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・・・・・Vol.1からの続き・・・・・

7月19日(月)・曇り
最北の地に立つ!

『1時間で戻っておいでよ』と時間を切られてしまった、出発は5:30。
朝食に遅れるなという事か? さすがに人は居ない。先ず姫沼に向かう。
山をグングン登って森の中の駐車場にCBを止めて歩いて行く。静かな湖だが、曇っているので逆さ富士は見えなかった。
静かだった姫沼
次はオタドマリ湖だ。海沿いを流すと道路にはカモメが多い、人間よりも危ないな。
着いてみると大きな沼という感じだった、晴れていればずいぶんちがうんだろうけど・・・
利尻富士が見えていれば・・・
後は走るだけ、う〜んやっぱり昼間にゆっくり走りたいなあ。
少し霧が出てきた中を予定通りに戻ってきた。
7時に朝食、あの後女の子を口説いていた大西はゴキゲンだった。
食後に出発の用意、今日は10時の船に乗るが、出発するのは我々バイカー4人だけ。
礼文から気になっていた女の子二人組は連泊するらしい、残念!
9時過ぎにYHを出るが、残っている連中は寝ているので今日は例の見送り式もなく、何か寂しい船出だ。
何もする事がないと眠くなったが、やはりデッキしか空いてないので今日も寒い中デッキで寝る。
12時を回った頃に稚内に着く、寒かったので風邪ひいたかもしれない。
下船して大西のRDを取ってきてロッカーから荷物を出してロングツアラーに戻る。
稚内港、これからまた走る。
CB250Tの関山は羽幌に行くのでここで別れ、清水とっつぁんは僕らに着いてくることになった。
さあ、今回の目的の一つ宗谷岬に行こう!R238を北上、少し日が差している。
岬の手前でガソリンを入れるとここが日本最北のスタンドで記念のカードをくれた。
216.1km/8.8L=24.6km/L。と少し良くない。
そこから5分で宗谷岬に着いたがやはり人が群がっている。
碑の前までバイクを入れて(※当時は入ってもOKでした)記念写真を撮る。あー、ついに最北の地に来たよ!
日本最北端の地に立ちました。
よ〜く見ると遠くにサハリンが見えている。
丘に登った所で昼食をとる、残念ながらウニ丼は売切れ、楽しみだったのに〜!
仕方なくホタテラーメンで我慢(十分に旨いが)する。食後は芝生の上でゴロッと休む、あ〜気持ちいいなあ。
15時になると急に寒くなってきた、そろそろ行こうか。
今日の目的地の浜頓別YHまでは約70km、2時間ぐらいだからノンビリ行こう。
ここからのR238は緩やかにアップダウンが連続してカーブが続き、左手に海が見える事を除けばまるでヨーロッパのような雰囲気のすばらしい道だ。
途中で写真を撮ったりして進むと、そのうち霧が出てきて何も見えなくなってしまった。

とても気持ちの良い道です
そうなるとただ走っているだけ、道はほぼ真直ぐ、排気音・風切音が一定のままで流れ、変化が無い。いつの間にか寝てた。
ふと気が付くと目の前には崖!慌てて立て直す。恐かったー!
浜頓別町に入ったところのベニヤ原生花園に行って休憩、さっきの話をしてたら2人とも『俺も寝てた』だって、よくまあ事故を起こさなかったなあ。
ちょうどここに浜頓別YHの車が来ていたので連れて行ってもらおう、道を探さないでいいので楽。すぐにYHに着いた。
受付をすると、ここはグループで来た人をバラバラの部屋に分ける(一人旅の人が部屋で孤立しないようにする為だとか)そうなので、
今日はYH内では『一人旅してます』と振る舞おうという事になった。
ここは女の子の人気が高いとの情報もあり、3人ともスケベ心は当然あるのだ。(これが結果としてはラッキーだった)
寒かったので先ずは風呂、3人で行くと小さい家庭用の風呂だったので苦労した。
その後夕食、噂のとおりボリュームもあって非常に満足!
でもその後が問題、食器をどのテーブルが洗うか(昔のYHは食べた食器は自分で洗うのが常識でした)
をジャンケンで決めるのだが、僕らのテーブル代表の清水とっつぁんが1発負け!あ〜・・・
その後20時からミーティング、テーブルにはロウソクが置いてある。何だろうと思ったら電気を消してキャンドルサービス。
ほーっと思ったが、ずっと歌を歌うだけだった。
9時前からはフリータイム、大西はすでに女の子をひっかけて外に出ている、すごい奴だな〜。
(とっつぁんは、それを見て『彼はライオンだね』と言ってた。)
僕はこのYHの記念バッジを買おうとしたが、ナゼか『後でね』と言われてスゴスゴ戻ってくると、夕食の時から可愛いな〜と思って見ていた娘が『私もなんです』と話しかけてきた。
そこからとりとめのない旅話しをする、最初は高校生かと思っていた彼女は大学生だった。
でも内容なんかどうでもよかった完全に一目惚れ状態で内容を覚えてないのだ、それから消灯時間までず〜っと2人で話をしていた。
出発前に可愛い娘と知合えたらいいのにと思っていたのだが、これは現実になったようだ。
(礼文ではたくさんの女の子と知り合いになれたけど、たくさんすぎて印象弱かったから・・・)
消灯前にさっきのバッジを売りに来たのだが、買ったのは僕らだけだった。あぁ、そういう思い出にするのにさっきは売ってくれなかったんだ。
さぁ、もう寝なきゃならないんだけど、あと1時間欲しいよー!
仕方なく部屋に戻り、昨日からほとんど寝ていない事を思い出した。
今日は気持ちよく眠れそうだ。
本日の走行・・・158.0km

7月20日(火)・雨
雨のカヌー、霧のオホーツク
6:30頃に目覚める。今日も曇っているし、少し寒いようだ、上陸して以来全然夏らしくないや。
7時から朝食なので食堂に行こうとしたら突然横から『おはようございます』の声、昨晩の彼女だった、髪型変えていたので分からなかった。
彼女は部屋に戻って行った。あれれ朝食の時に彼女の姿が見えないぞ?
後でP(YHでは宿主の事をペアレントと呼ぶのでこれ以降Pさんとする)さんに聞いたら、朝食も食べずに出発したとのこと。
あっと!まだ名前も聞いていなかった・・・当然YHでは名前も教えてもらえない。
彼女が連泊するのは昨晩聞いて知っているけど、今日僕らは出発するんだ。
ものすごく心残りがある。
今日も食器洗いになったし、ツイてない。
今日は昼にカヌー大会があるので、それまでの時間を残っている連中と話をする。
その中に九州から来ている女の子がいて僕のバイクに乗りたいと言ってくる。ゴメンね、今はそんな気分じゃない
『跨がるだけならイイよ』と言ったら、早速跨がって勝手にヘルメットを被って『仮面ライダー』と言って遊んでいる。
出発前のひととき「愛知」の彼はチャリダー
出発して行く連中の中に『愛知』の旗を立てた自転車がいる、おぉコイツたしか留萌で見たぞ。
向こうも覚えていたそうで、すぐに話しが合う。『やっぱり自転車はキツイよ』と言っていた。

その後クッチャロ湖に行ってカヌー大会だ、だが生まれて初めての奴ばかりでマトモに進まない。当然僕もその1人でグルグル回ってるだけだ。
練習も終わってタイムアタックになった、エエイ思いきり行ってやれ!
と思いきりパドルを突き刺さらんばかりに湖面に入れたら、グサッと湖底を突き刺した?
あれれ?(クッチャロ湖は最深部でも2mしか無いらしい)
生まれて初めてのカヌー
思うようにならないままゴール、コリャダメだ。
大会も後半になった頃にものすごい大雨!とたんにみんなのペースが上がる。スゴイぞ。
終わりの頃に女の子が湖にはまった。これをきっかけに5人ぐらい自ら湖にハマっていってグチャグチャになっている間に終了。
YHに戻り濡れた連中は風呂に直行。無事な連中は集計する、僕は23人中13位だった。
みんなで記念カードに色を塗ったりしているうちに昼になっていた。
カンパすれば昼食作れるよというのでカンパして昼食。食後に出発の用意、13時に出発しよう。
外は相変わらずの雨、颯爽と出て行くわけにはいかないなぁ。
『どこかで このヘルメット 見たら手を振ってや!』と言い残し、カッパを着込んで雨の中3人で出発。
残っていた連中がみんな出てきて、僕らから彼等が見えなくなるまで手を振ってくれた!
こんなに暖かい見送りされたのは初めてで、何か熱いものが込み上げてきた、ありがとうみんな!
しかし現実は厳しい、実に景気よく雨が降り、霧も出ている。楽しみだったオホーツクラインも全て霧の中。
ライトを灯けていても実際に見えるのは5mぐらいか、対向車等に自分の存在を知らせる役目しかないみたいだ。
R238を南下する事約2時間で紋別に着いた、清水とっつぁんはここから旭川に向かう。
15日に今日と同じく寒い稚内のフェリーポートで出くわして6日、
礼文で歩き、利尻でバカ騒ぎして一緒に走ってきただけに彼と別れるのは仲間が減るような気がして何だか寂しい。
『またどこかで合おうぜ!』と紋別の交差点で別れのピースサイン(※走っているツーリングライダーの出合いと別れの挨拶)。
しばらく2人とも気の抜けたような走りになる、体も冷えてしまっているので湧別の手前で休憩だ。
雨はどうにか止んだけど、状況は大して変わらない。単なる移動だな今日は。
雨の日は辛いねぇ
再び走り出すが、ダラダラした走りのままだ。湧別を過ぎてサロマ湖が見えてきた、どう見ても海だよこれは。
この辺からは去年走った事があるので少し気楽になる。
少しペースを上げて行くと浜佐呂間町に入る、下り坂にYHの案内板があったはずなのに無い?
おかしいなーと思っていると駅に出た。やっぱり来過ぎてる!
Uターンして行くと、案内板がある。反対側のは倒れていた・・・感に頼っていくとヤケに立派な建物がある。
よく見ると「サロマ湖畔YH」の文字がある。どう見てもホテルだよこれは!
ようやく着いた、今は17時だから200kmを4時間で走った事になるのか。
受付を済ませて中に入ると、今朝浜頓別YHにいた原付コンビがいる。彼等は8時に出て15時に到着したそうだ。
風呂の用意もできたそうなので4人で入るが、ものすごく立派な風呂!今まで入った中でも群を抜いてスゴイ!広い!キレイ!
窓からは白樺林が見える。『出る時に追加料金取られるんじゃないの?』と誰かが言ったけど笑えない。
ライダーは上品な建物に慣れていないのだ。
夕食もビックリ!質・量共に最高!ホタテづくしまで付いているっ!!あーっこんなの食べた事ない!食って食って食いまくった。
北海道らしい夕食に満足して、食後にロビーで「赤キップ/青キップ同好会」というノートを見て笑っていたら、
突然『あーっ、写真屋さんだっ!』という声に反応して振り向くと、礼文8時間で一緒だった神戸の3人組の子達がいた。
しばらく彼女達と話をする、まるで顔なじみみたい、彼女達も連日の雨でサッパリだと言っていた。
そこに今到着した奴が入ってきたが顔を見てビックリ!自称『利尻のアホ』こと蝉川ではないか!
『おーおー久しぶりやん』と相変わらずの調子だ、彼等は昨日浜頓別手前の駅で野宿していたそうだ。
彼等はヒッチハイクで回っているのでYHの予約が取りにくいはず(島では計画しないと無理なのでYH泊り)なのに珍しいなあと聞くと、
一緒に行動している女の子が途中で風邪をこじらしたので急遽鉄道に乗ってここまでやってきたそうだ。
彼は女の子を部屋まで連れていった。
ミーティングはスライドショーだ、晴れた日の物ばかり(当たり前)で悔しい、何でこんなに毎日雨なんだよ!
冬のスライドは凄かった、この巨大なサロマ湖が氷結するんだと!しかもその上で遊べるらしい。
「毎年2月14日に寒中運動会やってます」との事なので来ようと心に決める。
スライド後のゲームで嫌な奴に会っちゃった、利尻・礼文で1人で騒いでいてみんなから嫌われていた奴だ、
僕もけっこう島で有名人になっていたので顔が割れているのですぐに見つかった。
わーっ気安く話しかけてくるな!おかげで他の連中と話も出来やしない。
ミーティング後にミルクランド(当時の北海道内のキャンペーン)グッズのミルクカップやタオルを買う、これは去年から欲しかったんだ。
さあ、明日からは内陸部に入って阿寒までだ。いいかげんに晴れてくれないものか・・・
本日の走行・・・200.9km

7月21日(水)・曇り〜雨
雨のウェンズデイ
7時前に起きた、う〜んグッスリ寝たなあ。
ここは朝食もボリューム満点。いいYHだ。
朝食後は出発していく連中を見送る、その中の原付コンビ!奴ら大丈夫か?
1日に300km走ると言うし、RX50はライトが割れてるし・・・無事に知床に行けよ!
その後、神戸の女の子達は「大阪で会おうね〜」と、部屋で一緒だったXS400スペシャルのコンビは今日同じYHだというので「じゃ、夕方に」と送りだす。
サロマ湖畔ユース
僕らは今日の午前中は整備する予定で時間を空けてあったのだ、車体の異常は例のRDのオイルキャップ割れぐらいで他はない。
ただ、2台ともチェーンがダルンダルンに伸びているので張ってオイルを補給しておく。
例の蝉川達はまだ女の子の具合が良くないので今日は連泊するそうだ。
昼食の用意(彼等は自炊派)するので買出しに行くと言うので、それならと後ろに乗せて買物を手伝う。
戻ってくると11時になったので出発しよう。

彼にもノートに『何か書いてくれ』と頼むと、『いつか、また。そう、地平線の彼方で会いましょう。』と書いてくれた。
彼は詩人だねぇ。

今日は雨も降っていないし気のせいか空が明るいように思う。
R238を南下、能取湖に出ると少し日が差している。あー嬉しいなあ、やっとツーリングだよーと思って振り向くと大西がいない?
少し戻るとRDがガス欠で死んでいる、どうしたのかと聞くとリザーブコックのまま走っていたらしい。
CBから少し抜いてガソリンスタンドに飛込む。313.7km/11.6L=27.04km/L。どうして30を越えないんだろう?

網走でR39に入ると、お先真っ暗とはこの事だろうか、真っ黒な雨雲・・・
女満別を過ぎて美幌からR243に入ったところで急に大西がスロー走行になった、遂には押している!
『どしたー!』と引返すと、ちょうどRDのメーターが10000kmになる所だったので記念写真を撮るために数字を合わせていたのだった。

無事に写真を撮って出発しようとしたら、何だか少しむこうの道路が光っている?それもだんだん近付いてくる。
なんだろう?と思って見ていたがすぐに分かった。雨だ!
あわててカッパを着る、間もなく雨がザー・・・これで3日連続、走っている日は毎日の雨だ。
これで楽しみにしていた美幌峠の景色はほぼパー。
諦めて出発、雨は景気よく降る続く、もういいよ。

美幌峠手前で雨が上がる、もしかしたら!と僅かな期待を思って峠に行くが、ものすごい霧、真っ白け。
景色どころか道も見えない。美幌峠名物のヘアピンカーブもただ危ないだけ、
神経をすり減らすように走る、それでも30km/hも出ない。
峠を下って霧がマシになったら今度は雨。目標を川湯に切換えて進む。
屈斜路湖沿いの道々に入り10分ほどで到着、ここは湖の砂を掘ると温泉が出るらしい。
少し掘ってみると本当に温泉が出てくる、手を入れると体が冷えているので気持ちがいい。

しばらく休んで硫黄山に行くと観光バスが出たあとで人が減ったところだ、ここで温泉タマゴを食べる。
殻を捨てるとカラスが食べる。カラスも意外な所で役にたっている。
しばらくすると観光バスが大量にやってきたので摩周湖に向かう。
3〜4速で思いきり走る、今回はじめてまともなコーナリングしてるよ。
でもまた霧が出て来た、展望台に着いても白い世界が広がるだけ・・・何をしに来たのか、霧を見に来たんじゃない!
霧の摩周湖、な〜んにも見えず。
気落ちして下って行くと霧は晴れた、弟子屈でR241に入り阿寒横断道路になるが、やっぱり雨。
しかもどんどん強くなる。
雨・雨・雨・力一杯の雨!馬力のある雨!痛いぐらいに降ってくる!
そのうちカッパの限界を超えて水が侵入してきた、ブーツカバーもヤバい、ブーツも冷たくなってきた!
阿寒に着いた時はほぼ濡れネズミ。今日は大西が阿寒湖畔YH、僕は阿寒エンジェルYHと別々になる。
エンジェルYHは昨年も泊ったので道を知っていたし国道沿いなので楽だった、到着は16:30。
受付を済ませて部屋に行くとそこはライダー部屋(だいたいライダーは同じ部屋に固められる)で、雨に濡れたヘルメットが並んでいる。
サロマに居たスペシャルのコンビもこの部屋だった。
荷物を片付けていたら1人入ってきて『あ、やっぱり』と言う、
誰だと思って振り向くと、あらら、稚内〜礼文で一緒だったZ400LTDの川瀬ではないか、
彼はバイクを見て僕だと分かったそうだ、やはり赤いCB400NにMB50のカウルは珍しいようだ。
とりあえず寒いので風呂の用意が出来たと聞いて、ライダーみんなで風呂に行くが、相変わらずここの風呂は熱い!(温泉なので)
冷えた体には熱湯に感じるぞ!どうにか入って、上がると今度は熱くてたまらない。
夕食をたらふく食べてようやく落ち着いた、連日の雨でかなり体力消耗してるもんなあ。
食後はミーティング、ゲームばっかりで人数集めでは参った。女の子が多いので「11人」なんて言うとドドドと女の子が来る、嬉しいけど恐ろしい。
いろいろあって天にも登る気分だ、今夜は寝れないぞ。
本日の走行・・・204.0km

7月22日(木)・曇り〜雨
霧の中・・・
昨年も泊まった阿寒エンジェルユース
7時前に起きた、今日も曇っている。朝食を済ませてから川瀬とXL125Sの奴と一緒にオンネトーに行く。
この天気なので景色は諦めてるけど「もしかしたら」と思ってる。
20分ぐらいでオンネトー着、先に出ていたスペシャルのコンビもいる。1人奥まで行ってみたがやはり景色はダメだった。
連中と別れて阿寒に戻る途中の道で、何か動いている。何だろう?バイクを止めて見てみるとそれは北キツネだった。
少しずつこっちに来ている。そして森から出てきたので写真を撮ろうと思ったら、車が来てビーッとホーンを鳴らしたので逃げてしまった。
さて、そろそろ出発しようと思ったが、湖畔YHに行っても大西の姿がない。近くを探したら女の子と歩いてる、さすがライオン・・・
奴が用意するのを待ってから出発。R240に入る前に阿寒湖の滝口に寄ってみるが、ビックリするほど綺麗な所だった、
この奥に太郎湖と次郎湖が有るのだが道がグチャグチャなので行けないのだ。
R240を南下して釧路へ向かう、しばらく走るとまたしても雨になった。
昨日の豪雨でカッパが乾いていないのでスペアのカッパを着る事になった。
さすがに新しいのはよく水を弾く、こうなると問題はブーツカバー。
昨日でも水が入ってきたからヤバいなあ、ブーツも何だか湿気てるし・・・
(※ちなみに手袋はグラブカバーをこの当時持ってなかったので軍手を2重にしたものを使っていた)
雨の中をたんたんと走って約1時間、大楽毛でR38に入る。
モーターサイクリスト誌で釧路湿原の穴場と紹介されていた北斗展望台に行ってみたが、やっぱり雨と霧で全然見えなかった。
釧路市内でガソリンを入れる、309.6km/11L=28.15km/L。少しずつ良くなってきた。
休憩してから釧路を出たのは13:30。今日予定している浜中まであと100kmほど、3時間くらいかな。
出たとたんにものすごい大雨、連日の雨のおかげでもうシールドがボロボロになっているし、
対向車のライトが乱反射するし前が見づらくてたまらない。
センターラインを頼りに走るが神経使ってヘトヘトになりながら厚岸に着く。
ここから国道をそれて「なぎさドライブウェイ」に入る、大きな赤い厚岸大橋を越えると道が細い1車線になった、
ようやく雨が止んだのでさっきよりは数段楽に走れるようになったら今度はダート、
地図では30kmぐらいダートが続くらしいが、実際は舗装化が進んでおり5km程で終わった、ラッキー。
ダートが終わった所でナゼか道が乾いていたので 休憩する、カッパを脱いで道にへたりこむ。
車なんか1台も来ないや。シールドやバイクを拭いてゆっくりする。ここには巨大フキが生えているのでコロボックルになった気分だな。
・・・・・・
気分を入れ替えて出発したら10分ほどでアヤメが原に着いた、バイクを止めて見に行ったら急に霧が出てきて何も見えなくなった。あ〜あ。
またカッパを着て出発、あとはYHに行くだけだ。しかしスゴイ霧だ。
前が見えない状態のなか何km走ったか分からないうちに浜中町に着いた。
もうすぐだと思っていたら道を間違えて霧多布岬に出てしまった。地名の通りで霧で何も見えないぞ!!
引返してYHを探すためにノロノロペースで走っていると4人のサイクリストが走っている、彼等も浜中YHだろう。
『がんばれよー』と声をかけてピースサインで抜いて行くと、手を振り返す顔は何とみ〜んな女の子だった!

さて、地図の通りに来たが、何処を探してもYHが無い!そこにはホテルがあるだけ。
おかしいなーと地図を見ていたら、同じように彷徨っているGSX250Eがいる、彼も「いろいろ探しても無いんだよー」と言ってる。
彼が「ホテルで聞いてみる」と行ったらすぐに戻ってきた、ホテルの奥にあったのだ。
ようやく到着、17時前だった。部屋に入るとやはりライダー部屋・・・と思ったら、今日は男はライダー4人だけなんだって。
雨に濡れたヘルメットがツーリングの辛さを語っているように感じた。
ロビーで4人で話をしていたら、さっきのサイクリスト達が来たが4人じゃなく15人になっていた。
さあ、準備が出来たので風呂だ。冷えた体が温もるなあ。温まってからは夕食、いつものようにたらふく食べる。
食後はミーティング、女の子たちと話をしていたら河合奈保子のソックリさんがいたよ。
大学のサイクリング部だそうで、彼女たちも連日の雨で参っているそうだ。
我々ライダーは明日みんな根室に行くので、一緒に行く事になった。明日も雨らしいけどメゲずに走ろうね!
本日の走行・・・240.0km

7月23日(金)・雨
再会DAY!
今日も起きたら雨。あぁ。
朝食を済ませたらサイクリストッ娘達は出発して行く。
我々は9時前に出発する、が!当然先頭を走ってくれると思っていたXJ750氏が最後尾を走るので自動的に先頭にさせられた。
浜中駅からR44に入り東を目指すが雨はきつい。

しばらく行くと例のサイクリストっ娘たちが見えたので、『がんばれよー』と声かけて大袈裟なピースサインで抜いて行く。
さすがに5日連続の雨で手が冷たくなってきた。
風蓮湖を過ぎて根室市内に入り、納沙布岬までは南回りのルートで走る。
雨も止んで道が乾いてきたのでペースが上がる、寒さが厳しくなってきたがこの道は走りやすいので、久しぶりに真剣に走る。
みんなのペースも上がってきたが、そう簡単には前を譲らない。気持ちだけ熱くなって納沙布岬に到着。
日本の最東端に来ました
バイクを止めてみんな走る、ホットコーヒーを飲まなきゃ体が凍る!でも自動販売機にあるホットはミルクセーキだけ・・・
僕は甘いのは平気なんだが他のみんながねー。でもこの暖かさは捨てがたい、ホントに夏かよ!
展望台から見ると、目の前に見える島が日本じゃないってのが頭にくる。石を思いきり投げたら届くんじゃないかと思えるぐらいだ。
望遠鏡でみると戦艦の砲門がこっちを向いている、ソ連(当時はまだソビエト連邦でした)てイヤな国だねー!
1時間くらい過ごしてから出発、今度は北回りの道を走る。この道もいい道で、かなり飛ばせる。
4台でギンギンに走っているとXJ氏が止まった。
『どしたんですかー?』と聞くと誰かの荷物が飛んだらしい、みんなで荷物をチェックしたけど何ともない。
そのまま20分ほど突っ走って根室に着いた、GSX250Eの彼は車岩を見に行くそうなのでここで別れる。
R44に入って3台で流しているとXJ氏がガス欠気味らしいのでスタンドを探すが全然無い、何とか厚床で見つけた、XJはストップ寸前だった。
233km/8L=29.13km/Lだんだん良くなってきた。
休憩してから出発、R243で北上、雨も止んで道も乾いているのでペースは70km/hで安定している。
しばらく行った国道分岐でXJ氏はR244に入って行く、大袈裟なピースサインで別れた。
中西別の手前で休憩、さて出発しようとしたら、また雨だ。あ〜カッパ着なきゃ。
中西別から国道をそれて計根別へ向かう、この道はず〜っと直線!ま〜ったく曲がらない16km!
実に北海道らしい道なんだが、天気がなぁ〜ホントに雨が恨めしい。
計根別から裏摩周展望台に向かう、去年走ったから間違わない。ダートもずいぶん短くなった。
だけどまた霧が出てきた、あちゃー今年もダメか!でも行ってみると、おお、見えるぞ見える摩周湖が!久しぶりの感動だ!
(当時)誰も知らない裏摩周展望台
30分程して出発。次は開陽台だ。
計根別まで戻りR272で中標津に向っていると、やたらとヘルメットがデカく見えるバイクが来る、
何かと見るとサロマで別れた原付コンビだ。(原付としては)すごいスピードで走っていった。
しばらく行くとまた大雨になった、中標津の駅前で雨宿りして大西と相談。
小雨だったら行こうかと思ったが土砂降りなので明日にして諦める。今日はもうYHに行こう。
大雨の中走り出すと、やたらと大袈裟なピースサインを送ってくるバイクがいる。あ、XJ750氏だ。元気ですな。
標津で大西と別れる、今日はあいつが尾岱沼YH、僕は標津町YH。YHを探し回って到着したのは16時。
バイクを止めてグラブを外すと手が青くなっている、軍手がグショグショだったので今日は仕方なく革グラブを使ってたのだ。
グラブの色が着いたんだが、気色悪い!受付に行くとYHの人がビックリしていた、本人がもっとビックリしてら。
荷物を持って部屋に入ると今日もライダー部屋、さっさと自分の場所を確保する。
17時になったので風呂へ行く、体が冷えてて調子が悪いんで温まらないと。
手の色を洗い、風呂の中で中年ライダーと話をするが、さすがに働いている人間は金がある。
この前出たばかりのVF750セイバーにもう乗ってるって、でも今日コケたらしく体を洗いながら「いてててて」とくり返していた。
部屋に戻ると『夕食が出来てるらしいよ』と珍車XZ400Dに乗ってる奴が言うので一緒に食堂に行く。
人の少ない所で食べはじめる、ふと視線を感じて隣のテーブルを見るとどこかで見た女の子がいる、
フライをくわえたその顔は、ああっ!浜頓別で名前を聞きそこねた彼女!
あぁ嬉しい、もう食事の味も分からない。
食事も終わり、彼女に『後でね』と食堂を出ると、ゾロゾロと女の子が入ってくる。おぉ、昨日のサイクリストっ娘たち。
『浜中からもう着いたの?』と話をしたら根室には行かなかったそうだ。
部屋に戻ると『女の子の知合い多いじゃん!』と冷やかされるが、これはまったくの偶然。
ミーティング前に電話をかけに行ったら、さっきの彼女と会った。
その場でしばらく話すけど、電話しとかなきゃならないので、続きはミーティングで。
ミーティングはやはりスライドショー、彼女の隣に行こうとしたら『まーまーまーいいじゃないの』とXZ君達に引きずり込まれて男の中、くそー。
ボーッと見てたら後ろの扉がバタン!と閉った、ウルサイと思って振向くとそこに立つ男は『利尻のアホ』こと蝉川。
彼は開口一番に『3日も経ってんのに、まだこんな所におるんか!』場内爆笑されてしまった、ほっといてくれ!
連れの女の子の風邪も直ったそうで良かった。
それにしても今日はよく再会するなー、えーと20人か。ゴチャゴチャ考えているうちにミーティングも終わり。
消灯まであと1時間ほどのフリータイムになったところで彼女と合えた。
話を聞いていたらオホーツク沿いを2日ずつかけてまわっている事、YHを使う旅は初めてという事、同い年だった事などなどいろいろ分かった、
それに関西人と話をするのも初めてなんだそうだ。
旅の話、星の話、いろいろと趣味が合うので話もしやすい。
そうだ、この前の失敗をくり返さないうちに名前を聞いておこう(住所まで聞く度胸なし)。
そして 消灯されるまでず〜っと2人で喋ってたがそのうち消灯時間になる。あーやっぱりあと1時間ほしい!
部屋に戻ると派手に冷やかされた。
さあ、消灯だから寝るか・・・と言っても部屋の中も盛り上がっているのでまだ誰も寝ない。
しばらく話をしていたが、たまたま聞いたラジオの天気予報が『明日も雨』と言ったとたんに『ゲーッ』の大合唱、
ライダーのみんなは急に意気消沈して寝た。
本日の走行・・・283.2km

7月24日(土)・曇り
ソロの旅
何だか知らないが5時過ぎに目が覚めた、外は曇り空。
6時に食堂でニュースを見て驚いた。
長崎の眼鏡橋が集中豪雨で流された!それを思えば今の状況もまだマシか・・・
朝食前にすでに今日の知床行きは止めて、同室のXL250Sの上出君と野付半島に行く事にした。
朝食後ホールで地図を見ていたら、また彼女がやってきた。
話をしながら写真を撮ってたら彼女の方から住所を聞かれたので、お互いの住所/TELを交換する(すごく嬉しい!)。
今日は釧路方面に行くそうだ、天気が良けりゃどこにだって乗せて行ってあげるのにな・・・
列車の時間が来たので彼女は出発して行った、また会えるだろうか。
では僕らも出発しようとしたら上出君がバイクのキーが無いと慌てていた、結局フトンの中から出てきたのでそれでは出発だ。
野付半島に入ると去年は舗装だったのにまた砂利道になっていた。走り辛いなぁ。
奥まで来たらすでに大西のRDが止まっている。それにあのサイクリストっ娘たちもいる。
トドワラを歩いて見てまわるが、もうほとんどの木が倒れてしまっていた。もうここも終わりなのかもしれないね。
戻ってきたら大西が居た、奴はまだ見に行ってないそうだ『早く行ってこい!』と送りだす。
待っている間に上出君は何を思ったか『泳ぐ!』と言い出した!が、あまりにも海水が冷たいために波打ち際を走るだけだった。
そのうち大西が戻ってきた、しばらくしてバラバラに出発。
大西はYHで一緒になった連中と開陽台に行った、上出君はナラワラの奥まで写真を撮りに行く、
僕はナラワラの外周を見に行く。そこには帰りそこねたツルが居た。
野付を出て標津に戻る途中、蝉川一行がヒッチハイクをしていたので、『またなーっ!』と声をかけてピースサインで走り去る。
R272で中標津まで出てから開陽台に向かう。
このルートはず〜っとストレートが続き、曲がるのは2ケ所だけだった。
到着してみて展望台に登ったが、残念ながら360°の地平線はガスの彼方であった。
ここには大西と野付にいたXL125S(稚内でも見た)が居た。
ストレートの話をしていると『北海道減りするだろう』と言う、つまり直線ばっかりなのでタイヤの真ん中だけが減る現象の事だ。
今日は彼らと蝉川一行は屈斜路湖で野宿するそうで、上出君が来てから出発していった。
残った僕らは上出君が買ってきたパンを食べる。
しばらく休憩してから出発、下りのストレートで写真を撮ったりしながらノンビリと中標津へ向かう。
開陽台のジェットコースター道路

走るとうちゃん、60km/hですね。

対向車線で走行しながら撮影、よくやるよ・・・
彼とは中標津で別れる、非常に楽しい男だった。またどこかで合おう!
R272で再び標津に戻ってガソリンを入れる、256.1km/9.0L=28.46km/L。
ついでに泥だらけの車体を洗う、初日に洗って以来だからひどく汚れていた。
スタンドを出たのは16時頃、R244をひた走り根北峠を越えようとしたら、また霧が出た。
峠の下りで霧が晴れたが何だか体調が悪い。どうやら連日の寒さで風邪をひいたようだ。
斜里を通過すると知ってる道なので安心して走れる、中山記念小清水YHに着いたのは17:15頃。
受付するが人気が無い。クラシックがガンガン流れていて不気味だし・・・ここに連泊するんだよなー。
風呂に入って夕食が済んでも、今日のホステラーはみんな陰気な感じだし。ミーティングもそこそこに寝る事にした。
本日の走行・・・184.1km

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