このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

鉄道ニュース2003年12月号




●JR九州、04年ダイヤ改正概要発表(12/11.13.15.16)
JR九州は、来年3月13日の九州新幹線暫定開業に合わせて実施するダイヤ改正の概要を発表した。
◆九州新幹線関係◆
九州新幹線新八代〜鹿児島中央間が暫定開業し、新八代と新水俣駅が新設。出水・川内・鹿児島中央が現在駅に併設される。運転本数は、新八代〜鹿児島中央間は、上下32本、車両基地のある川内〜鹿児島中央間で上下5本を運行する。鹿児島中央−川内だけで運行する5本は、川内車両基地への回送電車を活用し早朝深夜に設定された。主に通勤客や飲食帰りなどの利用を期待している。博多からでは、始発の博多発午前6時で、同8時33分に鹿児島中央に到着。最終は鹿児島中央発午後9時18分で、博多着は同11時56分に到着する。新八代駅からの始発は午前6時40分、終発は午後10時54分で、終着は午後10時42分となる。運転体型は、新八代〜鹿児島中央を34分で結ぶノンストップが上下計2本、川内駅に停まる速達(所要時間39分)が20本、新水俣など各駅停車(同46分)が42本。すべて新八代駅ホーム上で、3分の間隔を置いて博多方面の特急「リレーつばめ」と接続する。料金は、運賃と指定席特急料金の合計で、博多〜鹿児島中央が9420円。川内〜鹿児島中央の自由席特急料金は、隣接駅特定割引を適用し、山陽新幹線と同額の830円とすることを明らかにした。
◆在来線◆
・鹿児島支社・
在来線区間では、鹿児島中央発の普通列車体系を見直すとともに、新幹線に接続する特急列車を増発し、観光やビジネス、日帰り利用のアクセスを充実した。日豊本線・肥薩線では、現行の「さわやかライナー」「ホームライナー」を特急「きりしま」に格上げ、または増便し、鹿児島中央—霧島神宮(一部国分駅)を1日13往復に増発した。同区間の最速は47分。また展望スペースを備えた観光特急「はやとの風」を新設。鹿児島中央〜吉松間を午前と午後に各1往復運行する。約1時間23分で結び、嘉例川駅にも停車する予定。また、人吉〜吉松間を走る各駅停車「いさぶろう」「しんぺい」を指定席展望車両に変更、人吉で別府行き特急「九州横断特急」に、吉松で特急「はやとの風」に接続する。1日各1本の運行。指宿枕崎線では、鹿児島中央—指宿間で、現行の快速「なのはな」に加え、指定席車両を1両連結させた特別快速「なのはなDX」を運行する。土曜、休日は上下19本のうち4往復を「DX」で運行、DXの最速は51分。
・大分支社・
JR日豊本線関係では、大分〜佐伯間の高速化工事が完成。同区間の所要時間が最大8分短縮される。特急「にちりん」は別府〜宮崎間で3往復増発、2000年3月のダイヤ改正以来、4年ぶりに特急の「1時間1本体制」が復活する。大分・別府から福岡方面へのアクセスを改善するため、別府駅で特急「ソニック」と「にちりん」を同一ホームで接続させる「ソニック&にちりん体系」を更に強化。博多〜宮崎間を結ぶ体系は現在の4往復から9.5往復に増える。一方、宮崎〜小倉間を直通運転する「にちりん」は4往復から1往復に減便。このほか、特急「ソニック」に中津発の1往復を新設。福岡空港からの早朝便利用者を考慮し、上り(博多行き)は午前5時43分発に設定する。豊肥、久大線では観光列車を強化する。久大線の特急「ゆふ」は3往復(6本)のうち、3本にパノラマ指定席を備えた車両を導入し、「ゆふDX(デラックス)」として運行。各線の普通列車は朝夕の通勤、通学時間などを中心に増発や路線延長をする。
・長崎支社・
通勤時間帯の利用客が多い諫早〜長崎に通勤特急を走らせる。特急列車としては九州で一番短い運行区間となる。午前7時40分諫早発で、途中浦上に停車する。運行する車両は「白いかもめ」で、乗車できる2号車から6号車の5両(274席)は、すべて自由席。料金は特急料金を含め750円。平日だけの運行で、ダイヤ改正は3月13日からだが、通勤特急が走るのは月曜日の3月15日から。
・熊本支社・
在来線の新八代駅(鹿児島本線:千丁〜八代間)には、別府〜人吉を結ぶ「九州横断特急」が上下12本と、普通電車の上下86本が停車する。また、八代〜出水間の経営分離によって誕生する肥薩おれんじ鉄道も乗り入れる。博多〜熊本の特急「つばめ」「有明」は改正後は九州新幹線と連絡する特急「リレーつばめ」と「有明」を上下各46本(現行よりも7本増発)にする。そのうち「有明」10本については、武蔵塚発着を新設した。新幹線連絡特急として生まれ変わる「リレーつばめ」については、下り2本、上り1本は熊本駅発着とした。線区別では、土・日・休日の三角線熊本〜三角にトイレ付きの臨時快速列車を1往復運転する。豊肥線熊本〜肥後大津の午前6時台に下りの普通列車を1本増発する。半面、利用者が少ない鹿児島本線玉名〜大牟田間の2往復と、三角線熊本〜三角間の1往復、肥薩線八代〜白石間の3往復を減らす。また、熊本工大前駅(鹿児島本線:上熊本〜西里間)を「崇城大学前駅」に改称する。
●JR九州、特急「なは」区間短縮、特急「ドリームつばめ」廃止へ(12/13.1/21)
JR九州は、現在新大阪〜西鹿児島間で運転している寝台特急「なは」について、熊本〜西鹿児島間は廃止し、新大阪〜熊本間で運転、愛称もそのままにすると発表した。また、西鹿児島〜博多間の夜行特急の「ドリームつばめ」も熊本止まりになり、特急「有明」と名称変更する。「なは」は、昭和43年3月、当時は昼間の特急列車として運行開始、沖縄の日本復帰への願いを込めて命名された。昭和50年3月に寝台特急としてリニューアルされ、昨年度の年間利用者数は約3万3000人だった。「ドリームつばめ」は平成5年3月、寝台車両付き急行「かいもん」を夜行特急に格上げし、西鹿児島〜博多間で運行を開始。西鹿児島を午後11時45分に発車、博多に翌日午前5時54分に到着し、同日午前0時6分の博多発(午前5時54分西鹿児島着)を利用すると約18時間12分の滞在が可能とあって、昨年度は1日175人、年間で6万4000人が利用した。来春のダイヤ改正後は、新幹線とリレーつばめを乗り換えて熊本から「なは」を利用することは可能なものの、鹿児島中央発で「有明」に連絡する列車は在来線を含めて存在しない。JR九州は「新幹線の開業で、今後の夜行利用者が激減すると予想しての改正」と説明している。これで鹿児島県に乗り入れる夜行急行・夜行特急・寝台特急はすべて廃止となる。
●JR東日本、04年ダイヤ改正概要発表(12/13)
JR東日本は、04年3月13日にダイヤ改正を実施することを発表した。
◆新幹線関係◆
・東北新幹線・
現在、東京〜盛岡間で運転している「やまびこ」23本を「はやて」タイプのE2系に置き換える。これにより、275㎞/h運転が可能になり下り「やまびこ」では、東京〜仙台間が従来より5分短縮の1:58で東京〜盛岡間が 9分短縮の3:18で結ぶ。東北新幹線では、禁煙車が「はやて」「やまびこ」の7両から8両に「こまち」の禁煙車は5両から6両に増える。
・上越新幹線・
上越新幹線熊谷〜高崎間に「本庄早稲田」駅が開業。本庄早稲田には、朝・夕を中心に下り26本・上り25本が停車する。東京〜本庄早稲田間では、従来より最短で49分で結ぶ。また「とき」(東京〜新潟)11往復を240Km/hで運転、「Maxたにがわ/とき」のうち、朝・夕の上下2往復が高崎駅で 分割・併合運転を実施。金曜日の利用の多い下り「Maxたにがわ477号」を16両編成に、週初めの利用の多い「たにがわ430号」を2階建て12両編成で運転する。
・長野新幹線・
安中榛名駅に「あさま」を上下12本を停車、軽井沢駅には夕方上下1本ずつ「あさま」の停車本数を増やす。
◆在来線◆
東北本線では、午前6時32分日詰発、同6時58分盛岡着の列車を新設する。花輪線では、午後2時13分好摩発、同2時37分松尾八幡平着と、同2時42分松尾八幡平発、同3時5分好摩着の2本は廃止される。午後6時38分大館発、同8時30分荒屋新町着の上り列車を盛岡まで運行する。 中央線では、新宿〜松本間の「あずさ」1往復を「スーパーあずさ」に、新宿〜甲府間の「かいじ」1往復を「あずさ」に変更、松本まで延伸運転を行う。 東海道本線関係では、「踊り子」1往復を「スーパービュー踊り子」に変更をする。また、横浜発の「成田エクスプレス」全列車を品川駅に停車させる。湘南・新宿ラインでは、大宮〜新宿〜成田空港間で「成田エクスプレス」を1往復増発、従来運転されていた「ウイングエクスプレス」は廃止される。常磐線では、混雑の激しい金曜日の夜間帯と土曜日の午前中に上野〜勝田間に特急「ウィークエンドフレッシュひたち」を増発する。土浦駅には、利用の多い「スーパーひたち」1往復を停車する他、「フレッシュひたち」の停車駅を一部変更する。
●JR東日本、200系引退へ(12/13)
JR東日本は、04年3月13日のダイヤ改正で、1982年の東北・上越新幹線開業当時から使用してきた白地に緑色の車両「200系」を、老朽化が進んだため新型車両に交換することを明らかにした。改正後の緑色の200系は、車両検査期限に余裕のある一部が臨時列車用として残るが、この寿命も長くない見通し。200系は、82年6月23日の東北新幹線開業時にデビュー。横帯状に緑色に塗った外観から、「緑の疾風(はやて)」と呼ばれ長年親しまれてきた。しかし、開業から15年以上を経て車体や電気系統の老朽化が進行。最高速度も200系の240キロを上回る275キロ仕様の新車が主流となったため、JR東日本は98年から200系の解体作業を進めていた。(河北新報より)
●JR西日本、04年3月13日ダイヤ改正概要発表(12/13.18)
・金沢支社・
上越新幹線「とき」の速度アップに伴い、新幹線と特急「はくたか」を利用した場合、東京〜富山間が平均5分短縮、3:20台に東京〜金沢間が5分短縮の4:02で結ばれる。糸魚川駅では、はくたかの変更と特急「北越」の長岡駅での接続の改善を実施する。また、はくたか5号の糸魚川停車にあわせ、高岡7:54→入善8:08の普通列車を糸魚川まで延伸運転を行う。七尾線では、北陸本線の通勤特急「おはようエクスプレス」を七尾〜金沢間で運転を開始する。
・広島支社・
広島〜向洋間に「天神川」駅が開業、呉・山陽本線の普通列車263本が停車する。また、午後6時〜7時の通勤ラッシュ時に広島〜岩国間の快速「通勤ライナー」を4本増発、これまで通過していた新井口駅に停車させる。午後6時〜8時までの快速列車を15分間隔の分かりやすい発時刻に統一する。また、山口線の新山口〜山口間に快速列車を新設、午前10時〜午後3時台に上下6本(計12本)を設定、従来より7分短縮する。更に利用客の少ない芸備線・宇部線・山口線の朝の列車を休日運休する。
●JR九州、「つばめ」2枚きっぷ料金発表(12/18)
JR九州は、九州新幹線の特急回数券「つばめ2枚きっぷ」の料金を発表した。鹿児島中央〜福岡市内(新八代で在来線特急に接続)は指定席で片道あたり7800円、鹿児島中央〜熊本間は5800円とした。有効期間1カ月で、04年2月13日発売する。鹿児島中央〜福岡市内は通常料金からの割引率が17.2%。現行の特急回数券の2枚・4枚きっぷより2800〜3300円高くなる。JR九州は、飛行機など他の交通機関との競争を意識して戦略的な料金を設定。「現在の所要時間は高速バスに近いが、約1時間半短くなる新幹線では航空料金を意識した」と説明している。一方、鹿児島中央〜熊本間は「所要時間で高速バスとはっきり差がつく」とし、割引率8.7%の強気の設定となった。主要都市間以外では、川内〜出水間(自由席で片道あたり2100円)などに2枚きっぷを設定。時間短縮効果が小さい出水〜新水俣間(同1000円)は割引率を広げ、現行との差があまりない料金とした。ライバルの交通機関がない川内・出水、熊本・博多を結ぶ区間は割引きっぷを設定しなかった。川内〜博多の指定席通常料金(片道8100円)は、鹿児島中央〜福岡市内の2枚きっぷより割高になる。現在、鹿児島〜福岡間をJRで移動するのは1日約5200人。石原社長は、記者会見で「新幹線開業を機に7000人近くまで増やしたい。利用状況次第で(割引率の大きい)4枚きっぷを検討することもありうる」と述べた。
●JR九州、在来線に新料金設定へ(12/18)
JR九州は、04年3月13日のダイヤ改正に伴う特急や観光列車の新料金も併せて発表した。国分、霧島方面には現在より安い特急料金を設定、増便と合わせて航空利用客の取り込みを図る。特急「きりしま」の自由席特急料金は鹿児島中央〜国分間が300円、霧島神宮までが500円。新設する特急「はやとの風」の同料金は鹿児島中央〜吉松間が500円とする。JR九州の自由席特急料金は50キロまで一律600円とされ、今回の料金は特例的。国分地区や大隅半島から福岡に向かう客は飛行機や高速バスを使うケースが多いため、戦略的な料金設定で新幹線への誘導を図る。指宿方面への快速「なのはなDX」観光用車両の座席指定は500円(閑散期は300円)に設定した。
●JR九州、新幹線定期券料金発表(12/18)
JR九州は、九州新幹線の定期券「つばめエクセルパス」の料金を発表した。時間短縮効果を生かし、現在の特急定期券の倍の利用者を見込んでいる。 鹿児島中央〜川内間は、通勤用1カ月定期が4万8580円、通学用が3万5650円で、いずれも現行より5650円高い。鹿児島中央〜出水間は、通勤用が7万3440円で現行より980円高、通学用は4万3710円で1500円高となった。
●日本旅行、特急「富士」「はやぶさ」を西鹿児島発着でリバイバル運転へ(12/26)
日本旅行鹿児島支社は、九州新幹線の開業で西鹿児島駅が鹿児島中央駅に名称変更することを記念し、かつて西鹿児島と東京を結んでいた寝台特急「富士」「はやぶさ」のリバイバル運転をすることを決めた。九州での国鉄復活色の運転はあるが、列車のリバイバル運転は00年8月の特急「はと」(新大阪〜博多間)のリバイバル運転以来となる。西鹿児島までの走行は、特急「はやぶさ」は約5年ぶりに、特急「富士」は実に約24年ぶりとなる。はやぶさが、04年2月28日〜29日にかけて、富士が04年2月29日〜3月1日にかけて。第1日目のはやぶさは、西鹿児島〜品川間で運転され、午前11時50分頃西鹿児島を出発、川内・出水・水俣・八代・熊本・門司・下関に停車、翌朝9時31分に品川駅に停車する。第2日目の富士は、品川〜西鹿児島間で運転され、午後6時50分に品川を出発、下関・門司・宮崎・都城・隼人・鹿児島に停車、翌晩8時10分に西鹿児島に到着する。乗車された方には、オリジナル鉄道グッズやオリジナルオレンジカード、記念乗車票兼や西鹿児島駅直筆の乗車証明書プレゼントがプレゼントされる。また、運転当時の往年のヘッドマークを取り付けて運転や、全区間ロビーカーの連結、そして今回特別に「なは」号で使用中の「ソロ」(1人用B個室寝台車)、「デュエット」(2人用B個室寝台車)も連結される。詳しくは、 日本旅行 まで。
●九州新幹線「つばめ」試乗会開催へ(12/27)
JR九州は、来年3月13日に暫定開業する、九州新幹線新八代〜鹿児島中央 間の800系「つばめ」の試乗会を来年2月28・29日と3月5日〜7日に開催することを決めた。熊本駅と西鹿児島コースの2コースが設定され、いずれも新幹線片道乗車+在来線を利用する。応募要領は、官製葉書・専用葉書かインターネットで代表者の郵便番号・住所・氏名・性別・電話番号・試乗希望日・試乗会の乗車希望駅・同伴者の氏名・性別・生年月日を記入の上、郵便番号812-8799 博多郵便局留めJR九州「九州新幹線つばめ一般試乗会応募係」宛まで。来年1月16日の消印のある物まで有効。(インターネットは当日24:00まで)詳しくは、 JR九州 まで

鉄道ニュース2003年7月号へ

戻る

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください