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北海道ツーリング №3

本当に夏の北海道ツーリング

1983年8月11日〜21日・GPz400(A-1)
1656.3km
今回のルートマップ
社会人1年目の夏が来た。今年も北海道に行くぞ!
しかし、昨年のように長期間は行けない。有給と合わせても8日が限界だ。
何とか休みをもらえたので予定を立てる。
昨年雨でほとんど見れなかった道北/道東をメインにして、2月にお世話になった網走の原生花園YHに行くのだ。
バイクは4年乗ったCB400Nが寿命(走り過ぎか?)になったので、新たな相棒であるカワサキGPz400だ。
ここ最近は非常に乗れているので、向こうに行くのが楽しみだ!

8月11日(木)・晴れ
不安のスタート
さて、出発日だ。朝、荷物満載のGPzで東大阪の会社まで『ツーキング』をして、昼には船内用のカップラーメンを買込んでおく。
17:30に仕事を終わり、さっさと出発。走り出してすぐにラーメンを落としてトラックに轢かれてしまった。ヤな予感!
阪神高速に乗って料金分のスピードで池田に着いたのは18時。
ここでR173に入るのを間違えて箕面に出てしまい、慌てて引返して正規のルートに戻る。
グネグネのワインディングを調子よく走る、ペースは思いきり上げているので亀岡を19時過ぎに通過出来たぞ。
ここからR9、もう暗くなってきたし、スモークシールドなのでペースを下げる。
ちょうど前にXS1100SPが走っていたので後ろに着いていこう。
対向車線には荷物満載のバイクが多い、そうか、フェリーで帰って来たんだな・・・
R27に入る交差点で目の前で事故!GSX750S/カタナが車に当てられた、6人組のグループなんだけど、彼らは無事に行けるのだろうか?
R27は80km/hで流れている。ずっと走りっぱなしなのでそろそろ辛くなってきた。
それでもカンバッて走っているとバイクが追付いてきた、どうもオフ系らしいがハイビームのままなので眩しいぞ!100km/hまで上げて逃げる。
綾部を過ぎると今度は別なのがやってくる、今度はロードのようだ。一定の距離を空けて着いてくる。舞鶴の信号で並んだら黒いGPz400だった。
舞鶴港に着いたのは何と20:30!さっさと乗船手続きを済ませて乗船を待つ。
乗船して2等に入る、去年と違って人が湧いてる。出入口に近い所を一緒になったライダー達と押さえる。
回りを見ると異様に女の子が多い。出港してから話をしてみると、高校野球の旭川竜谷高校のチアガールだった、今日負けたので早速帰るそうだ。
負けたのにすごく陽気やんか!と言うと『大阪見物できたから、いいも〜ん』だって。
とにかく早く風呂に入りたいが、すでに混んでいる。
ここで一緒だったライダーのおっちゃんが『こういう時はこうするんや!』と1等の風呂に行くと誰も入ってない。おぉスゴイ!
むさくるしい旅仲間
おかげでゆっくり出来た、部屋に戻り晩飯を食べて寝ることにしよう。
時間は32時間もあるんだから・・・
本日の走行・・・152km

8月12日(金)・晴れ
星の降る夜

朝起きると昼。
起きるとやる事がない、同室の連中と話をしてると、昨日のおっちゃんは高校の美術の先生だった。
他の連中と話をしているうちに、14日のノースランドラリーで会う事になった。でもルートを北に取るのは僕だけらしい。
夕方に写真を撮りにいくと、もう黄昏。そのままデッキにいる連中と星を見る事になった。
日本海の夕焼け
日本海の上で回りには明かりもないので星がすごく見える!明日が本番のペルセウス流星群だが、すでに流星がたくさん見える。
こんなに星を見たのは久しぶりだ。
よく見るとゆっくり動いてる星がある、『あれは何だ!』とざわめいたが、人工衛星だと分かって2度ビックリ!あんなのまで見えるんだね。
そのまま首が痛くなるまで星を見ていた・・・
本日の走行・・・0km

8月13日(土)・晴れ
北に向かって走れ!'83
3:30に目覚める。まだ外は真っ暗だがみんな起きてきた。
フェリーは定刻の5時に小樽到着。
小樽上陸、今年は好天!
下船して写真を撮ったりしてから出発、5台の集団になった。
空気が冷たくて気持ちいい!天気も上々で去年とえらい違いだ。去年間違えた銭函の石狩分岐からR231に入る、ここで僕とXR200の2台になった。
気持ちよく走っていると、さっき銭函で別れたバイクと合流した。また5台だ。
そうして走っていると、石狩大橋を過ぎた所で去年も間違えたR337の入口をまた間違えた!
ペースは80km/hぐらいでも安心して走れる道で、Rの大きいコーナーばかりで走りやすい。でもR275に入ると100km/hペースで流れている。
後ろのXRはさぞやしんどいだろう。走っているとバイクが増えた。その中に3台GPzがいるぞ。
去年、雨の中で覚えた景色と全然違う景色の中を走る。
北竜でR233に入った所のスタンドに入る、263.7km/11.5L=22.93km/L。ハイペースの割りにはいいかな。エンジンも好調だしね。
この頃には僕とXRの2台になっていた、留萌を過ぎるとケツが痛くなってきたのでドライブインに入る。
ここで浜頓別YHを予約すると、XRの岡田君は『今日そんな所まで行けるかい?』と聞いてきたが、こちらは昨年経験済みだよ。
食事を済ませて10時に出発、今日のR232は快適なシーサイドランが楽しめる。天塩までの間にちょくちょく休憩しながら写真を撮って進む。
気持ちがいい「オロロンライン」
天塩を過ぎてR40に合流してからサロベツに行くと、去年よりも花が無い!花のシーズンは6月なんだって。
やはり今年も花が無かった原生花園
サロベツから去年と同じく海岸沿いのダートに出ると、おぉーっ!利尻島がバッチリ見えている!
昨年楽しんだ島々だが、今回は時間が無いから島には行けないけれど、また行きたいね。


ハードダートがまだ残っていた。
左手に利尻を見ながらダートを進むと、意外に早く舗装になった。来年には全線舗装になるんだろうなぁ。
遠くに利尻島が見えている。
快適に走ってノシャップ岬に来ると人だらけ、これでは宗谷岬が思いやられるぞ。天気いいからなぁ。
さっさと岬を出て稚内駅に行く。
やっぱり人が多いね、バイクも多いが。駅前にバイクを止めて昼メシだ。
岡田君はまさか今日こんなに走れると思わなかったようで、サロベツあたりでキャンプ出来ればいいと思っていたらしい。
稚内駅
メシを済ませて宗谷岬に向かう。
途中でGPzは早くも10000kmを達成したので記念写真を撮ってから、昨年もきた日本最北のスタンドに入る、288.3km/12.6L=22.89km/L。
5ヶ月で10000km達成
そのまま10分で宗谷岬に到着。『宗谷岬の歌』がガンガン鳴っていて耳がおかしくなりそうだ!
バイクも多いしツアー客も多く、ゆっくり出来る状態じゃないな。碑の前までバイクを入れて写真を撮って、少し休んでから出発だ。
日本最北端です!
今日は天気がいいのにサハリンが見えかったなぁ。
岬を出ると例のヨーロッパ調のワインディング、気持ちよく抜けて行くと、昨年居眠りした場所になるが、
今年は左手にオホーツク海を見ながら気持ちよく流せるので眠くなんかならない!

約1時間で浜頓別に到着。岡田君はクッチャロ湖のキャンプ場に向かった、僕はYHだ。
昨年、今年の2月と、いい想い出が出来た所なのでまた来てしまった。さすがに同じ事は起らなかったが、楽しい夜を過ごせたぞ。
明日はサロマまで行こう。
本日の走行・・・472.2km

8月14日(日)・晴れ
Sunnyside Feelin'
草原の中の浜頓別YH
6:30に起きる。今日も非常に良い天気だ!
今日の朝食は外で食べる、う〜ん気持ちがいいねぇ。
外で朝食、気持ちいい。
朝食を済ませた頃にXRの岡田君がやってくると、オフ車の連中で盛り上がりだした。その後8:45に出発だ。
左手にオホーツク海を見ながらR238を南下するが、この輝くばかりの海岸線、昨年とは大違い!
オホーツクの海岸線
まるで初めて走る道みたいに景色をボ〜ッと見てる、所々で止まって写真を撮ったりして紋別に入り、R273に入る。『氷のトンネル』に向かう。
どんどん山の中に入っていくこと40分、北見滝ノ上から道々を通ってウェンシリ岳の山小屋に着いた。
ここで入山許可証をもらって山に入る。この先はどうにか車が通れるダートでけっこうキツイ。
こんな所はXRが速い。付いていけないよ。
5km程行くと道が川で遮られている!行かにゃぁならんでしょう。200kgオーバーのGPzで川越えのトライアル、当然クリーンするぞ。
川越えするとうちゃんとGPz
どうにか川を渡ると、その後は完全にトライアルセクションのような山道になるので歩こう。
しばらく歩くと有りました!すごいなぁ本当にトンネルだよ。ただし氷ではなく万年雪なんだな。
これが氷のトンネル
こんなの初めて見た。
こんな昼間なのに冷気が漂っていて、水も氷のように冷たくて寒くなってきたし、アブが多いので長くは居られないので後にする。
再び川を越えてダートを走り、滝ノ上までのワインディングを楽しんでからガソリンを補給だ。276.1km/11.6L=23.78km/L。
腹へったなーと思ってるが、この近辺に食べ物屋さんが見当たらない。結局、紋別の喫茶店に入った。
15時前に出発、車が増えているが80km/hペースで走れるが、北見は取締が厳しいとの話しなので慎重に行こう。
だんだんバイクが増えてきた、グループツーリングが多いね。ソロライダーが見当たらないなぁ。
快調に走ってノースランドラリーの会場のキムアネップ岬キャンプ場に着いたが、一面バイクだらけで、フェリーの連中を探すけれど分からなかった。
草千里みたいなイベントを期待してたけど、パーティーは夜になるらしいので、仕方ないのでYHに向かう、
岡田君はここでキャンプ。ではまたどこかで会いましょう。
キムアネップキャンプ場の夕暮れ
YHまでは10分ほどだった。昨年通りだったけど、今日はおとなしい連中ばかりだったので盛り上がらなかった。
明日は日の出を写すので早めに寝よう。
本日の走行・・・302.5km

8月15日(月)・晴れ
再会の日
朝4時に起きてYHの前(湖畔なので)でアブと戦いながら日の出を待つ、出てきたのは4:30頃だったが、少し曇っていたのが残念。
サロマの日の出
7時に朝食を済ませて、用意を済ませて出発前に車体のチェックをする。すでに1000km近く走っているけど問題は無いようだ。
カワサキのバイクは手を抜くと後が恐いのです、何しろ部品が入らないから。
8:35に出発。天気もいいのですごく快適、 今日は一段と冷たい風が心地いい。R238は好きな道です。
少し遅いペースで流す、途中で霧が出たけどもすぐに晴れた。
R238の防風林
2月に流氷でいっぱいだった海を思い浮かべて走っているうちに北浜に着いた。ここで右折して原生花園YHに行く。
まだ出発する人が残ってるのに着いたので、ヘルパーがみんな変な顔してる。
が、ヘルメットを脱いだら『おー久しぶりじゃん!』と思い出してくれた。そりゃしばらく一緒に居たんだから思い出してくれなきゃ困るのだが。
(※この年の2月に北海道旅行した時に、4日間ここで暮らした。その時の連中が夏にヘルパーをすると言うので再会する約束になっていた。)
朝の仕事を手伝って、昼にヘルパー連中達と一緒に網走まで買出し&夏まつりに行く事になった。
町はすごく賑やかで、2月の流氷祭を思い出すねぇ。
祭で騒いだ(残念ながら利き酒大会には参加できなかった)あとに市内のジャズ喫茶に寄ってからYHに戻る。
晩飯の用意を手伝おうとしたら『今日は客だからいいよ』と言うので客として大人しくしておこう。
食後のミーティングはゲームで明け暮れる。その後はお決まりの記念撮影大会となった。
記念撮影
今日は別棟まで全て満員だったので、晩に後片付けを手伝いながらヘルパー連中と小宴会をしてから寝る。
本日の走行・・・記録なし

8月16日(火)・晴れ
Black Joke!

今日もいい天気で晴れている、今日は知床までなので昼から出発。時間があるからみんなとノンビリする。
遊んでる間にヘルパー連中が交代で僕のバイクに乗っている。
11時になったのでそろそろ出発の用意をしようとしたら、ヘルパーが歩いて帰ってきた。
何と、コーナーでコケてバイクが崖の下に落ちたと言う!
みんなで見に行くと崖下5mぐらいの所にGPzがある、YH隣のカメラマンの奥田氏のジープを借りて、ウインチを使って引上げる。
チェックすると損傷はかなり酷く、ミラーとウインカーは左右とも×、フェンダーは割れてるし、カウリングはフレームまで折れている、
電気系も動かないし、そして3枚のディスクブレーキがどれも効かない!
そのまま網走のバイク屋まで運んでもらい、エンジンは動いてフロントブレーキが何とか効くようになったが、他はまったくダメ。
パーツを頼んだら2週間かかると言うしなぁ。
しばらくYHでホスパーやらなきゃならないか・・・
ヤケクソで昼メシを食うのであった。
外れてしまったGPzのシートに座って昼食
本日の走行・・・記録なし

8月19日(金)・曇り〜雨〜晴れ
不安の旅立ち
毎日応用出来る部品を探してきてはコツコツ修理をして何とか走れる状態にしたGPzはZ400GPに見えて仕方ない。
こんな姿になりました
カウルレスにしてヘッドライト(ハイビームしか点かない)とウインカー(配線がイカレて全く点かない)を汎用ステーで取付けて、
右だけバックミラーを取付けた。
リアブレーキはやはり全く効かないから、前ブレーキのアンチダイブ(80年代に流行った姿勢制御システム)を最強にしておく。
ユースの連中と
10時に出発してR39を西に走る、やはりハンドリングが落着かない。フロントで7〜8kg軽くなっているしリアブレーキが効かずどうにも走りにくい
(僕はコーナリングのきっかけをリアブレーキでコントロールする乗り方なので)、フレームにも影響があるのかもしれない。
それでも広い北海道の道のおかげで何とかペースが作れる。昼過ぎに滝の湯でスタンドに入る。362.4km/16L=22.65km/L。
休憩して走り出すと、留辺蘂を過ぎた所で雨になった。
今回初めての雨だな、ゴアテックスのカッパを着るとさすがに雨の中でも何ともないね、昨年雨で苦しんだから良い雨具を用意したのだ。
覚悟を決めて石北峠を飛ばす、中途半端な走り方は逆に危ないからだ。しかし下りになるとすごい大雨、道が川のようになっている。
カッパが良かったおかげで体が自由に動くから、リアブレーキが効かない状況でも何とか走り抜けれた。
上川まで来るとウソみたいに晴れている、冷たいジュースを飲んで休憩だ。
しかし旭川を抜けてR12に出るとまた雨になり、再び雨の中を札幌まで走る。
交通量も多いので神経は極限状態を維持したままで、非常に疲れてきた。
札幌を出ると暗くなった、もうひと踏ん張りだ、がんばろう。何とか小樽天狗山YHに着いたのは18:20。
今日は今までで一番辛かった日かもしれない、心配しているであろう原生花園YHに無事到着した事を連絡しておく。
風呂と夕食を済ませると、もう何もしたくない。そのまま寝てしまった。
本日の走行・・・409.1km

8月20日(土)・曇り
さらば北海道
起きたのは6:30、出発の用意をしてから朝食。
7:40に出発、外は霧雨なのでカッパを着て行く。
途中の日用品屋で船内食を買っていたら、CB250RSZに乗ってる奴が来た。
やはり船内食だそうだ、それなら一緒にフェリーに乗ろうやという事になった。
手続きをして、さっさと乗船。こんな気持ちで船に乗りたくはなかったなぁ。
しかも船は90分遅れで出港した。もう、どうでもいいのだ・・・

本日の走行・・・7km

8月21日(日)・晴れ〜雨
帰ってきました
目が覚めるとすごくイイ天気だ。何もする事がないのでデッキに出て日光浴に明け暮れる。
船旅は快適です
快適な船旅も到着する頃には雲行きがあやしくなってきた。舞鶴に着いたのは17:30。すごく蒸し暑い、空は曇っている。
下船してスタンドに行く、307.7km/13.5L=22.8km/L。
スタンドを出てしばらく行くと雨になった。カッパを着てもくもくと走る。R27〜R9と進むと物凄い雨になった。まるで川の中を走っているみたいだ。
R171に入っても状況代わらず、しかしR170に入るとピタリと止んだ。
そうなると楽なもので、走り慣れた道を走って家に着いたのは21:20。
何とか無事に帰って来れました、これだけでもラッキーと思わなきゃね。傷ついたGPzを止めて、今回の旅が終わった。
本日の走行・・・160.6km

何とか体は無事に帰って来れた。今回は最高に乗れていただけにトラブルが残念だったなぁ。また次回の楽しみにするとしよう。
(※この後GPzが完全に直るのに1ヶ月かかりました。)

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