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北海道ツーリング No2

最後の夏休み・北海道ロング!ロング!!ツーリング

1982年7月13日〜8月8日・CB400N
4358.2km

今回のツーリングマップ(小樽が起点・終点)
今年も夏が来たが、これが学生生活最後の夏休みになってしまう。
そこで、最後の夏休みにふさわしい旅に出よう。高校生の時から考えていた『北海道1周』だ。
昨年、初めて行った時は8月下旬の二つの台風の間で回ったので、有名な所をほとんど見れずに帰ってきたので回りからバカにされた。
今回はいろんな所を観てみたい。
バイクはかなりくたびれているが、先日自分でオーバーホールをしたところなので整備はバッチリだ。
友人の大西(RD400F)と一緒に出発するが、適当な所で別行動するのでソロと大して変わらない。
予算が無い(12万円)から泊りは全てYH(ユースホステル)寝泊りと2食付で2000円ぐらいなので貧乏学生の我々にはありがたい。
でも、昼メシは多分食えない・・・金が無くなったら帰ってくるというズボラな計画。

今回のために28ミリの広角レンズも購入(24ミリは高くて買えず)し、撮影準備もバッチリ。ただ金が無いのでフィルム5本で足りるのか?
気象情報では、今年の北海道は異様に暑いという事で、あまり厚着はいらないだろうとの事(出発直後に気候が激変、これが不幸を招く・・・)。
それでも荷物はかなりの量になるのでキャンプ用品は載せられない(だからYH泊りにした)、ただし野宿の可能性があるので寝袋は持って行く。
これで後はカワイイ子と仲良くなれたらいいな〜と我を考えない甘い夢を見る(わりと近い現実は起ったが)。

7月13日(火)・雨
雨の旅立ち
朝起きてみると、どうも天気が悪い。朝食を済ませて荷物を積み込み8時過ぎに出発。
まずバイト先の遊園地に行って、引継ぎの確認をしてから大西の家に行く。
足りない分の買い出し等を済ませ、チェックをして、昼メシを食べさせてもらってから出発。
小雨が降っているからカッパを着て行こう。
途中、大学で学割証をもらい、大西がブーツカバーを買うともう用事はない。さあ本格的に走るぞ。
R170〜R171と進むと、京都の手前で大雨になってきたが、雨宿りする場所もないからそのまま走る。
向日町からR9に進むと、雨は相変わらずだったが亀岡を過ぎた所でドバッと大雨になった、ぎゃ〜!
屋根付きのバス停を見つけたので中に逃げ込み雨宿り、雨はドバドバ降っている。
しばらく休んでいると雨が弱くなってきたので走り出す、そのうち止んだが路面は濡れているのでカッパは脱げない。
R27に入ってしばらく行った所でまた休憩、寒いのだ。

ペースはかなり遅いが時間に余裕があるので気にしない。
そのうち道も乾いてきたのでカッパを脱いで走り出す、するとさっきよりもっと寒くなってしまった。
綾部を通過したところで再び休憩、なんか休んでばかりだ。
残りは20kmぐらいなのに一気に走る集中力が無いのだ、こんな事でいいのか?
20分ぐらいしてようやく出発、30分ほど走って舞鶴港に着いた。
時間が余っているので、乗り場を確認してから早目に夕食を済ませ、船内用の食料を買い込み、ガソリンを入れて港に戻る。
249.3km/9.4L=26.52km/L(距離が合わないのは満タンスタートではなかった為)
手続きを済ませて乗船を待っていると、来るわ来るわバイクがゾロゾロと・・・
集まってきたバイク連中と話をしていて、鹿児島ナンバーのカタナ(GSX750S)・京都のZ400LTD・ウルサイRZ250等と仲良くなる。
夕方になりいよいよ乗船。
夏とは言え、まだ乗客は少ないのでZ400LTDとの2人で1ボックスを取る(定員26人)、
2等船室はライダーばっかりだ、いよいよ北海道に向けて出航だ。さあ、32時間の船旅だ!
旧舞鶴港・出航前
本日の走行・・・173.1km

7月14日(水)・晴
青い一日
邪魔するものが何もない、360°の水平線
朝5時に目が覚めた、昨日もそんなに早く寝たわけではないのだが・・・
何もする事が無いので日の出を写す、今日はすごくイイ天気!空も海も見渡す限りの青・青・青
朝・昼・晩とカップラーメンを食べて、デッキで昼寝したり、部屋で寝たり地図を見たり、船内探検するだけの1日。
日本海に沈む夕日
夜になると星空がすごくキレイ、星座が何だかんだと言ってるうちに時間が経ってしまう、
明日は3時起きなので早めに寝ようとしたが、今日はさんざん寝ていたのでなかな眠れない。
本日の走行・・・0km

7月15日(木)・雨〜曇り
北へ向かって走れ!
3時に起きると、当然外はマッ暗け。寝袋を片付け、荷物をまとめて下船に備える。
船は定刻より早く到着、下船したのは4時だった。
雨が降っていたのか路面が濡れている、空もまだ暗くてよく分からないが今にも泣き出しそうな感じだ。
小樽港4:00AM、まだ暗い
写真を撮って皆と再会を誓い走り出す、時間は4:20。
まだ暗いのでライトを灯けて行く。
R5は朝早い事もあって車もおらず走りやすい。こんな夜明け前の薄明かりの中を走るのは大好きだ、旅の始まりにとても合うと思う。
しばらく走り、銭箱からR231に入らなきゃいけないのに標識が分からず通過してしまった。
手稲から道々でR231を目指すが、この道がスゴイ!R231との合流地点までずーっと直線、カーブ無し!

石狩からR337に入る所で道を間違え、正しいルートに戻って当別に向かっていると雨が降ってきた。
信号待ちで大西と『まだカッパ着る程じゃないよな』と話をしていたら、後ろの車から
『おーい兄ちゃん!泉ナンバーってどこじゃい?』と大声で聞かれた。知らんのかいな。
当別からはR275に入って北上、広大な風景が続くのだが景色を楽しめる状況じゃない、雨が強くなってきたので止まってカッパを着る。
再び走り出すが今日は寒い!4枚も着てるのに体が震えてる、天気予報と全然違うじゃないか!
時間はまだ6:30だ、60km/hぐらいのペースでたんたんと北上、約1時間で北竜を通過。ここからはR233で留萌に向かう。
(※当時、雄冬岬を越える道はまだありませんでした)

とたんに雨が止んだが晴れているわけではない、でも道が乾いているのはありがたい。
峠を登っていくと『愛知』と書かれた旗を立てたチャリダーを見つけたので『がんばれよーっ』とピースサインで抜いていく。
留萌に入ったのは8時過ぎ、とりあえず黄金岬に行ってみるが、どこが岬なのか分からない。写真を撮ってカッパを脱いでさっさと出発。
留萌・黄金岬、ただただ寒かった
R232(※現在はR231)に入っても空は曇っている、せっかくのシーサイドランもパーで心も曇る・・・道はとてもいいのに残念だなー。
おかげで小平望洋台もパスしてしまう事になりました。
約1時間走って羽幌に着く。店も開きはじめたのでパンとミルクを買って、景色の良い(であろう)原っぱで食べる。
が、寒くて味が分かんない!実に味気の無い食事であった。こんなハズではなかったのに・・・
本当は遠くに天売島と焼尻島が見えるはずだったのに・・・
10:20に走り出す、ここからほとんど信号が無い、60km/hペースで流していると大西が『上げろ、上げろ』とウルサイ、
2サイクルエンジンのRDは、ギア比の関係でこの速度だとギクシャクして走りにくいらしいので70km/hペースに上げる。
6速4000rpm何もする事が無いクルージング、トリップメータが277kmになったところでリザーブに切り替わる。
そこから1時間程で天塩に着いたのでGSに行く、312.9km/11L=28.45km/L。とまあまあの線だ。
大西も20km/Lを超えて喜んでいる(RD400は2サイクル車なので)。予定より2時間も早いので汚れた車体を洗ってから出発だ。

幌延からR40に入ると、まわりは草原だらけでようやく北海道のイメージに合ってきた。
豊富で左折、いよいよサロベツ原生花園だ!待ってたゾーと思っていたら花が無い!
これは原野としか言えないぞ、気が抜けてしまった。とりあえず見てまわるが咲いているのはエゾカンゾウだけ。
見渡す限りに花が無い・サロベツ原生花園
30分ほどで出発、稚咲内まで行くと海岸線に出た、雑誌で見た通りのダートがある。
フラットだし砂利も少ないので何とか走れそうだ。
北への長〜いダート
40km/hぐらいでヨタヨタ走る、本当なら左手には利尻島が見えるはずだが曇ってて見えない。
ドドドと走っていると前方から砂煙りがやってくる、何だろう?近付いて来るとそれはゲゲッ!フソウの強力ダンプ!!
すれ違った後はしばらく砂煙りでまわりが見えない、見えるようになった時には白くなった我々2人・・・
相変わらずヨタヨタして走っていたが、抜海岬から舗装になった。
15時前に稚内に着いた、とりあえず稚内公園に行くがやはり何も見えなかった。
稚内公園・氷雪の門
寒いしYHの受付は16時からなので、寒さをしのぎにフェリー乗り場に行く、明日のフェリーの時間も確認したかったんだ。
途中で大西が2サイクルオイルを買って、補給する時にタンクのキャップを割ったのでガムテープで修理してからフェリーポートへ。
すると同じ考えしてる奴はいるもんで、バイクが3台やってきた。今日の合言葉『寒いね!』
みんな明日は礼文島とのこと、同じだね。
その中のZ250FTの清水とっつぁん、まさか5日後まで我々に引きずりまわされるとは思わなかっただろう。
1時間程して『駅に行ってみよう』という事になり、みんなで行ってみるとバイクがゴロゴロいる。
その中にはフェリーで一緒だった鹿児島のカタナがいる。彼はR12〜R40を飛ばしてきて今着いたそうだ。
だが僕らが1時間も前に着いたと聞いてビックリしていた。

彼は今日野宿するのでこれから場所を探しに行くそうだ、そんな話をいろいろしていると団体ツアーの人たちが「グループなのか?」と聞いてきた。
バイクで来ているだけで驚いているが、ほとんどが他人であると聞いてもっとビックリしていた。
18時前にみんなと別れてYHに向かう、大西は稚内YH、僕はこまどりハウスYH。道に迷いながら30分程で到着。
中ではジャズが流れている、イイ感じだ。
19時に夕食、食堂に入るとストーブを焚いていた、今日の気温は17度しかなかったそうだ、そりゃ寒いよ。
夕食後に大西から電話が入った、テントを途中で落とした(大西はキャンプもする気でテントを持ってきていた)そうだ。
明日の朝一緒に探しに行く事にした。初日から辛いツーリングだな。

気分悪いまま風呂に入る、貧血気味で指先が真っ白になっているので長めに入って温もり、部屋に戻ってさっさと寝る。
明日は礼文島だ、稚内の夜はひんやりと僕を迎えてくれた。
本日の走行・・・411.5km

7月16日(金)・曇り
最北の島へ
朝起きて待合せの抜海岬に行くが、大西の姿はなく20分ほどしてやってきた。
すでにひと回りしてきたそうだが、やっぱり見つからなかったそうだ。
諦めてノシャップ岬に行く事にした、今日の奴の運転は粗い。頭にきているようだな。
岬に着いたが今日も天気が悪いので景色は見えない。灯台がポツリと建っているだけだった。
遠くにフェリーが見える
そこそこにフェリーポートに行く。
島に渡るのにバイクの運賃も高いから必要最小限の荷物(3泊分の着替え類とカメラ)だけを持って2人乗りで行くのだ。
残す荷物はロッカーに強引に詰込む。さあ、後はどっちのバイクを置くかだ!
1発勝負のジャンケンだ。そしてRDを置いていく事になりました。
船は12:30に出港、乗船順番の関係で座席に座れなかったのでデッキに行くが、これが寒い!冷風が吹きまくっている。
上の写真は右端の灯台のあたり。
夏だというのに寒さに震え上がって2時間半、ようやく礼文島の香深港に到着。
下船すると、昨日稚内で合ったMB50君(朝1番の船で来て、日帰りらしい)が稚内に戻るところだった。

同じく下船したバイクたちも同じYHだと言っていた、それでは大西を乗せてYHに向かおう。
島に1つしかない信号(しかも点滅)を左折して山の中を走る、海岸に出た所で下りになるが、この道がスゴイ!
ヌタヌタダートで、しかも雨のおかげでグチョグチョ!とても走れたものじゃない。
YHは目の前なので大西には歩いて行ってもらい、慎重に下る。
リアブレーキはロックしてるのに止まらない、トライアルの経験無かったら泥の中に沈んでいたでしょう。
どうにかこうにか桃岩荘YH着、しかし帰りにあの道を登れるのかなぁ?
中に入って受付を済ませる、ここはニシン番屋をそのまま使っている古民家風で面白い。
男部屋に行くとさっきの連中がいた、彼等は別の場所にバイクを置いてきたそうだ。それにしても狭い!
2段ベッドは頭がつかえるし、荷物の置き場も無い。
何とか工夫して場所を確保してから昨日の清水を含む同室(と言っても屋根裏部屋みたいだが)の連中とワイワイやる。
夕方に夕焼けが見えるかと思って外に出てみたが、生憎の曇り空であまり見えず。
桃岩荘YH前の海
夕食済ませて風呂に入る、風呂と食堂は別館になっていた。
その後ミーティング、面白いと評判だったのだが、ホステラー無視の傾向が強くて僕らには合わない。
我々だけで別に盛り上がってしまった。
その後、明日の8時間ツアーの説明があるので食堂に行くと、何だ?女だらけじゃないか!
男1:女4ぐらいの割合だ。どうせ縁は無いだろうと説明を聞いてさっさと寝た。
本日の走行・・・24.6km

7月17日(土)・曇り
疲労と忍耐の8時間
朝5時に起こされて、朝食もそこそこに出発。
人数が多いので2つのグループに分けられた、僕と大西、とっつぁん、あと男2人と女の子17人、これで我々『岩組』の出来上がり。
YHの車とバスを乗り継いでスコトン岬へ、記念写真を撮って弁当をとっつぁん達が持って、さあいよいよ『愛とロマンの8時間コース』の出発だ。
礼文最北端のスコトン岬『岩組』の記念撮影。右端の青い奴が私。
記念撮影を終えて出発しようとしたら、もう一つのグループ『桃組』はとっくに見えなくなっていた。早いなぁ。
まだ元気な頃、足取りも軽かった。
足取り軽く歩き出したが、それもほんの少しだけ。山に入ったとたんに男連中がバテた、
そう、リーダー以外はみんなライダーなので日頃歩かないからだ。なのに女の子たちは平気で歩く。
ゴロタ岬では男達はグデ〜と休んでる、僕は写真を撮る。
それまでもずっと写真(当時まだ珍しい一眼レフで)を撮っていたので、女の子たちからは『写真屋さん』と呼ばれるようになってしまった。
遠くに見える利尻富士
メノウ海岸でメノウの原石やヒトデが穴を開けた貝ガラをひろって進む、海沿いは楽だなーと言ってたら再び山。
ヒーコラ言って登りやっとこさ西上泊に着いたところで大休止、まだ1/4。
ここからしばらく山の中を歩くが、さすがに女の子もバテているのでペースが遅い。
召国で『メシ食おー』とわめきたおして昼食。

ようやく追い付いた『桃組』は食事を終えて出発するところだった。
ここで『桃組』の早さの原因を発見、一人で騒いでいる奴がいてリーダーを無視して指図してる、みんな嫌な顔してる。
あんなのが居たら早く帰りたいと思うよな・・・そう言って僕らは笑って昼食だ。
気持ちのいい昼食
本当に日の丸な弁当を食べて出発、荷物が減ったのでとっつぁんの足取りが軽くなった。
ダラダラ歩いていると遠くの丘に人の姿が見える、どうやら『桃組』のようだ、僕らがそこに行った時には誰もいない。
本当に早いなあ、と言いながらまた休憩、休んでばっかり。
厳しい山間部もここで終わり、左端の黒い顔が私。
涼しい風が吹いていて気持ちがいい、まわりにはエーデルワイスが咲いている。
礼文島は高山植物が生える島なのです。さあ、そろそろ行こう。
山もここで終わるが、終わり方がすごい。
まるで垂直に見えるような斜面を降りる・・らしい・・・・
きつい斜面を下る!
恐る恐る下る女の子達を横目に一気に駈け降りる、足が止まらなかったのだ。あーコワかった!
こんなガレ場も下る!
さて、いよいよ海岸・・だな一応。大岩がゴロゴロしているが、山よりはマシだろう。
歩きにくいので岩を飛んでいく、ようやく宇遠内に到着、やっと人のいる所に来た。
女の子はここでドッとトイレになだれこむ、スコトン岬から無かったもんね・・・
もうすでに7時間を過ぎている、これは8時間では終わらないな。
休憩終わって歩き出したら変なオッサン達が話しかけてきた。
これが何とNHK-TV!『テレビに映る』それだけで元気がでる、現金なもんだ。
カメラが向いていると前が見れない、何か動きがぎこちない感じだ。
僕らが礼文滝で休んでいる間にNHKはゴールの地蔵岩まで先に行った。

そこで写真を撮っていた女の子がカメラを滝壺の中に落としてしまった。
彼女は泣きじゃくっている。みんなで探して本体は見つかったが、バッテリーと裏蓋がどうしても見つからない。
もしかしたらと滝から流れる小川の中を探していたら、あった!あったぞ。
カメラは水没したのでヤバいけど、フィルムはすでに抜いたようなのでうまくすれば写した分は助かるはず。
礼文滝、大騒ぎのあと
えらく感謝されて出発。
さあ、ゴールしよう。しばらく歩いて地蔵岩に到着!お祭り騒ぎで走って行く。
やっとゴールしたぞ!
地蔵岩でNHK札幌のスタッフたちと記念撮影
NHKと写真を撮ったり、海岸でメノウをひろったりしてからYHに戻ると『お帰り式』をしてくれたが、これもTVに写された。
先に夕食の時間、グループ別での夕食になっていた。食後みんなの住所を教えあい、写真を送る約束をさせられてから風呂に入る。
おいおい、風呂の中までNHKがいるよ・・・中でワイワイやりながら『女風呂をVTR撮ろうよ』と盛り上がる。
風呂から上がると、もう体力ないのでミーティングは今日もパス、リーダー達は強制参加させられた。
残った男連中で話しをする、我々は明日は利尻島に行くと行ったら『晴れたら行きたい』と言うので強制的に連れて行こう。
ミーティングも終わって静かになったので今日はもう寝る、そう、明日は夜間登山をする予定なのだ。
本日の走行・・・0km

7月18日(日)・晴
利尻の夜はオールナイトだぜ!
7時に起きるが体中がだるい、昨日の影響だなあ。
朝食を済ませて出発の用意をすませて下に降りておく。出港まで時間があるのでみんなで話をしていた。
桃岩YHの中はこんな感じ
このYHから利尻に行くのは6人だ。
9:30頃に歩きで来ていた女の子2人と大西/清水が先に出て行った。
僕は昨日の8時間で一緒だった関山と一緒にバイクで10時に出る。
ちょうど同じ頃に港に着いた、そこでは稚内行きの船の見送り式をやっていた。
ドンチャン騒ぎで非常に派手なものだ、テープを投げて泣いている子もいる、青春だなぁ。

船が行った後は静かなものだ、利尻行きの船が来るまで僕らはグデ〜ッとしているが、女の子達は僕のバイクに跨がって遊んでいる。
女はタフだなと思った。
ようやく船がやってきた、乗船するとさっさと出港。さっきと違い見送りも無く寂しい船出だ。
今日は天気もいいのでデッキの風が気持ちいい。6人で楽しい船旅だ、約2時間で利尻島に着いた。
今日は海もおだやか
すると何やら港で踊っている怪しい団体がいる。
船から降りると『手拍子たのむ!』とみんな強引にその連中の中に引きずり込まれた。
訳が分からないまま踊らされる、どうやらこれは今日泊るオシドマリYHの見送り式らしい。
それにしてもスゴイ、船が見えなくなるまで続くすさまじい見送り。
終わった時には疲れ果てていた。礼文で歩いて足が痛くなり、利尻は手拍子で手が痛い。

そのままYHまで連れていってもらう、説明では今日は夜間登山は無く、代わりにオールナイトミーティングを行うそうだ、
8時間も歩いた翌日の登山は危険だからと言うこと、確かにそうだな。まぁどっちにしても寝れない事に変わりはない。
僕らの部屋は一番ボロい『桃岩荘』という部屋、それでもけっこういい部屋だ。
まだ昼過ぎなので『ヒマ潰しに野球やらない?』と言われてさっそく参加。近くの空地でYH組と客組に分かれてソフトボール。
大学で野球やってんだ、猛打賞だったんだけどチームはボロ負けだった。

YHに戻ってしばらくすると、そろそろ日没なので夕日を見に行こうという事になった。
僕らはバイクに2人乗りで何故か大西がYHの旗を持たされたのでバランスが崩れて走りにくい。
他のみんなは自転車で着いてくる、暴走族みたい。
夕日が丘で夕日を見ているとヘルパーが『夕日と一緒にゾウキン(礼文)島も沈めー!』とわめきちらす。どうも礼文と利尻は仲が悪いのかね?
夕日ヶ丘展望台、礼文島に夕日が沈む
YHに戻って風呂に入ってから夕食、2交代で食べるので『30分1本勝負』と言うらしい。
食後にミニミーティング、ここには島に数日いて『利尻のアホ』と自ら名乗る奴(やはり関西人)がいて短時間だったが楽しかった。
清水とっつぁんは罰ゲームで「オホーツクミンミンゼミ」をやらされていた。その後みんなで『かっこいい奴!』の踊りを練習(※今でも踊れる)。
しばらくした22時過ぎに近くの牧場まで行く、YHは22時で消灯しなければならないので、関係ない屋外でやるのだ。
まわりは真っ暗で何も見えない。大きなキャンプファイヤーを焚いてミーティングの始まりだ。
数人で適当に分けられて、酒と肴(味噌ホッケの干物)が配られる、みんなで利尻の歌を教えてもらい、歌ったりしながらワイワイやる。

●あぁ、利尻島
ここはサロベツ大平原、はるか彼方にそびえ立つ
あれが噂の利尻島、海の中からぬっと出た
北の荒波ものとせず、男が惚れるあの勇姿
あぁ利尻、あぁ利尻、あぁ利尻島

稚内から船が出る、荒波蹴立ててまっしぐら
あれが噂の利尻島、平らな礼文を友として
雄々しくそびえる利尻富士、女も惚れるあの勇姿
あぁ利尻、あぁ利尻、あぁ利尻島

黒ユリ咲き誇るポンモシリ、グリーンベルトは大草原
ここが噂の利尻島、輝く朝日に灯台岬
オシドマリ港に朝が来る、行こう姫沼オタドマリ
あぁ利尻、あぁ利尻、あぁ利尻島
あぁ利尻、あぁ利尻、あぁ利尻島

●別れ
ギターを弾いて酒飲んで、女の話ににたついて
外は星空、虫の声、過ぎて行く過ぎて行く
そうなんだそうなんだ、埋もれてしまった悲しみなんか
酒の肴にしてしまおう、酒の肴にしてしまおう

明日あいつが島を出る、笑った顔に涙して
外は星空、虫の声、さようならさようなら
今はまだ今はまだ、お前の事でいっぱいなんだ
帰るお前と酒の夜、帰るおまえと酒の夜

同じドンブリで酒飲んで、苦い笑いも今は夢
外は星空、虫の声、想い出さ想い出さ
明日からは明日からは、見果てぬ夢の旅に出ようよ
お前も生きる俺も生きる、お前も生きる俺も生きる


だけどさっきのミニミーティングの方が面白かったかな、
ここにも礼文の8時間でみんなから嫌がられていた奴がいて、同じく1人で盛り上がっていて空気をブチ壊してくれているし。

夜中の2時頃に抽選会が始まった、大西がいい所で当たった、続き番号なのでこれはスカだなーと思っていたら1等が当たった!
中身はかなり高そうなメノウのペンダント。俺がこんなの持っててどうすんだよ。
『彼女にあげればいいじゃん』と回りは言うが、いないから悩んでるんだって!
夜空を見ていたら星がすごくきれいだ、天の川まで見える、大阪とは星の数が違うね!
そんな空も4時頃から白くなってきて夜が明けてきた。
ようやくミーティングも終わり、YHに戻る。
『朝メシまで寝てて』と言うけれど、ちっとも眠くないので朝メシまでに島を1週してくる事にした。
本日の走行・・・8.4km

・・・・・Vol.2に進む・・・・・

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