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ヘッドライト/テールライトの白色・電球色LED化
LEDは輝度が電球(麦球)に比べ明るい(もちろん暗くすることもできます)だけでなく、発熱の少なさ、低消費電流などのメリットがあります。最近は白色、電球色のLEDが発売され、その応用範囲はますます広がっています。・厳選役立ち部品
鉄道模型で白色/電球色LEDを使いたくなるのは、まずヘッドライト/テールライトではないでしょうか? ショップに頼むと1両当たり800円など取られてしまう(らしい)ヘッドライトの白色LED化も、自分でやれば200円以下です。テールライトも自分で赤色LEDを使えば数十円でLED化できます。LED化することで低速(低電圧)でも明るく輝き、TOMIXの常点灯機能に対応し、また蛍光灯やHIDのような白い光も簡単に再現できます。もちろん電球色LEDを使えば、HIDではないヘッドライトや電球・電球色蛍光灯の室内灯に使えます。ここではLED化が比較的簡単な車両を取り上げ、必要な部品、道具、改造方法を紹介します。
我が家にはこの表以外の膨大な在庫部品(汗 がありますが、よく使う部品だけをピックアップしてみました。・使う道具類
部品名 値段 補足 白色LED
日亜化学工業 NSPW300BS
TAIWAN OASIS TOL_30aUWdCOa
OptoSupply OSWT3131A , OSWT3166B
など1個 80円〜
(秋月通商、千石電商など)標準輝度:2000mcd〜 指向角:25°くらい〜 (3φ)
3φの白色LEDで指向角が狭いタイプ。一番種類も多い。室内灯、ヘッドライト/テールライトといろいろ使えるので常備しておきたい。 OSWT3166Bは100個で2,000円 、 5個100円 と安いのでお勧め。白色LED 日亜化学工業 NSCW100 3個 200円
(秋月通商)
売り切れ標準輝度:320mcd 指向角:105/110°(チップ2mm×3mm)
チップ部品なので、普通のLEDが入らない狭いところでも入る。指向角が広いので、それを生かした使い方もある。電球色LED HRD HWLH-A32A-11 1個 150円
(ラジオデパート1F赤城商会)標準輝度:1500mcd 指向角:25° (3φ)
筆者が今一番イイ!と思っている電球色LED。ヘッドライトはとりあえずこれでしょう。赤色LED 1個 10円くらい〜 テールライトだけならば安いこいつの出番。適当に買うw とりあえず太さ3mmで安いやつでよいが、スペース的に厳しい車両もあるので、最初からもっと小さいのを買っておく手もある。 ダイオード 1個 10円くらい 逆電圧に弱いLEDなどを守るために必要。小さめの汎用整流ダイオード1S1588(または互換品)でよい。
もし買えるならば小さ目のSBDのほうがより良い(低速での光り方に差が出る)が大した問題ではない。定電流ダイオード(CRD) 石塚電子 E-153(15mA)など 1個 50円
(秋月電子)電圧が変動しても一定の電流を流してくれる便利なやつ。E-153(15mA)で明るすぎるときはE-103(10mA)、E-822(8mA)、E-562(5.6mA)を使い分けています。15, 10, 5.6くらいは揃えておくのがお勧めです。 熱収縮チューブ(細めのやつ) ギリギリの線の取り回しをするときに、絶縁に使います。 配線 部品の足を使えるのでめったにつかいません。
使う道具はだいたいこのくらいですね。・LED化における基本
名前 値段 補足 半田ごて(20〜30Wくらいのもの)
半田
半田吸い取り線
こて台数百円〜 とりあえず一番安いセットものでもかまいません。(例えば goot X-2000 相当のもの)。
半田ごてはできればセラミックヒーターのものがよいですが、若干高くなります(2000円くらい〜)。お勧めは gootのPX-238 かな(市価3000円ちょっと)。
半田は最も一般的なヤニ入り半田でOKです。
半田吸い取り線は2.5mmのものを愛用しています。これも gootのもの 。テスター 1000円〜 安物でもいいので、はんだづけ工作するんだったら買っておいた方がいいです。初心者の人にはデジタル式のをお勧めします。昔はデジタル式のは高かったのですが、今は1000円ほどで買えます。初心者の人がアナログ式買うと「絶対壊します」。
秋月電子の M93A とか MAS-830L など。小さなニッパー、ラジオペンチ 数百円〜 これも安いものでもかまいません。ダイソーの100円のでも。でも、高いものはそれなりの価値があります。
お勧めはニッパーは goot の YN-10 、ラジオペンチは同じくgootの YP-10 あたりみのむしクリップ、みのむしクリップ付きコード 20円〜 部品を基板上で押さえておくのに役立ちます(外側の皮を取って使う)。小さめのがよいかと。
もちろん、みのむしクリップ付きコードは、ちゃんと光るかどうかのテストにもつかいます。ドリル(ピンバイス) 100円〜 ヘッドライト(テールライト)基板に穴を追加して部品をとりつけることがあります。私は0.8mmのピンバイスを使いますが、ダイソーの1mmのピンバイスでもかまいません。 カッター 100円〜 やすり又はリューター LEDの根っこの「つば」の部分が邪魔だったり、基板を削らないとスペースが確保できなかったりで、削る作業は時々発生します。
リューターだと作業がさくさく進みます。
LEDでは流れる電流を制限する必要があるのですが、うちではCRDという素子を使っています。CRDはちょっと特殊なダイオードで、アノードからカソードの向きにはある一定の電流まで(現在売られているものでは最大15mAのものまであります)しか流しません。CRDを使用することのメリットは「明るさをコントロールできる」ことです。わかりやすい、実測したCRDの特性は audio-Q さんの 定電流ダイオード(CRD)の配線早見表 でわかります。
ページ中の「CRD+白色LED(3.6V/20mA)配線による電圧-電流特性の実測値のグラフ」の一番上のCRDと白色LEDを直列につないだ例を見ると、7Vほど電圧をかければ電流はほぼ15mA流れ、パワーパックの最大電圧である12Vまで安定して15mAほど流れるのがわかります。
これを抵抗で代用するように考え、12V時に15mA流れるように抵抗値を算出するとR = (12 - 3.6) / 0.015 = 560 (Ω)となります。560Ωの抵抗と白色LEDを直列につなげて7Vかけたときを考えると、I = (7 - 3.6) / 560 = 0.006(A)となり6mAしか流れません。
つまり「CRDは抵抗による電流制限より低電圧から明るく光り、その明るさが一定で維持される」ことがわかります。CRDは逆向きには普通のダイオードのように電流を流してしまうので、LEDの保護のために普通のダイオードも使用します。手に入りやすいのは1S1588などの小電力用ダイオードですが、うちではSBDという降下電圧が小さく、スイッチングが速いという特性を持ったダイオードを使っています(下の画像の下の2つ。上は 松下MA2C723(MA723) 、下は 日本インター11EQS04 )。SBDを揃えている店は少ないですが、秋葉原の 鈴商 なら種類・在庫も豊富です(しかも安い)。
とはいえ、細かいことを気にしなければ画像の一番上の小電力用ダイオードでかまいません(画像は1S1588)。ヘッドライト/テールライトのLED化の基本は LEDの基礎知識 に書いたように配線をするだけです(もちろん、車両によってスペース面などで苦労したりするのですが。。。)。ヘッドライトは進行方向右側のレールが+の時に光るように、テールライトはその逆向きに接続します。
ちなみにLEDの電極の向きで、アノードは「足が長い、電極が小さい」と書いていますが、100%当てはまるわけではないので注意が必要です。新しい種類のLEDを買ったら、当てはまっているのかテストが必要です。例として、秋月で売っている高輝度赤LEDの中に、アノード側の電極が大きなものがあります。また、技術的(電気的)に光る/光らないというのはもちろん大事ですが、それ以外の要素として「明るすぎる、暗すぎる、ムラがある」という要素もあります。
例えば、KATOのEF58でヘッドライトをHWLH-A32A-11で電球色LED化して15mAのCRDで光らせると… 正面から見ると目がくらみます(w 明るいのを暗くするのは簡単です。CRDを電流の少ないもの(10mAとか5.6mAとか)にすればよいのです。以下にヘッドライトで(私が)適切と思うCRDを参考までに挙げておきます。・ケーススタディ:改造の実際・KATO EF58, EF60などのように、1つ目デカライト(蒸気機関車は除く) … 8mA(5.6mAでもよい)
・有井 ED72試作車、ブタ鼻ライトのように中央に固まって2灯あるもの … 10mA(8mAでもよい)
・それ以外 … 基本的に15mA(たまに明るすぎることがある)
・ライトへの導光が効率が悪いもの(KATOリゾート21、TOMIX DD54など) … 思い切って30mAにする場合がある
・どうしようもないもの(w … 有井783系とか
・テールライト … 使用するLEDの輝度、指向角によって変わるが、5.6mA〜10mA程度を使っている。明るすぎるテールライトは違和感があるので。。。まぁ、結局はケースバイケースですが、だいたいこんな感じで決めています。明るめが好きな人、暗めが好きな人といるでしょうから、そこは個人の好みの要素がかなり入ります。
ここでは実際の車両の改造を通して、様々なパターンに応用する基礎となりそうな例を示します。・CASE1:KATO EF58:KATO機関車用ライトユニット(難易度1)
まずは簡単な部類に入るKATOの機関車に広く使われているライトユニットを例に取ります。以下予定。簡単にやるのなら、既についているLEDを取り外して電球色LEDに付け替えるだけですが、うちのポリシーにのっとってCRDを使ったLED取り替えを行います。使った部品は
- 電球色LED HRD HWLH-A32A-11
- CRD 8mA
- SBD 松下 MA723全部で片側200円程度というところです。
まず、LEDとCRDの足を適当な長さで切断し、足の端をJ字型に曲げて、足を絡ませてラジオペンチで締めてしっかり固定します。
足の長さは、下の完成後の画像を参考にしてください。
- LEDが元のLEDと同じ位置になること
- ダイオードが下の画像あたりの位置にくるようになること
を狙うとうまくいくようです。
そうそう、緑色の部品に見える2つの四角い穴は屋根のボス(でっぱり)がはまり込むので、完成後に適当に足を曲げて穴を塞がないようにします。SBDも同様にLEDと結びつけ?て、ハンダ付けします。これならグラグラせずに安心してハンダ付けできます。
元のLEDと同じ位置にLEDが来るように足を曲げます。
基板から全ての部品を半田ごてと半田吸い取り線を使って取り去ります。
チップ抵抗を外したら、代わりに部品の足でも使って、そこの部分をつないでやります(当然半田付け)。先ほど作ったCRD + LED + SBDのセットを基板に半田付けし、余計な足を切り取ります。
車両に取り付けてテストします。ちゃんと前進時に明るく光るかテストします。美しく電球色に光っていたらボディを取り付けて完了です。
同じライトユニットを使っていても、EF60だと若干様子が違います。EF58と同じように改造すると、屋根裏のボス(赤丸)がCRDなどに当たって動力をボディに入れるときに困ります。
そこで基板を若干削り(緑線)、CRDとダイオードを基板に近いところに配置するようにします。さらにグレーのプラスチックのCRDやダイオードと当たる部分を若干削る(黄丸)と更に良いです。・CASE2:KATO KATOLEDライトユニット(電車やディーゼルカー用のやつ)
・CASE3:KATO 電球ライトユニット(機関車用)
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