このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





伊37号踏切下り急行線立体化





■連続立体交差化道半ばまで


産経新聞平成28(2016)年 4月30日付記事より

 東武鉄道は、伊勢崎線竹ノ塚駅(足立区)付近で整備中の高架の一部を 5月29日から使用すると発表した。……
 (中略)
 24年11月に着工し、約 1.7㌔の区間にある線路 4本を順次高架化。最初に下り急行線が出来上がり、残りは33年 3月までに完成する予定。
 平日の通常ダイヤで 1日に走行する 906本のうち、下り急行線は 238本が走る。踏切の遮断時間は、 1日の営業時間帯で現行よりも合計 1時間程度、ピークとなる朝でも 1時間に数本程度短くなるという。

全景
伊37号踏切全景  平成18(2006)年撮影(拡大再掲)






■コメント

 竹ノ塚事故が起きてから11年、 直近の記事を書いて から数えてもすでに 9年が経過する。時が経つのは早い。筆者自宅から竹ノ塚駅までは自転車で軽く行ける距離とはいえ、筆者が家を空ける時間があまりにも長すぎ、縁遠い場所になってしまった。

 それでも東武伊勢崎線に乗る機会はあり、高架化工事が始まったことに気づいてはいた。関係者の努力がようやく顕在化しつつあると認識しながらも、レビュー出来ずにいた怠惰を愧じるばかりである。

 竹ノ塚事故の被害者にしてみれば、連続立体交差化事業は10年以上経っても道半ばで、完成まで更に 5年というのは、耐え難いもどかしさであろう。その一方で、この種の工事の難しさを知る筆者の感覚では、驚異的に早い進み方に見える。どちらが正と決めつけることはしない。ただ、インフラ整備のタイムスパンと人間の感覚時計との間には、巨大な乖離が存在する現実は認識する必要がある。

 完成まであと 5年。まだまだ先は長いが、伊37号踏切遮断時間の段階的短縮は始まった。時間がかかる事業であればこそ、段階を踏む進め方は必要かつ重要である。

歩道橋
伊37号踏切に設置された歩道橋  平成18(2006)年撮影


 このように考えてみれば、直近記事で紹介した歩道橋は、まさしく段階を踏んだ施策であった。直近記事の表現を再掲すると「歩行者・自転車の安全をほぼ確保した時点で当面の目的は達したと評価できる。応急的な弥縫策とはいえ、事故当時の状況と比べれば飛躍的な進歩を遂げた」措置といえる。さらにこのたび、下り急行線が高架化されるという。事故の危険性を逓減させたその先に、伊37号踏切解消という完成系が待っている。無事の完工を願う。





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