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 長野県知事・田中康夫 殿(2002.12.18)
送付したメール全文を、原文のまま公開します。
田中康夫 長野県知事 殿

 はじめまして。私は、東京都調布市在住の、○○ ○(京終の本名)xx歳会社員です。
 今回突然に知事にメールを送付することについて、まずは無礼をお許しください。
 本来であれば田中さんがプライベートで使用されているメールアドレスに向けて送付するべきとは思いますが、貴公のアドレスを私が存じ上げないこと、また今回送付させていただく内容は、「長野県知事・田中康夫」に読んで頂きたい内容でもあるため、このような失礼な方法を取らせて頂きました。
 まず、今回知事に送付するメールの内容を掻い摘んでご説明すると、知事が隔週月曜日に出演されているラジオ番組「アクセス」の番組内における発言についての疑問、批判です。これは後日、小生のホームページにおいて、一部修正の上、公開を予定しています。公開(予定)内容全文を、下に記します。
 ご多忙の日々が続くなか、小生のような者のメールを読む時間はないかと思われますが、もし読んで頂けるのであれば、光栄の極みです。
 なお先に述べたように下記は、小生のホームページに公開予定ですので、もし公開内容に不都合な点が御座いましたら、下記メールアドレスにご一報下さい。
 これからも知事の御仕事、頑張って下さい。応援してます。

 ○○ ○・東京都●●市
 メールアドレス---
kyobate@jobs.co.jp

 下記全文を公開予定の小生のホームページアドレス---
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Kaigan/3941/

(小生ホームページにおいて公開予定の内容全文)
 昨夜(12/9)「アクセス」というラジオ番組(TBS)を聴いていたんですよ。
 この番組は、平日夜10時からの放送で、隔週月曜日には、長野県知事の田中康夫氏が出演するということで、昨夜がちょうど彼の出演日にあたっていました。
 田中氏は番組の中で、「秋田県の寺田典城知事は、革新的な知事だ。土建屋出身だけあって、公共事業の見直しなども進んでいる」と述べていました。
 これに巨大な疑問符を投げかけようというのが、何を隠そう、この間まで秋田県民だった私です。疑問点を挙げましょう。

疑問1 田中氏は何をもって、寺田知事を「革新的」だと言っているのか
 公共事業の点だけみて「革新的だ」と言っているのなら話は早い、疑問2へ飛んで下さい。もしそうでないなら、田中氏が寺田知事についてどの程度知っているのかは知りませんが、私の知っている限りにおいて説明すると、現在知事2期7年目に間もなくなります。歳は確か61〜2歳。元々横手市の土建屋社長で、知事になる前は2年間横手市長を務めていました。いわゆる「地元の名士」です。2期の選挙とも「県民党」を標榜し、特定政党の推薦・支持は受けず、与党推薦の対立候補をKO。ちなみに2期目の対立候補は、衆院議員で元官房長官、道路族議員・村岡兼造氏の息子、村岡兼幸氏でした。
 知事就任後1期目は、前知事の不祥事の尻拭いで費やし、現在の2期目から本腰といったところ。平成16年度の国際系4年制大学開学などの将来的な教育の振興や、県庁内組織のスリム化など、ある程度の仕事は今のところこなしています。
 「県民党」を標榜しているため、与党が多い県議会とは対立関係にある、というのは田中知事との共通点でしょう。
 少し気になるのは、県庁幹部に国からの出向官僚を重用しすぎ、生え抜きの幹部は少数のようです。この点はダム問題で当時建設省の出向官僚だった土木部長と大もめし、更迭した田中知事とは対照的です。
 それからこれは知事就任以前の問題ですが、知事選出馬のために当時就いていた横手市長の職を、任期途中で辞した。この点有権者である横手市民の事を考えたのかどうか、疑問です。当選直後に国会議員を辞めた大橋巨泉よりはまだ増しですが。
 そして1期目は前知事・佐々木喜久治氏が食糧費問題に絡んで引責辞任した後釜となったわけですが、このいわゆる尻拭いに、果たして4年もの歳月が必要だったのか。
 また秋田県立大学を開学し、今度は国際系の4年制大学を開学するというが、少子化大国日本の、さらに少子化の深刻な秋田県に本当に需要があるのか。
 1年程度しか秋田県民でなかった私でさえ、現在の寺田県政についてこれだけの疑問が噴出してくるのですから、秋田に生まれついた土着の県民など、どれだけの疑問が出てくるか、これは推測に難くありません。
 たしかにふだんから「百姓や土建屋に政治はムリだ!」と公言している私でさえ、今のところは寺田知事にそれほど悪いイメージは持っていないのですが、かといって「革新的」と言えるほど、素晴らしい仕事をしているとも思えません。
 ですから私の、寺田知事に対する評価を一言で表すなら、

 ふつうの田舎知事−(マイナス)α(=土建屋出身。笑)

疑問2 田中氏の言う寺田知事の「公共事業の見直し」とは具体的に何か。それ以前に「見直し」など本当にやっているのか。
 私は現在東京在住です。ですから秋田の情報は今のところ、地元紙・秋田魁新報社のインターネットニュースを毎日覗いている程度です。田中氏が秋田県についてどの程度の情報を得ているのか知りませんが、地元紙のネットニュースを毎日見ている程度の情報量である私が見る限り、田中氏が全国ネットのラジオで公言する程の、進歩的な公共事業の見直しを寺田知事が行っているとは思えません。
 むしろそんな公共事業の見直しとは程遠い、地元の実情を私は知っています。
 それは他でもない、秋田駅前です。秋田新幹線開業にともない、駅舎は改装されとても立派になりました。
 しかし、駅前。特にメイン・ストリートの広小路。目も当てられないほど寂れています。原因は色々とあるのですが、やはり地元民の足が遠のくような都市構造にあります。秋田駅前への足は当然、鉄道(JR)なのですが、これを利用する人の多くは、車の運転ができない高校生と、マイカーのないお年寄りです。
 それ以外の世代の人々はもう、一家に一台といわず、一人一台の割合でマイカーを持っています。ここが電車社会の都会と大きく異なるところですが、何故かといえば、秋田のような田舎の場合、車がないと身動きがとれないからなのです。バス・電車の運行網・本数は、都会に比べて圧倒的に乏しく、通勤通学はおろか、買い物にも事欠く有り様。当然はしご酒・夜遊びはできません。車は生活必需品なのです。
 そこで、車で秋田駅前へ行こう、ということになるのですが、一方通行・慢性的な渋滞・駐車場不足でちっとも車に優しくない。結果的に駅前に集まるのはお年寄りと高校生だけ。新幹線開業に見合うだけの観光客は思うように集まらないし、また集まるだけの魅力もない。
 これは明らかに「都市計画」という政治の大失敗です。
 そしてさらに大々的に非難しなければならないのは、現在駅の東側にある新興住宅街から、駅前地区の地下を通って、官庁街や工業地域のある沿岸寄りの地区に、自動車専用道路を通す計画が起き、現在工事中なのです。
 駅前にある千秋公園のお堀(=蓮の花がとてもきれいだった)には、重機や資材が運ばれ、堀の水も濁り景観は台無し。
 そして駅前の地下は自動車が素通りするから、余計駅前には人が集まらず、寂れる一方。
 このような県民を顧みない「都市計画」の事業主体に、県が入っていることは言うまでもありません。
 県庁所在地・秋田市の中心、そして秋田県の玄関口でもある秋田駅前を寂れさせる一方の県政しかできない知事の、どこが「革新的」で「進歩的」なんですか、田中さん。
 それから田中康夫・長野県知事自身に忠告しておくならば、あなたも一県の知事になったのですから、もう少し勉強してからものを言った方がいいですよ。一介の作家に過ぎなかった昔と違って、田中さん、あなたは今、公僕(=パブリック・サーバント)の身です。作家時代の延長のような気持ちで軽々しく、公共の電波で無責任な発言をしていては、いずれ大きなしっぺ返しを喰らうことになりますよ。

追伸=
それから田中氏の「土建屋出身だから、公共事業の見直しが進んでいる」というのは、まるっきり当てが外れていると思います。むしろ逆だと思います。「土建屋出身だからこそ、自分の会社やその関連企業に仕事がまわるよう、無駄な公共事業を乱発する可能性がある」という方が正しいような気がします。
 というのは、今道路公団民営化問題でもめていますが、民営化に最も反発しているのがご存知のとおり、自民党の道路族議員です。そしてその道路族議員のボスが、先に出てきた衆院の村岡兼造議員です。
 なんと! 実は彼も土建屋出身なのです。本荘市に「村岡建設」というのがあります。秋田県にも着工・計画中の高速道路がありますから、なぜ彼が道路族議員なのか、民営化問題に反発するのか、想像に難くないでしょう。


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