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米国軍艦 機関部データ集
戦艦ミズーリUSS Missouri BB11(メイン級)。米国戦艦で初めて4気筒直立3段膨張レシプロ主機を2基搭載した。
3-1.基本仕様
3-1-1. 戦艦
Name | Qd | A | Pb | Pe | Rv | d | s | Na | Vp | |||||
H | I | L | H | I | L | |||||||||
Oregon (BB3) | 9,000 | 2 | 11.2 | 10.9 | 1 | 1.94 | 4.73 | 876 | 1219 | 1905 | 1067 | |||
Illinois (BB7) | 10,000 | 2 | 12.7 | 1 | 2.32 | 5.42 | 851 | 1295 | 1981 | 1219 | ||||
Maine (BB10) | 16,000 | 2 | 15.1 | 1 | 2.35 | 5.71 | 978 | 1499 | 2337 | 1067 | ||||
Missouri (BB11), Ohio (BB12) | 17.6 | 1 | 2.32 | 6.57 | 883 | 1346 | 1600 | 1600 | 1219 | |||||
South Carolina (BB26) | 16,500 | 2 | 18.6 | 1 | 2.64 | 10.13 | 813 | 1321 | 1829 | 1829 | 1219 | 121 | 4.92 | |
Delaware (BB28) | 25,000 | 2 | 18.6 | 1 | 2.19 | 7.79 | 978 | 1448 | 1930 | 1930 | 1219 | 128 | 5.20 | |
Texas (BB35) | 28,100 | 2 | 20.7 | 18.6 | 1 | 2.61 | 9.06 | 991 | 1600 | 2108 | 2108 | 1219 | 125 | 5.08 |
Oklahoma (BB37) | 24,800 | 2 | 20.7 | 1 | 2.84 | 9.93 | 889 | 1499 | 1981 | 1981 | 1219 |
Name: 艦名/級名
Qd: 計画出力 [hp]、指示馬力ihpを示す
A: 主機数
Pe: 主機初圧力 [kg/cm2]
Rv: シリンダ容積比、H: 高圧シリンダを1とし、I: 中圧シリンダ、L: 低圧シリンダを示す
d: シリンダ内径 [mm]、低圧シリンダ2基は4気筒3段膨張を示す
s: シリンダ行程 [mm]
Na: クランク軸回転数 [rpm]
Vp: ピストン速度 [m/s]
<解説>
この時代の舶用レシプロ主機は復水式の複式(3段)膨張で、主機初圧Pe・膨張段数Es・シリンダ容積比Rvの目安は次表のようになっていますが、サウス・カロライナ級からは、各シリンダの発生馬力が同一となるよう、低圧シリンダの容積を著しく増大していました。
Pe (kg/cm2) | Es | Rv | ||
H | I | L | ||
10.5 | 3 | 1 | 2.24 | 5 |
14.1 | 3 | 1 | 2.35 | 6 |
17.6 | 3 | 1 | 2.65 | 7 |
各艦の主機初圧力は、円缶搭載艦はボイラ使用圧と同一ないし微減、水管缶搭載艦はボイラ使用圧の90%前後でした。これは水管缶の保有水量が円缶に比べて少なく、缶圧が変動し易いためと考えられます。一例を挙げると、ニュー・ヨーク級BB34-35では缶使用圧力20.7kg/cm2 (295psi) に対し、主機初圧力は18.6kg/cm2 (265psi) と、約90%に設定されていました。
ピストン速度は、クランク軸が最大回転数のとき1,000ft/min (5.08m/s) を超えないよう、シリンダ行程が決められます。例えば、クランク軸回転数が120rpm (2rps) でシリンダ行程が1200mm の場合、ピストン速度は4.8m/sで上記以下に収まります。
メイン級のうち、ミズーリBB11とオハイオBB12の主機は、米戦艦として初の4気筒直立3段膨張機関で、円缶に比べて高圧の水管缶に適合するよう、膨張比(=シリンダ容積比)を大にしたものです。各艦の主機初圧力は、缶使用圧力とシリンダ容積比から、メインBB10が13.3kg/cm2 (190psi) 前後、ミズーリBB11とオハイオBB12が15.7kg/cm2 (220psi) 前後と推定されます。
テキサスBB35の主機は、米軍艦用として最大出力のレシプロ機関で、気筒配列は艦首寄りから低圧−高圧−中圧−低圧、弁はすべてピストン弁で、高圧気筒に対しては1基、その他の気筒に対しては2基設けていました。弁装置は通常のスティヴンソン式です。詳細については、下記サイトを参照願います。
http://www.gwpda.org/naval/w07texmc.htm
3-1-2. 装甲巡洋艦
Name | Qd | A | Pe | Rv | d | s | Na | Vp | |||||
H | I | L | H | I | L | ||||||||
New York (ACR2) | 16,000 | 4 (tandem) | 11.2 | 1 | 2.16 | 5.06 | 813 | 1194 | 1829 | 1067 | |||
Brooklyn (ACR3) | |||||||||||||
Pennsylvania (ACR4) | 23,000 | 2 | 17.6 | 1 | 2.72 | 7.39 | 978 | 1613 | 1880 | 1880 | 1219 | ||
Tennessee (ACR10) |
Name: 艦名/級名
Qd: 計画出力 [hp]、指示馬力ihpを示す
A: 主機数
Pe: 使用圧力 [kg/cm2]、主缶にて
Rv: シリンダ容積比、H: 高圧シリンダを1とし、I: 中圧シリンダ、L: 低圧シリンダを示す
d: シリンダ内径 [mm]、低圧シリンダ2基は4気筒3段膨張を示す
s: シリンダ行程 [mm]
Na: クランク軸回転数 [rpm]
Vp: ピストン速度 [m/s]
<解説>
ニュー・ヨークACR2は、最大速力20ノットを得るため、イタリア戦艦イタリア(1885年)や同レパント(1887年)と同様の主機2基ずつのタンデム配置を採用し、巡航時は艦首側の各1基を手動クラッチで解放し、艦尾側の各1基で運転するようになっていました。なお、主機は1基ずつの水密区画に分散配置とし、浸水の局限を図っていました。
ブルックリンACR3も、基本的に同方式を踏襲しています。
受領公試で計測された同艦の指圧線図採取による各シリンダ毎の平均有効圧力と発生出力は下記の通りで、出力配分は比較的良好と言えそうです。
Engine | Pe | Pm | ihp | |||||
H | I | L | H | I | L | Total | ||
Starboard Fore | 11.2 | 4.30 | 2.36 | 1.02 | 1,384 | 1,662 | 1,694 | 4,740 |
Port Fore | 4.23 | 2.10 | 0.92 | 1,372 | 1,462 | 1,565 | 4,399 | |
Starboard Aft | 4,490 | |||||||
Port Aft | 4,640 | |||||||
Grand Total | 18,249 |
Pe: 使用圧力 [kg/cm2]、主缶にて
Pm: 平均有効圧力、H: 高圧シリンダ、I: 中圧シリンダ、L: 低圧シリンダを示す
ihp: 指示出力、H: 高圧シリンダ、I: 中圧シリンダ、L: 低圧シリンダを示す
3-1-3. 偵察巡洋艦
<工事中>
3-1-4. 駆逐艦
<工事中>
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