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石油系タンク車の仕分線_2番線
【タキ級:タキ50〜9900】

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タキ50形 タキ95

30トン積みガソリン専用タンク車です。 この形式は昭和4年から製造されましたが、当初リベット組立のタンクから、 昭和10年製からは溶接になり、寸法・形態も製造毎に変化していき、 戦後製で写真の姿に落着きました。そしてこれがタキ3000形 に続くわけです。台車はTR20。
新富士駅(根室本線)で車窓からタキ92を見てビックリし、旅程を急遽変更して翌々日 同駅を訪れ、感激しながら撮影した思い出があります。

1980.08

タキ100形 タキ128

昭和4年から終戦直後に製造された石油類専用30t積みタンク車で、タキ50形ガソリン専用車の石油版。 タキ50形やタサ700形と同様にタンクはリベット接合に始り、溶接構造に変るなど、時代と共に大きく変化 をしています。写真のタキ128は昭和24年汽車製で、TR24台車を履き、4本のタンクバンドなど、 構造も特徴的。写真は興浜南線の終点雄武(おむ)駅で、「形式タキ100」という若番形式に驚き、 雪の中、貨車入換えを転げ回って追っかけ、ターンテーブル上に落着いた所を撮影したもの。翌昭和55年度には 形式消滅しました。
1980.03
タキ1500形 タキ15251【第1種】

 戦後の代表的な石油類専用35t積タンク車です。戦後の製造ですが計画は戦争中から 行われました。昭和21〜42年もの長期にわたって、897両もの多数が各私有貨車メーカーで 製造、5両が他形式からの改造で本形式に編入されました。
 初期の車を除き、外観は戦後の標準で、平形台枠に普通鋼製の直円筒、ドーム付きタンク。 タンク内部には加熱管を備えています。 外観の変化は少ないものの、受け台や歩み板、標記位置などメーカーや時代で細かい変化を 探すのもマニアックで楽しいものです。 写真の車は昭和36年汽車会社製の第53番目のロットに当たり、受台側面が真っ直ぐなのが 特徴です。昭和36年10月13日スタンダードバキューム社所有清水常備として車籍編入 され、同年12月27日モービル石油所有になり、日陸所有を経て昭和45年10月20日日本石油輸送 郡山常備と流転しております。
ありふれたタンク車でしたが、貨車輸送の減少と老朽化で後継形式に追われ 数年前に形式消滅しました。
1980.08 西長岡

タキ3000形 タキ23003

戦後の代表的なガソリンタンク車です。戦前から続いていたタキ50形ガソリンタンク車の 後継形式で、1500両以上製造され、私有貨車の最高両数を記録しました。直円筒の 鉄製タンクにドームを持ち、タンク車の典型的なスタイルをしています。国鉄所有や、 駐留米軍の燃料輸送に用いられたり、韓国に渡った仲間もいます。写真の車は新三菱重工製で ドーム歩み板が左右上一枚一体のタイプです。昭和35年6月にタキ13496〜13499、23000〜23005と 共に製造され、徳山、浜川崎、本輪西に配備された内の1両。6月25日車籍編入で徳山駅常備でした。
撮影当時は珍しくもなく、 「このような代表形式も適当に撮っておかないと、気付いたら写真ナシ、になるわな」 と思いつつ撮ったものでしたが・・平成13年に全車廃車されました。

1981.03

タキ9650形 タキ9650【第1種】

フレームレス構造のタキ9900・9800形式数両の溶接部に故障が発見されたため、 点検補修の輪転用にガソリン専用タキ9550形と共に、増備した石油類(除ガソリン)専用 タンク車です。すでに"国鉄標準設計車"タキ35000形の開発が進んでいましたが、 登場が遅れた場合を考慮し、日本石油輸送と日車が協同で開発したものです。 タキ9900形に側梁を増設した、というより、C重油輸送用 タキ11000形の保温キセを除去した設計、ということです。タキ9550形はわずか2両でしたが、本形式は 試作ロット/タキ9650、9651に次いで20両が増備され合計22両に上りました。 平成5年に1両事故廃車以外ほぼ全車健在でしたが、急速に廃車が進み2004年度初残存1両となりました。
1993
タキ9900形 タキ9918 【第2種】

石油輸送の効率化のため、短い車長、軽い自重で多くのトン数を積む 要請の中、昭和37年、私有貨車界のトップを競っていた日車は初のフレームレス構造に、 タキ50000形で開発した中央部が太い「異径胴」タンク構造とを組合わせ、 初の35t積みガソリンタンク車を開発しました。当時多く存在した貨車メーカーも 参加し546両も量産され、タキ3000形の次世代のタンク車として活躍しました。【以上は再掲です】
写真の車は日車東京支店製の第3ロット/タキ9914-9927で昭和37年4月14日車籍編入。 社紋板・社名板が中央缶胴取付の他、ドーム上のリング状の 足掛けがない、初期形です。またこの9918はブレーキ側の車輪の上にスプラッシャー(泥よけ) 取付改造がされています。目的はヤード走行中において、回転する車輪が跳ね上げる 泥水から制動手を保護し、転落事故を防止するためかと推測しています。隅田川常備が嬉しいですね。
1989.04 汐見町

タキ9900形 タキ49986

タキ9900形は、現在でも関東や四日市付近に少数残って最後の活躍を しています。
本形式は、製造メーカーの特徴が顕著に出た最後の石油系タンク車といえます。 例えば、写真の川崎車輌製では、ドーム頂部扁平、吐出管ブラケットが 板構成(標準は平鋼のコ字形)、そして運転関係標記板が鉛直に取付け られていることで、識別可能です。車籍編入は昭和40年12月20日、新製時から JOT所有ですので、ドーム上の計量口はありません。台車はTR41Cでしたが TR209台車に履き替えられています。
2003.09 甲子(京葉臨海鉄道)
【形式概要をタキ9918に譲って内容を変更しました】


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