このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください





気動車特急三連星〜〜新大阪にて





■絶滅危惧種に近い気動車特急

 JRでは電車特急が標準であり、気動車特急は極端に数が少ない。今日でも気動車特急が主力であるのはJR北海道とJR四国のみである。JR東日本では完全に絶滅しており、JR東海・西日本・九州でもローカル特急に細々と残っているだけにすぎない。

 そんな現状にあって、わずか20分弱の間に三本もの気動車特急が発着する、奇跡のような時間帯を持つ駅が存在する。それは新大阪である。しかも、JR西日本の気動車特急はそのなかに含まれないという、まさに奇跡と呼ぶしかない不可思議さなのだ。





■19時46分発スーパーはくと13号鳥取行

 第三セクター鉄道智頭急行が誇る強制振子式気動車特急 HOT7000系。陰陽連絡気動車の老朽化が顕著となり、あるいは編成短縮が相次ぐなか、燦然とした光彩を放つ列車である。

スーパーはくと
19時46分発スーパーはくと13号鳥取行

 始発時点では業務系利用者の姿が目立つ。次の大阪では、さらに乗車があるはずだ。





■19時51分発ワイドビューひだ34号大阪行

 JR東海が保有するキハ85系。高山本線からはるばる直通してくる。

ワイドビューひだ
19時51分発ワイドビューひだ34号大阪行

 デビュー当時の華々しさは今やすっかり消えはてた。短い 3両編成だというのに、降車する利用者の影は少ない。新快速と比べかなりさびしい状況で、有料特急として存続する意義すら疑わしい。ただし、今日は平日であって、休日にはまた別の姿もあるのだろう。





■20時 5分発タンゴエクスプローラー 3号宮津行

 第三セクター鉄道北近畿タンゴ鉄道が保有するKTR001系は、タンゴエクスプローラーという列車名の方が通りがいいかもしれない。デビュー当初は京都口に充当されていたが、西舞鶴での分割・併合があるためか、その任を後輩のタンゴディスカバリーに譲り、今日では大阪口(宮福線経由)で働いている。独特の外観は、今日でもなお斬新だ。

タンゴエクスプローラー
20時 5分発タンゴエクスプローラー 3号宮津行

 経営状況が厳しい第三セクター鉄道において、明るい希望を開くべく登場したものの、宮福線や舞鶴線・小浜線が電化され、直通特急の多くが電車化された今日では、如何にも中途半端な存在に終わった気配がある。現実の状況として、タンゴエクスプローラー 3号の利用者の太宗は大阪から乗車する背広姿の退勤客であって、実質的にはいわゆる「通勤ライナー」に近い運用となっている。平成 2(1990)年の投入だから、車齢はもう17年に達している。曲がり角を迎えるのもやむをえぬ仕儀だろうか。

 ただし、撮影日は金曜とあって、新大阪から乗車する観光客が20名程度いた。それでも 2編成連結の 6両編成にならないというあたり、需要の薄さがうかがえる。





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