乗車
　「（怒気を含んで）扉　閉まりかけてからのご乗車は　大変危険です。電車続いております。次の電車をご利用ください」

• 　Ａ（１両目）：　照れ笑い。
• 　Ｂ（５両目）：　知らんぷり。
• 　Ｃ（８両目）：　恥をかかされたと思って、仏頂面になる。
• 　Ｄ（10両目）：　スーツの裾を挟まれて、身動きがとれない。

春眠　暁を覚えず

• 　Ａ：　欠伸。寝不足のため。
• 　Ｂ：　欠伸。徹夜明け。
• 　Ｃ：　欠伸。不眠症による。
• 　Ｄ：　欠伸。退屈。
• 　Ｅ：　欠伸。ただなんとなく。
• 　Ｆ：　欠伸。アゴが外れて、狼狽する。

春

• 　Ａ：　くしゃみ。花粉症。
• 　Ｂ：　くしゃみ２回。同じく花粉症。
• 　Ｃ：　くしゃみ。ハナガミで鼻をかむ。やはり花粉症。
• 　Ｄ：　くしゃみ。ハンカチで鼻をかむ。ただし鼻炎。
• 　Ｅ：　くしゃみ２回。鼻をすする。ただし風邪。咳を３回。
• 　Ｆ：　くしゃみ３回。うわさされ。
• 　Ｇ：　くしゃみ４回。コショウ。

会話
　「車内での　携帯電話のご使用は　他のお客様のご迷惑となりますので　ご遠慮ください」

• 　Ａ：　着信音。応答するが、いま自分が車内にいることを告げて、早々に電話を切る。
• 　Ｂ：　着信音。周りなどいっさい気にする風でもなく、応答し大声を張り上げてしゃべりまくる。
• 　Ｃ：　着信音。ただしメール。
• 　Ｄ：　着信音。電話に出ず、あわてて携帯電話の電源を切る。
• 　Ｅ：　着信音。おどろいて、窓から携帯電話を放り捨てる。

母子

• 　Ａ（以下、子）：　突然大声をあげて、泣き叫ぶ。
• 　A'（以下、母）：　びっくりしてどうしたの、と子どもをあやす。
• 　Ｂ：　突然大声をあげて、泣き叫ぶ。
• 　B'：　あわててあやすが、いくらなだめても泣きやまないので、周りを気にして次の駅で降りる。
• 　Ｃ：　突然大声をあげて、泣き叫ぶ。
• 　C'：　こんなところで泣くんじゃありません、と叱りつける。
• 　Ｄ：　突然大声をあげて、泣き叫ぶ。
• 　D'：　おどろいて、窓を開けて放り捨てる。

視線

• 　Ａ：　新聞の三面記事。
• 　Ｂ：　マンガ雑誌。
• 　Ｃ：　昨日図書館で借りてきた、ミステリー小説。
• 　Ｄ：　窓の外の景色。
• 　Ｅ：　車内の中吊り広告。
• 　Ｆ：　先頭車両の乗務員口越しに、運転台の運転装置。
• 　Ｇ：　向かいの女性客のミニ・スカート

雨天
　「本日　雨のため　傘のお忘れ物が　大変多くなっております。お降りの際は今一度　お手回り品をお確かめ下さい」

• 　Ａ：　手に持った傘を、強く握りしめる。
• 　Ｂ：　きょろきょろと見回して、脇の手すりに引っ掛けてあったのを思い出す。
• 　Ｃ：　折り畳んでカバンの中にしまってあるので、安心している。
• 　Ｄ：　車内放送など上の空で、案の定車内に置き忘れたまま、電車を降りる。
• 　Ｅ：　前に乗り換えてきた電車内に置いてきたのを、今ごろになって思い出す。
• 　　　　「あー！！！」

喫煙
　「ご利用の電車は　全車両終点まで　禁煙となっております。車内でのおタバコは　ご遠慮ください」

• 　Ａ：　喫わない。もともと喫煙者ではない。
• 　Ｂ：　喫わない。喫煙者だが、一日の本数は少ない。
• 　Ｃ：　喫わない。ヘビー・スモーカーだが、電車に乗っているあいだくらいは我慢できる。
• 　Ｄ：　喫わない。だが、喫いたくて喫いたくてしようがなく、かなりイライライライラしている。
• 　Ｅ：　喫わない。小学生だから。
• 　Ｆ：　喫わない。未成年だが実は、親に隠れて喫っている。

深夜

• 　Ａ：　残業続きで、お疲れ寝。
• 　Ｂ：　遊びまくりでやはり、お疲れ寝。
• 　Ｃ：　何度突き返されても、しつこく隣の客にもたれ寝。
• 　Ｄ：　どんなに混雑していても。「泥酔で　ロング・シートが　寝台車」
• 　D'：　転げ落ちて、床の上でゴロ寝。
• 　D''：　気がつきゃ　ホームのベンチでゴロ寝。
• 　Ｅ：　逃走。スリ。

降車（環状線）
　「次は　鶯谷　鶯谷です」

• 　Ａ：　浜松町から乗車。モノレールから乗り継いで。
• 　Ｂ：　新橋から乗車。ゆりかもめから乗り継いで。
• 　Ｃ：　東京から乗車。東海道新幹線から乗り継いで。
• 　Ｄ：　神田から乗車。中央線から乗り継いで。
• 　Ｅ：　上野から乗車。東北新幹線から乗り継いで。
• 　Ｆ：　鶯谷から乗車。暇だったので、一周して。
• 　Ｇ：　鶯谷から乗車。暇だったので三周して、今度は外回り電車に挑戦。