このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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能勢電鉄でRail&Hike!
━━鉄道編━━
■まえがき
近年では百周年を迎える鉄道路線が全国にある。能勢電鉄も百周年をうたう一社である。ただし、開業年次からすると、計算が合わない。能勢電鉄最初の開業区間は(川西)能勢口−一の鳥居間の大正 2(1913)年。百周年にはあと 5年届かないはずなのだが……。
川西能勢口にて
実は、平成20(2008)年における能勢電鉄の百周年とは、「会社創立」から百周年なのだそうだ。会社創立は明治41(1908)年 5月23日。つまり、きたる平成25(2013)年には開業百周年を祝えるわけで、二段構えの仕掛ができるようになっている。大きな会社では創立百周年という機会は全線で一度しかないわけで、小さい会社ならではの機微といえる。
多田−平野間に残る旧線の鉄橋跡
能勢電鉄に関しては既に、「
生まれ変わる悩み
」と題し、近代化に苦しむ経緯を追った記事を書いている。近代化を成し遂げ、軌道から鉄道への変身を果たした現状の姿からは想像しにくくなっているものの、それでも軌道時代の痕跡は随所にある。例えば、多田−平野間には旧線の鉄橋が残されており、軌道の面影をたどることができる。旧線といっても荷重がまったく異なるわけで、見るからにか細い鉄橋の形を通して、昔の電車の軽さがよくわかるというものだ。
■ミニ阪急
能勢電鉄の車両は、全て阪急からの譲渡車だ。しかも塗色を変更していないため、阪急の一支線であるかのように見える。実際のところ、朝夕の直通列車もあるし、会社の資本は阪急の子会社だから、社名が異なるだけで阪急の支線としてもさしつかえない状況、といえるだろう。
「懐かしのオリジナルカラー」第一編成
以上のように阪急色が濃厚な能勢電鉄。車両の塗色を変えて、アイデンティティを主張した時期があった。しかもその塗色を「懐かしのオリジナルカラー」とうたっているから、微笑ましいといいか、なんというか。この第一編成はマルーン地に白帯をあしらっただけだから、「オリジナル」といわれても説得力がないと思われるが、心情的にはわからないでもない。
「懐かしのオリジナルカラー」第一編成(左)
これが第二編成にもなると、まったく印象が異なってくるから、まさに「オリジナル」を主張できるだろう。ただし、センスある塗色といえるかどうかは、苦しいところである。淡い色どうしを組み合わせているから、いささか弱い感じがある。オレンジの縦帯にいま少し強い輝きを持たせたならば、締まった塗色になったはずだ。
「懐かしのオリジナルカラー」第二編成
今日では譲渡者の塗色を阪急時代のままとしているのは、経費削減のためか、それとも阪急の一支線である点にアイデンティティを求めたのか。
■妙見山へ
能勢電鉄は深い山を刻んだ谷筋を走る路線でありながら、沿線の宅地開発が進んでおり、ほんらい路線の最奥部であるはずの光風台・ときわ台付近にも新興住宅が広がっている。
妙見口に進入する電車
終点の妙見口のあたりだけは、宅地開発が進んでおらず、如何にも山中の駅という風情をたたえている。ここで降りる方の多くは、妙見山上を目指しさらに進んでいくのである。
妙見口駅舎
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