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北海道中記
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(前編)


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旅立ちの前に・・・
 北海道に行きたい!というのがまず第一にありまして、どうせなら雪をみたいと思い、春休みに行きたい と思ったのです。ところが、現役生はまだ学校があり、卒業生はまだ入試でバタバタしているので暇な 大学生OB二人だけで行くことになったのです。出来るだけのんびりとしたかった&予算は切りつめたかった ので、北海道フリー切符のペア券を使い、アプローチには高速バスを使いました。この切符なら北海道の 特急に乗り放題なのでいろいろ動き回れて便利ですね。 

1日目(3月24日(金))

北への旅立ち
 いよいよ今日が出発の日。ワクワク。とは言っても、今日の夜行のバスで出発なので出るのは夜ですが・・・。 東京駅で同行人ワタと合流し、バス乗り場へと向かいます。今日乗るのは東京〜青森間の夜行バス・ ラフォーレ号です。バスは京急のやつで、車内設備もなかなかの物です。これに乗れば明日の朝7時 頃には青森駅の前に立っているはずです。それではウィスキーでも飲んで寝ましょう。

2日目(3月25日(土))

一晩あけて・・・
 6:18起床。車窓からはハラハラと降る雪が見え、北国へ来たんだなあ と感慨しきり。バスは途中、事故の影響を受けて約三十分遅れの7:27着でしたが予定の海峡の発車は 後二時間後なのでゆっくり出来ます。さて朝食はと言いますと、駅そば。これから一体何食食うんだろう ・・・。ふつうのソバを食うのも芸がないので「縄文そば」というのを食べてみました。多分、山内丸山遺跡 を意識したんだと思うけれども肉・山菜・あげ・クルミが入っていてなかなかイケました。

ドラえもんの悲劇
 いよいよ青森の改札をくぐり、跨線橋を渡ってると・・・オオッ!赤い機関車だ。いやはや、神奈川県民 はなかなかお目にかかれないのです。でもなんかちょっと違うな・・・と思ってホームに降り立った 我々を出迎えたのは無惨にもドラえもんの顔を塗ったくった哀れなED79でした。
 後に連なる客車というと14系の10連です。中には自販があって、ビールを販売中。これはいい! しかし、客車にもドラえもんの魔の手が迫り、そこら中にドラえもんの顔が・・・。どうしたもんだろう。 まあいいや。まずは乾杯!
 発車間際に衝撃が走る!!ガコンッ!!いやはや、貧乏人、これまで夜行と言ってもブルートレインなんか乗れなかった ので生まれてこの方ついぞ客車列車に乗ったことがなかったので、取り乱してしまった。
 あ、そうそう。車掌が面白いことを言っていたので書きましょう。
「列車十両で運転しておりますが、次の駅、ホームが短いため、1号車から5号車までの扉しか開きません。 後ろ5両は”安全防止のためドアは開きません”。」

北海道上陸!!
 青函トンネルって言うのはそれ自体はあまり面白い物ではありませんでした(当たり前か・・・)。 それにフェイントに短いトンネルがいくつもあったのでいつ入ったのか分からず・・・。それにしても、 北海道はなんかスゴイ様な気がするぞ。期待は膨らむのであった。
 12:04函館着。六分の遅れ。普通、遅れを取り戻そうとする物なのにこの列車、段々遅れがひどく なっていったんだけどどういう事?北海道だからかなあ?まあ、いいや。とりあえず昼飯を食わなければ、 ・・・食べる場所はもう決まっている。一通り市場をひやかしてから市電に乗り一路終点「どつく前」 に行く。この「どつく前」と一つ前の「末広町」の間くらいの裏通りに目指すうどん屋がある。 ここのオススメは焼きうどん。特に大¥500。でも量が多いので注意しましょう。 とにかくおなかいっぱいになりました。
   
その後の函館の顛末記
 どっくを見て、色々な博物館を見学した後に反対側の谷地頭へ。十字街で乗り換えて終点です。 そこの“酒保”でウィスキーを買って行きました。時化ていたので漁師のオッチャンがたまって タコのスルメみたいのを焼いていましたが、これがウマい!でも酒保のオバチャン曰く、「漁師しか 食ってないから店じゃ売ってないよ。」だって。残念。
 立待岬は墓場の向こうにありました・・・。ううっさぶいっ!!Zeroはコートを着て来たので 平気そうですが、この状況はやばいだろう。ウィスキーを飲もう。途中、車掌車が三両ほど うち捨てられているのを発見。これは高タカが喜ぶだろうと写真を撮っておいた。
 その後、有名な函館山へ。そこでは北海道の寒さをもう一度味わったのでした。今日(明日!?) 乗る夜行「はまなす」までかなり時間があります。でも、冬の函館はよるが早い!結局駅で時間を つぶすことに・・・。駅は二重扉なんだけど開けっ放しで通る人がいたり、突風が吹いて待合所に 粉雪が舞う!!さらに付近には不穏な気配が!(続く)
←函館風景!

3日目(3月26日(日))

ハコダテミッドナイト
 この旅はかなり切羽詰まって決まったので、当然指定券など取っていないので全指のミッドナイトなど 乗れるわけがない。急行「はまなす」の発車は1:43。元々青森から乗るような列車だから函館だと すこぶる不便である。そういうわけで我々位しか列車を待っている人はいない。ということは・・・。
 戦いが始まった!駅の住人と駅員の激しい攻防戦。夜中の十二時から一時間、はまなす待ちの人しか 駅には居られないのだ。いやはや、何だかすごくてこっちの方がいたたまれなくなってしまいました。
 さてやっと「はまなす」の時間だ!14系座席車で中はガラガラ。座席をぐるりと回して一人一ボックス 占領して眠りました。

「北海道は開拓なのだ」の巻
 朝もはよから札幌駅に着いても何もすることがないので、飯をくったら早々に出かけて駅周辺を見て回る。 大通公園は雪祭りの雪像をぶっ壊した雪の固まりがゴロゴロしていてひどい有様である。もちろん、まだ 朝早いので外から見ていただけだが・・・。丁度時計台のところで八時の鐘が鳴った。
 近郊電車に乗って(転換クロスシートがいいですね)森林公園駅へ。そこから30分雪道を歩いて 目指すは開拓村。北海道の博物館っていうのは夏料金と冬料金があるところが多いんだけどここもそうで 確かに冬にはここには行きにくい。ついでに冬は雪に埋まってる展示物も結構多い。冬料金が安いのにも 理由があるのだ。
 中身は明治時代からの開拓期の建物でレトロな町並みである。雪を踏みしめながら様々な建物を見て回る。 なんかいい感じの場所でした。割とおすすめです。

 そうやってかれこれ2時間博物館(村?)を歩き回ってから札幌に戻り、昼食をとることに。やはり お目当ては札幌ラーメンでしょう。そういうわけで地下鉄に乗り込みすすき野はラーメン横町へ・・・ と、おもしろいことを一つ。札幌の地下鉄では切符は表にしないと自動改札を通らないのだ!ビックリ。 いろいろ美味しそうな 店が並んでいて迷ったけれど、「満龍」という店でZeroは「海老ラーメン」( ゆで海老が丸ごと2匹乗ってる)、ワタは「バターコーンラーメン」を食べました。
 北海道旧庁舎までは地下道を使えばぬくぬくと行くことが出来ます。別に地下鉄使わなくていいや。 つきましたが、な、なんと!土日は内部見学不可!そう、今日は日曜日!なんということだ・・・。まあいいや、 北大に乗り込みクラーク像へ。あれ?ちっこい・・・。そう、あの有名な指を指している像は遙か彼方、 羊ヶ丘展望台にあったのでした。それから、後日談。父親が北大出身の東大生マルサの男によると、クラーク博士は アメリカ帰国後酔っぱらってゴミだめに頭つっこんで死んだそうです。
 そうとは知らない我々は「キャプテントム」という軍放出品の店を見たりして居ました(結局、荷物になるので 何にも買わなかったけど・・・)。ドトールでコーヒーを飲んでいたら、雪がドカドカ降ってきました。
 夕御飯は超贅沢!キリンビール園でジンギスカン食べ放題100分をやってしまいました。ついでに ビール飲み比べセットでジョッキ三杯飲んでしまいました。もうこんな贅沢しません。
 お風呂は昨日入り損ねたので札幌駅近くの銭湯「江札」に行きました。いやに深い湯船でしたねえ。 十分に体が温まってリフレッシュしたら、駅へ。あっ、髪の毛が凍った!!
 網走行き夜行特急「オホーツク9号」まで、後一時間半あるとおもっていたら、後50分ほどでした。 アブナイアブナイ。古い時刻表を信用してはいけませんね。ホームには人がいっぱい。ええっ、夜行なのに ・・・座れて良かった。それにしてもこの人だかりは何なんだろう。立ってる人まで居る、大変だあ!

4日目(3月27日(月))

OKHOTSK9-limited express
 0:32、OKHOTSK9-limited expressはただいま旭川に停車中。最初札幌ではデッキ族までいて吃驚したのが 嘘のようにここまででどっと減っている。ここ2号車(禁煙・自由席)はガラガラでさっきまで一人一席 だったのを一人一ボックスに改め、ゆったり寝ることにする。
 引き続きOK9の車中にて、何となくワタがイスを回してた様な記憶があったが・・・気がついたら ゆったりと寝てた。昨日はウィスキー飲んで早々に眠ったのだったナ。途中、遠軽あたりで方向が変わった らしい。キハはエンジンをかけたときとそうでないときの差が激しい。
 生田原を過ぎ、原野が広がる。

健脚商売其の壱
 6:15網走に着いた。今日はこの旅で唯一車中泊ではない、川湯温泉というところの民宿に泊まろうと思っている。 そういうわけで、とりあえず、川湯に行く列車の時刻を確認してから駅そばを食べる。網走だというのに 食べるところは何故か外。そばカウンターには窓があり、オバチャンは防寒バッチリだ。食べたものは 何故か二人とも月見そば。
 Zeroが歩いていこうと言い出した。今日の目的地「博物館・網走監獄」までは4㎞位ある。して、その理由は 「バスはあるけれど、開館まで時間があるのと、途中で本物の刑務所を見ていきたい」かららしい。 ではそうしましょう。かくして「歩いて行こ〜!網走刑務所ツアー」が出来上がったのです。
 網走駅から網走湖の方へと網走川に沿って歩く。2㎞で本物の網走刑務所に。やはり本物はすごい。 ちゃんと見張っている。それはそうとワタは鏡橋のたもとで白鳥を見つけては望遠レンズを持ち出しては 写している。本物の方は門を見ることしかできないので(←当然!)この先にある博物館の方を目指す。
 雪の積もる道・・・前に歩いた人はいない様だ。足跡ないもん。それにしても遠いなあ。いつになったら 着くのやら・・・。網走湖のほとりを線路(留辺蘂寄り)に沿って歩き続け、踏切を渡ったら坂道が始まった。 そこを上っていくと・・・8:20ようやく着いた。開館時間まであと40分ある。とりあえず、横の 東屋で待機。

「見るのはいいが、入っちゃなんねえ。」
 博物館のいいところが学割で入れる事。学生は¥730である。ところがなんとワタは迂闊にも学生証を 忘れてしまったのだ、でも学割定期を見せたらOKだった。観光ガイドを見たら1時間は見て回りたいと 書いてあったが、あれよあれよと2時間も見て回ってしまった。
 入り口の門から入って正面に見えてくる旧本庁舎がビジターセンターになっている。中にはおみやげの 売店があったり、温かい甘酒が無料で振る舞われていたりする。早速冷え切った体を温める。それから 敷地内の様々な建物を巡ったのですが、この博物館の中にある大きい建物にはいちいちスタンプが置いてあった。
 ここは刑務所関係の展示の他にも裁判がらみの展示がたくさんあって興味深かったです。人形のリアルさが 素晴らしい展示ではありますが、小さい子はビビって居ります。中国人の団体さんたっくさん来てましたね。 不能不能!!(むりだろ、そりゃ)とか対阿是阿(そうだ。うんうん。)とかわめいてました(チャイ語 選択のワタによる)。お土産には何がいいかなと思ったら刑務所の表札(左図)!なんか日本人的な選択だな・・・ でも、売店のオバチャンの話ではこの表札、網走の受刑者が作ってるそうです。
晴レテ出獄之図・・・

網走探検隊
 お土産を買ったら11:26のバスで網走市街へ。あぁ、今までやってきた道がなんとまぁ早く過ぎる 事よ!・・・ターミナルまで270yen。
 昼飯を食べる所を探すのはいいんだけれど、網走というのは思ったよりも小さな街なのでなかなか 見つからない・・・ウロウロして商店街の中程、横道入ってすぐ(名前を忘れてしまった)のラーメン 屋に入る。ワタは醤油ラーメン大盛り&ライス(漬け物付き)。Zはみそラーメン。でもやってきた のを見ると、大して量が変わらない。う〜ン、謎だ。ここのラーメンにはタマネギを炒めたやつが 入っていて結構美味しい。ごちそうさま。
 しかし、この店で不吉な噂を店の主人夫婦から聞く。これから遊覧船に乗るつもりだったのだが、昨日 は強風高波で欠航していたというのだ。今日はどうなのだろうか?・・・はるばる港まで歩いて・・・ 今日も欠航でした。
 そういうわけで、右のスタンプは残念賞。港の片隅にはまだ流氷が残っていました。しょうがないので 郷土資料館に行こうかな、と思ったら休館だった。まさに踏んだり蹴ったり・・・ぎゃふん!
網走市街にて。イチローも大
リーグ行っちゃった。それに
してもあんまり似て無いなぁ。
網走駅にてキハ54-523釧路行きです。
北辺の喫茶店
 14:33網走発釧路行きに乗る。釧網本線の列車は1、2時間に一本程度しかない。この列車に乗ると 川湯温泉に早く着いてしまい過ぎるし、かといってあと数時間網走に居る用も無いので早めの列車に 乗って途中下車してみようと思ったのである。釧網本線は網走から知床斜里の間ではオホーツクの海岸 沿いを走っているが、その間三つの駅(藻琴・北浜・浜小清水)が駅舎を喫茶店などに利用している。 そこで今回の旅ではその中の北浜駅の喫茶店で次の列車までの2時間をつぶすことにした。こじんまりと した駅で、駅舎の中は待合所とトイレ、それと駅事務所を改装した喫茶店になっていた。店内は昔の 客車のイスや網棚などがお洒落に使われており(カレーの○イアガ○とは雲泥の差)、なかなか良い 雰囲気である。
 我々は角のボックスに座り、真っ白な外を見る。北浜駅は海まで20メートル程で、一番オホーツク海に 近いのだが、このシーズン、雪の下に流氷があって海に近づくのは危険なのだそうだ。コーヒーも好みに 合った味だったですね。
 待合所はプリクラや使用済み定期券の宝庫であった。旅人たちが記念に残していくらしい。
喫茶店「停車場」よりオホーツク海を眺める。駅舎を外から撮影。待合室には旅の思い出が沢山残っていた。やっと列車が到着!!
川湯温泉の「我家」
 釧路行きはキハ54と40の2両編成でやって来た。思ったよりも人が乗っていて1両目のイスは 空いていなかったので、2両目に。これでこのまま行けば18:02には川湯温泉に着くわけだ。・・・ な〜んてこった!ずっとくつろいで行こうと思ったらわずか数駅先、知床斜里でこの車両は切り離 されてしまうとアナウンスがあり、あえなく移動。前の車両に来た。なんか魚の臭いがするなァ。
 知床斜里で1両目のキハ54-517のテーブル付きBOXをGET!釧網本線の列車は先ほど乗ったキハ 40が普通のクロスシート、このキハ54は中央のテーブルに向かって特急と同じタイプのリクラ イニングシートが付いているが、回転はしない。どうもこのシートは改造してつけたらしい。なぜなら イスと窓の位置が合っていないからだ。トイレに行ったら紙がなかった。ホルダーすらない。売っても居ない。 そこでワタの一句。

「いつまでも あると思うな 仕事とお金と便所の紙」(字余り)

 日が暮れて、もうすぐ川湯温泉駅に着く。宿までどうやって行くんだろう?


 その駅で降りたのは我らを含めて3人だった。駅。小さな無人駅。ホーム降りて正面は原っぱと林。 列車が出てから線路を渡って反対側の駅舎へ。「あ、スタンプあるよ」Zの声につられてスタンプを 押していると、バスの運ちゃんが「あの、どこまで行きますか?」と、わざわざ駅舎まで尋ねて来て くれたので助かった。木の板の床のバスに乗ると、一緒にいたおばさんはもう乗っている。どうやら 迷惑さんだったようだ。
 バスを終点まで乗り、宿に着いた。が、人気がない。二重扉の中に入ってスリッパを履いてから 呼んでみる。何遍か呼んで、しばらくしてから足音。スリッパは2足置いてある。食堂には2セットの 食器。やっぱり人気がない。と、足音の主、おばちゃんが現れた。
 宿帳に名前を書いて二階の部屋に行く。今日のお客はどうやら我々だけらしい。おなかが空いていたので すぐに食堂へ。
 解説 ☆主におばちゃんのおしゃべりによる☆
 お茶・・・「やっぱりお茶よねー。」
 ご飯・・・おいしい。
 漬け物・・・二種三枚 大根×1 うり×2かす漬け風
 イクラ・・・醤油をつけてどうぞ
 いもだんご・・・「さめると美味しくないから最初に食べてね。」
 鹿・・・おじさんが冬とった鹿の焼き肉。タマネギと。
 タレ・・・鹿肉を付ける。特別製。
 刺身・・・ホタテ×2 鮭×2 甘エビ×2
 煮物・・・シメジ・厚揚げ等
 酢の物・・・キノコ・フキ・山芋の酢の物。醤油をつけて食べる。
 ホッケ・・・首都圏のよりずっとうまい。ホタテと甘エビも焼いてある。
おばちゃん曰く「食べ物は秋がやっぱり一番美味しいね」。・・・今日も美味しかったケドナ。
 食堂でおかわりを4回ぐらいしながら(それくらい美味しかった)おばちゃんと楽しく話していた。 やっぱりこの時期に北海道に遊びに来る物好きは少ないらしい。
 食後は温泉街をブラブラと。この街、街の終わりが極端にぶっつりと切れて闇に飲み込まれている。 光の多い方へ向かうと、木彫りの店か何かが軒を連ねている。木彫りの熊の価値基準はよくわから ないし、白い恋人なんかはどこでも売ってるので、今回は何も買わんと冷やかして回った。
 お酒を買って帰り、風呂へ。風呂は硫化水素が沢山入っていそうな温泉で、火山地帯の湯特有の 臭いがする。おばちゃんによるとこのお湯では石鹸の泡が立たないらしい。やってみたら本当に 立たなかった。広い風呂場は鉄という鉄がみんな温泉の酸にやられて錆び付いていて、ドア一つ あけるのに苦労してしまう。とてもいい湯だ。
 その日は早く寝た。

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