしまい、何か話題をぶつけると短い言葉であっさりかわされてしまう。
 店員が土田の分のビールを運んできた。
「じゃ、また乾杯しようか」樋口が言った。
「何回目なんだ」
「えーと、これで三回目かな。俺が来た時には古井と荻須さんがいたし、後から竹内さんが来たからな」伊藤が既にジョッキーを持ちながら答えた。
「じゃ、ツッチー音頭を取れよ!」古井が土田に向いて言った。
「ああ、それじゃ、ひとまず、お疲れさまということで、乾杯!」
「かんぱ〜い」
「ところで、みんな、何を話していたんだ?兄貴とか妹とか聞こえたけど」土田がジョッキーの三分の一位飲んで尋ねた。
「いやね、荻須さんのお兄さんが、今度結婚するそうなんだよ」と古井。
「へえー、そう。それはおめでとう。でも、荻須さんにお兄さんがいたんだ?」
「弟もいるよ、三人兄弟なんだ」
「ふーん、竹内さんはお姉さんがいたよね」土田は竹内に話をふった。
「ああ、もう結婚して適当にやっているよ」
「俺んとこは妹がいるよ!」伊藤が誰もきいていないのに首を突っ込んできた。古井もそれに続いて「俺と同じだな」
「そうか、みんな兄弟がいていいな。僕なんかひとりっ子だからな。樋口君も確かひとりっ子だったよな」土田は竹内の隣にいる樋口に向かいながら言った。
「ああ、そうだよ」
「なに言ってんだ。樋口君にはお兄さんがいるじゃないか」古井がおどけた調子で言った。
「いないよー」
「鈴木さんというお兄さんがいるじゃないか」
「えー、またそういうこと言う」樋口はふてくされたように答えた、皆はどっと笑った。ただ竹内だけは良く分からずつられてニヤリと笑っただけだった。  竹内は隣の土田にきいた。「鈴木さんて、誰だっけ?」竹内は研修や出向のため会社の宴会なにあまり出られなかったので、社員の顔と名前をよく覚えていなかった。
「えっ、鈴木さん?もう辞めちゃったけどさ、二課にいた人で『ヤッちゃん』て言われていた人だよ」とアクセントに気を付けて答えた。
「樋口君によく似た人じゃない、専務だって間違えたんだから」
「ああ、そうか、そうか」竹内は何となく記憶の奥に鈴木の面影が浮かび、土田とは反対側の隣に座る樋口を見た。樋口はどこか視点の定まらない目つきで上を見ていた。その時、さっき注文した揚げ出し豆腐とサイコロステーキが運ばれてきたので、男たちの箸が一斉に動き始め、竹内も一歩遅れて箸を持った。

         3

 同期の飲み会は予約が二時間のため、午後九時にはお開きとなった。当然九時では宵の口なので「二次会へ行こう」という手順になってしまう。古田、佐藤の両女性陣はそこまでは付き合わないので「お先に」ということで帰っていった。荻須も明日は出張のため、付き合えないということで「悪いけど、ホームライナーで帰るわ」と言って竹内たちと別れた。残った五人は古井の「サンライズへ行こうぜ」という一言で二次会の行く先は決まった。トリオの人たちは二次会となるとたいてい「サンライズ」か「ウーマン」という馴染みのスナックへ行くと相場が決まっている。古井たちの先輩が行くので、結局、後輩の古井たちも通うようになり、いつしか馴染みの店となっていた。特に、古井は同じ出向先に派遣されている片岡やその出向先の社員の人たちがよくサンライズへ行くので、サンライズを好いているようである。最近ではカウンター内に入って、まるでバーテンのように一緒に来た人たちの酒を造っている始末である。
 というわけで、五人はタクシーを捕まえ、無理矢理、全員乗車して栄五丁目、池田公園の近くにある雑居ビルのサンライズへと繰り出した。店には既に五人ほどお馴染みさんらしい客がいたが、古井たちはテーブル席を陣取り、水とつまみだけもらった。そして、古井がキープしてあったというよりは実際には片岡がキープしていたボトルで勝手に飲み始めた。カラオケの方もリモコン装置を専有して適当に歌いまくった。
 あっと言う間に時間は過ぎ去り、零時をまわってしまった。電車やバスはとうに無くなってしまったので、五人は社員寮に泊めてもらうことにした。再びタクシーを拾って堀川沿いのマンションへ向かった。
 寮と言っても特別の建物があるわけではなく、マンションの一室を会社が借りているだけである。寮には現在、片岡伸一、一人しか利用していなかった。片岡は地方出身者ではないが、通勤に時間がかかるので寮生活を送っているのだ。
 古井たちはよく寮を利用していたが、竹内だけは初めてだった。エレベーターに乗って竹内は尋ねた。
「みんなはよく泊まるの?俺なんか泊まっていいの?」
「ああ、誰でも泊まれるさ、宿がわりだよ。下手にタクシー代を出すよりいいし」伊藤がにやけて答えた。
「今は片岡さんしかいないんだろ?こんな時間じゃ寝ていて起こしたりしたら悪いんじゃないの?」
「大丈夫。片岡さんはひとのいい人だから」なにか勝手な都合だなと竹内は思ったが、今回は自分もその一員なので何も口に出して言えなかった。
 エレベーターが七階に着いた。降りた目の前が寮である部屋で、伊藤は片岡が出てくるまでチャイムを押し続けた。しばらくすると、玄関の明かりが灯り、ドアが少し開くと、片岡が首を横に傾げながらのぞき込んだ。
「片岡さん、すいませんが、今晩泊めてください」古井が一応すまなそうに頼んだ。
「いいよ」片岡は眠い目をこすりながら軽く答えた。
「布団は置いてあるから適当に寝てね」
 寮はリビングとキッチンに部屋が三つあった。伊藤たちは慣れているせいか、てきぱきと部屋を決め服を脱いで布団を敷き始めた。
 竹内は何となく居場所がなかったので、片岡に一応お詫びを言いに行った。片岡は小柄な人で少々高い声で話す。性格は温厚でとにかく親切というか人のいい人である。仕事も真面目でコンピュータに関する知識は豊富なので他の人からも一目置かれている。私生活で以前中華料理の店で働いていたこともあり、料理の腕前は天下一品である。先日、長良川の上流で野外バーベキューを社員で行ったのだが、その時も片岡の存在は大きく腕をふるっていた。ただ難点といえば少々宗教かぶれをしている点があるが、他人には迷惑をかけてはいないので問題にはならない。
「すいませんね、こんな夜遅くに」
「いいよ、いいよ、いつものことだから、鈴木君たちもいなくなって今は僕だけだから」
「よく会社の人たちが泊まりに来るんですか?」
「ああ、青山君や藤井君たちもよく泊まるし、この間は辞めた蟹江君や竹原君まで遅くなったんで泊まっていったからね」
「へえー、本当に大変ですね」片岡が自分の部屋に入ろうとしたので、 
「それじゃ、お休みなさい」と竹内は挨拶をした。
 隣の部屋から古井が「片岡さーん、八時に起こして下さいねー」と怒鳴った。
 竹内もリビングで寝ようとしている土田の隣に布団を敷き、背広だけカーテンのレールに引っ掛かっているハンガーにかけて、下着の姿で布団の中に入った。
 酔いがまわっているせいか、すぐにうとうととなった。ただし、いびきはかきたくないという思いはあった。よく土田に「竹内さんのいびきはたまったもんじゃない」と言われ続けているので、誰かと一緒に寝る時は気になって仕方がなかった。特に酔った時や疲れた時は顕著にその症状が出るので心配だったが、こればかりはいかんともしがたい。と思案しているうちに深い眠りにおちいっていった。

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