このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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京阪中之島線の秘めたる大志
━━1.開業初日の風景から━━
■開業初日
京阪中之島線は平成20(2008)年10月19日に開業した。鉄道の開業初日とは画期の慶事であるから、とにかくめでたく華がある。その一方で、開業初電に駆けつけるのは時間的に厳しいものがあるのだが、たまたま(謎笑)TAKA様と KAZ様の同道を得たこともあり、歴史上ただ一度の機会しかありえない「開業初電」に乗ってみることにする。
【開業初日】中之島駅出入口前での行列
午前 4時半頃であったと記憶する。タクシーで中之島駅に駆けつける。TAKA様・ KAZ様とは難なく合流でき、一安心。寒空の下、まだ空が白んでもいないというのに、既に行列ができている。やはり開業初日は賑やかでなくては。
【開業初日】中之島駅地下通路での行列
出入口のシャッターが開き、地下通路に誘導される。改札はまだ閉ざされており、ここで一旦動きが止まる。灯りに照らされて、人数の多さがよりはっきりとわかる。「乗車券やグッズを購入する方はこちらへ」と別の列への誘導がかかるものの、動く人は少ない。おそらく我々と同じく、プリペイドやICカードを持っており、改札が開き次第ホームに入ろうというのだろう。
【開業初日】開業初電はマスコミに囲まれほとんど見えない
いざ、ホームに入ってみる。公式の開業式典は前日に挙行されたというから、今日から既に日常の姿だと思いこんでいたら、出発式が催されることがわかった。慶事を演出するには格好のイベントで、京阪の意気込みがよくわかる。その一方、このようなイベントがあるとマスコミ取材の規制線が設定されてしまい、取材陣以外の者は開業初電の顔を撮るが困難だ。「祭」に参加する側としては、少々残念。
【開業初日】開業初電出発直前・京阪社長の挨拶
なんと、京阪社長の挨拶まで組まれていた。開業式典ならばともかく、開業初電出発前の、つまり日常性を備えた営業列車運行直前のイベントとしては、どちらかといえば異例に属する。即ち、京阪はそれだけ中之島線に力を入れている、ということだ。
【開業初日】開業初電といえども車内は空いていた
ところが、開業初電だというのに、車内はかなり空いていたりする。勿論これは不公平な断面の切り方であり、多くの方がまだホーム上にいる時間帯での撮影だから、開業初電がこの状態で出発したわけではない。さりながら、いささかさびしい風情ではある。
【開業初日】開業初電を天満橋で後追い撮影
開業初電に乗って天満橋まで行ってみる。降車後、ホーム上から開業初電を後追い撮影。車内は少なくとも寿司詰めの混雑ではないことが見てとれる。
【開業初日】中之島行開業初電を天満橋で迎撃
折り返して中之島行開業初電を迎撃する。顔を撮る人数が多く、なかなか難儀だった。
【開業初日】中之島行開業初電が折返し出町柳行に
喧噪が去りようやく落ち着いて撮影できる雰囲気に
中之島行開業初電が終点中之島に到着した。出発式は終わっており、まだ朝のうちだというのに如何にも「祭の後」という気だるい雰囲気が流れている。もっとも、動き回るにはこれくらい落ち着いていた方が助かる。
■開業してから
その後筆者は何度か中之島線に乗車している。端的にいって、かなり空いていると指摘せざるをえない。
中之島で折返し待機中の車内(平成20(2008)年師走撮影)
思えば開業初電でさえ、決して混雑してはいなかった。賑わいがあっても、混んでいるとまではいえなかった。既存路線に近い距離で並行し、しかも細長い中州を走ることが、集客上必ずしも有利でないと、京阪は予測できなかったのか。答はおそらく否であろう。では何故、京阪は中之島線を欲したのか。
筆者は京阪の真意にどれだけ近づくことができるか。まずは沿線風景を確かめながら、答らしきものを探し歩いてみよう。
京阪中之島線概略図
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