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米国軍艦 機関部データ集

第3章 主機(タービン機関)



戦艦カリフォルニアUSS California BB44(テネシー級)。主機に電気推進(ターボ・エレクトリック)を採用。


3-3.基本仕様


3-3-1. 戦艦

NameQdTyPTmNeNsShaftsReRs
PWPISISW
North Dakota (BB29)12,500C-D22M+AM+A
Florida (BB30-31)14,000PHLD24H
AH
HC
L+AL
IC
L+AL
H
AH
Wyoming (BB32-33)14,000PHLD24H
AH
HC
L+AL
IC
L+AL
H
AH
Nevada (BB36)13,250CHLPG22CC
H
L+A
H
L+A
Pennsylvania (BB38)15,750CHLPG24HCICH
AH
H
AH
ICHC220
L+ALL+AL
Arizona (BB39)17,000PHLPG24CH
AH
H
AH
C240
L+ALL+AL
New Mexico(BB40)14,500C-TE24EMEMEMEM2.100165
Missisippi (BB41)15,500CHLPG24HCICH
AH
H
AH
ICHC
L+ALL+AL
Idaho (BB42)15,500PHLPG24CH
AH
H
AH
C
L+AlL+AL
Tennessee (BB43)14,000IPHLTE24EMEMEMEM2,075170
California (BB44)14,000C-TE24EMEMEMEM2,065170
Clorado (BB45),
(Washington)
(BB47)
14,000IPHLTE24EMEMEMEM2,075170
Maryland (BB46),
West Virginia
(BB48)
14,000C-TE24EMEMEMEM2,065170
(South Dakota) (BB49),
(North Calorina) (BB52),
(Iowa) (BB53),
(Massachusetts) (BB54)
30,000IP-TE24EMEMEMEM
(Indiana) (BB50),
(Montana) (BB51)
30,000C-TE24EMEMEMEM
North Calorina(BB55-56)30,250GEHLAG44HL+AL+AHHL+AL+AH
30,250RGRGRGRG
South Dakota(BB57-60),
Massachusetts
(BB59)
32,500GEHLAG44HL+AL+AHHL+AL+AH
32,500RGRGRGRG
Indiana(BB58)
Alabama (BB60)
32,500WHHLAG44HL+AL+AHHL+AL+AH
32,500RGRGRGRG
Iowa(BB61),
Missouri (BB63)
53,000GEHLAG44HL+AL+AHHL+AL+AH
53,000RGRGRGRG
New Jersey (BB62),
Wisconsin (BB64)
53,000WHHLAG44HL+AL+AHHL+AL+AH
53,000RGRGRGRG
(Montana)(BB67-71)43,000WHHLAG44HL+AL+AHHL+AL+AH
43,000RGRGRGRG

Name: 艦名
Qd: タービン1基当り計画出力 [shp]、2段併記の上段は翼軸、下段は内側軸を示す
Ty: タービン型式、C: カーチス式、P: パーソンズ式、IP: 改良パーソンズ式、GE: ゼネラル・エレクトリック式、WH: ウェスティングハウス式、2段併記の上段は高圧、下段は低圧を示す
P: 圧力方式、無印: 全圧、HL: 高低圧を示す
Ne: 主機数、Ne=2, Ns=4は高低圧2基4軸(2軸併結)の並列cross compoundを示す
Ns: 推進軸数
Tm: 伝達方式、D: 直結式、PG: 巡航タービンのみ部分歯車減速式(パーシャル・ギヤード)、TE: 電気推進、AG: 全歯車減速式(オール・ギヤード)を示す
Shafts: 推進軸、PW: 左舷翼軸、PI: 左舷内側軸、SI: 右舷内側軸、SW: 右舷翼軸、ケーシング一体は( )+( )、別ケーシング・並列は2列併記、M: 主(全圧)タービン、C: 巡航タービン、CH: 巡航高圧タービン、CI: 巡航中圧タービン、H: 高圧タービン、L: 低圧タービン、A: 後進(全圧)タービン、AH: 後進高圧タービン、AL: 後進低圧タービン、RG: 減速歯車装置(オール・ギヤード)、EM: 電動機(電気推進)を示す
Re: タービン軸回転数 [rpm]、2段併記の上段は高圧タービン、下段は低圧タービンを示す
Rs: 推進軸回転数 [rms]

<解説>
タービン主機の形式呼称は上表のTyからTmまでで、艦艇では主機数と推進軸数を併記します。例をワイオミング級BB32-33に取ると、「パーソンズ高低圧直結タービン2基4軸」、アイオワBB61では「ゼネラル・エレクトリック高低圧オール・ギヤード・タービン4基4軸」となります。

タービン機関は、当初は全て特許で守られていましたから、各方式の考案元とライセンシーとのつながりを把握しておくことが重要です。米国での主なライセンシーは、
カーチス式(ゼネラル・エレクトリック社)
 フォアー・リヴァー造船所(ボストン)
パーソンズ式
 ウェスティングハウス社(ピッツバーグ)
ツェリー式
 ウィリアム・クランプ造船所(フィラデルフィア)

蒸気タービンが効率最大となるオプティマム・スピード・レンジは3,000〜4,000rpmとされており、発電用 (3,000または3,600rpm) はまさしく効率最大のスピード・レンジで使用しているわけです。一方、艦船の推進器は100rpm前後がオプティマム・スピード・レンジであるため、タービン主機と推進器との間に減速装置を介在させることは早い時期から考えられてはいましたが、大馬力を伝達可能な歯車減速装置の実用化は、歯形理論の確立や鋼材、工作機械の性能向上を待つ必要が有りました。そのため当初は、高速回転の巡航タービン(おおむね1基当り2,000軸馬力以下)のみ歯車減速装置を介した部分歯車減速式(パーシャル・ギヤード)が用いられました。艦艇で全歯車減速式(オール・ギヤード)を採用した世界最初のものは 英国駆逐艦レオニダス (1912年度計画)とされています。米海軍の全歯車減速式の多くは2段減速式で、その分タービンを高速回転化、ひいては小型軽量化し、機関部の容積縮減と重量節減に寄与しています。

米国では、二大電機メーカーのゼネラル・エレクトリック、ウェスティングハウス両社が、得意分野を生かして艦艇の電気推進の実用化に貢献しました。まずゼネラル・エレクトリック社がニュー・メキシコBB40で電気推進の基本型を確立すると、次のテネシー級からウェスティングハウス社が参入し、以後の各級の主機を両社で分担しました。
ニュー・メキシコBB40のタービンは衝動式のカーチス式で、合計10の段落から成り、初段は動翼2列の速度複式のカーチス車、第2〜第10段落はは動翼1列ずつの圧力複式としていました。タービンの定格回転数は2,100rpmで、これに3,000V/4,242V、2相、35Hz、定格出力11,500kWの交流発電機を直結していました。従って2基では定格出力23,000kWとなります。主電動機は推進軸に直結の、24/36極、定格回転数175rpm、定格出力7,250shp、4基でした。主機の運転方法は、おおむね下記のような要領でした。

速力タービン発電機主電動機極数回転数
〜15ノット1基4基36〜117rpm
15〜17ノット1基4基36 or 24
17ノット〜全速2基4基24〜175rpm

カリフォルニアBB44、メリーランドBB46、ウェスト・ヴァージニアBB48の主機は、ゼネラル・エレクトリック社の製造で、艦内配置を除き、上記ニュー・メキシコと基本的に同一でした。タービンは初圧(ゲージ圧)17.6kg/cm2、背圧(絶対圧)水銀柱38mm、定格回転数2,065rpm、交流発電機は定格出力11,000kW、主電動機は同期回転数172rpm、定格出力7,025shpでした。

テネシーBB43、コロラドBB45、および未成のワシントンBB47の主機は、ウェスティングハウス社の製造で、タービンは初段のみ衝動式のカーチス車、以降を反動式のパーソンズ車とし、高圧段の排気を二分して双流式の低圧段に送る、ダブルフローの改良パーソンズ式で、全段落を単一ケーシングに収めていました。
初段のカーチス車は定石どおり動翼2列の速度複式、高圧反動段落は動翼が4列、3列、3列、2列、3列の5段落から成り、低圧反動段落は動翼8列ずつとなっていました。発電機は定格回転数2,075rpmで定格電圧3,270V、最大回転数2,130rpmで最大電圧3,400Vでした。

未成に終わったサウス・ダコタ級BB49-54の主機は、サウス・ダコタBB49、ノース・カロライナBB52、アイオワBB53、マサチューセッツBB54がウェスティングハウス社の製造、インディアナBB50、モンタナBB51がゼネラル・エレクトリック社の製造で、いずれもタービン2基に、1基当り5,000V、3相、定格出力28,000kVAの交流発電機を直結していました。従って2基では定格出力56,000kVAとなります。主電動機は定格出力11,200kW、4基で、1基ずつ推進軸に直結されていました。主電動機の合計出力は44,800kWです。


3-3-2. 巡洋戦艦/重巡洋艦

NameQdTyPTmNeNsShaftsReRs
PWPISISW
Lexington (CC1)
Saratoga (CC3)
<Revised>
45,000C-TE44EMEMEMEM1,755317
Constellation (CC2),
Ranger (CC4),
Constitution (CC5),
United States (CC6)
<Revised>
45,000PIR-TE44EMEMEMEM
Pensacola (CA24-25)26,750PIRHLAG44HL+AL+AHHL+AL+AH366
RGRGRGRG
Northampton(CA26-31)26,750PIRHLAG44
Portland(CA33, 35)26,750PIRHLAG44
New Orleans(CA32, 34, 36-39, 44)26,750WHHLAG44
Wichita(CA45)25,000HLAG44
Alaska(CB1-6)37,500HLAG44

Name: 艦名
Qd: タービン1基当り計画出力 [shp]
Ty: タービン型式、C: カーチス式、PIR: パーソンズ・インパルス・リアクション式を示す
P: 圧力方式、無印: 全圧、HL: 高低圧を示す
Ne: 主機数
Ns: 推進軸数
Tm: 伝達方式、TE: 電気推進、AG: 全歯車減速式(オール・ギヤード)を示す
Shafts: 推進軸、PW: 左舷翼軸、PI: 左舷内側軸、SI: 右舷内側軸、SW: 右舷翼軸、ケーシング一体は( )+( )、別ケーシング・並列は2列併記、C: 巡航タービン、CH: 巡航高圧タービン、CI: 巡航中圧タービン、H: 高圧タービン、L: 低圧タービン、A: 後進(全圧)タービン、AH: 後進高圧タービン、AL: 後進低圧タービン、RG: 減速歯車装置(オール・ギヤード)、EM: 電動機(電気推進)を示す
Re: タービン軸回転数 [rpm]、2段併記の上段は高圧タービン、下段は低圧タービンを示す
Rs: 推進軸回転数 [rms]

<解説>
レキシントンCC1とサラトガCC3の主機は、ゼネラル・エレクトリック社の製造で、タービンは衝動式のカーチス・タービン4基、初圧(ゲージ圧)は18.6kg/cm2、段落数は合計13、初段は動翼2列の速度複式のカーチス車、第2〜第13段落は動翼1列ずつの圧力複式としていました。タービンにはそれぞれ5,000V、3相4極、定格出力40,000kVAの交流発電機を直結していました。従って4基では定格出力160,000kVAとなります。主電動機は3相22/44極、定格出力16,500kW (22,500shp)、8基で、2基ずつタンデム(串型)に推進軸に直結されていました。主電動機の合計出力は132,000kW 180,000shp)です。両艦の機関部全体構成は、カリフォルニアBB44などの2隻分を一体化したようなものと思えば良いでしょう。


3-3-3. 偵察巡洋艦/軽巡洋艦

<工事中>


3-3-4. 駆逐艦

<工事中>


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