このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
『遠野旅行』遠野と聞き、皆様は何を思い浮かべるだろう。 「遠野って? ああ、藤田朋子が○○ちゃったトコでしょ? うん。知ってる、知ってる」 ややおっとりしたイメージが定着していた有名女優さんが突然のヌード写真集を出し、確かに私も当時は驚きもしました。すかさず「他に連想する言葉はないんかい!」と突っ込みを入れてしまった私ですが、実を言えばそんな自分も『遠野物語』を手にしたこすら無いんです。ただぼんやりと「民話の里らしいね」とか、ちょっとほの暗い和式の湿っぽい空間が思い起こされるだけなのでした。ひょっとして皆様もそうではありませんか。 そんなこんなで私は2泊3日の遠野旅行へと旅立ったのでございます。 |
確かに『遠野物語』を目にしたことは無いのですが、実は遠野を訪れるのはこれが初めてじゃあありません。学生時代に読んだことのある高橋克彦さんの「総門谷」という本をきっかけに、十数年前に遠野を訪れたのでした。伝奇SFとでも呼ぶのでしょうか。この月刊ムーの集大成とも呼べる小説のなかで、重要な舞台となるのが遠野に伝えられる民話であり、また遠野の北西に聳える早池峰山だったのです。 ちなみに遠野に伝わる民話のなかから、有名なものを少し紹介しておきます。
古より山伏信仰の対象となっている早池峰の山や、イマジネーションをかきたてられる民話の里である遠野。総門谷を執筆した作者も同じ岩手県の出身だったのです。 そんな事を思い出しつつ、最初の旅でお世話になった宿を、十数年ぶりに再び訪れてみようじゃありませんか。
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「すみません」 いきなりですが、先行き不安なスタートは宿の予約です。ちょっと電話が遠かったこともあって、なかなか思うよう宿のお婆さんとの会話が進みません。 「宿泊?」 もちろん「じみぃ」の部分には、私の本名を告げているのですが、通常に明瞭な通話状況であってすら、なかなか伝わりにくい苗字なのです。おかげでコミュニケーションは苦戦に苦戦を重ねてゆきます。 「じみのいさん?」 | |
一説によれば人の信念というのは岩をも通せるそうです。が、私はあっさりと本名を諦め「はい、そうです」。いいんです、このさいイエジムでもジミノイでも。同じ日にジリノさんという方が泊まられていないことだけを祈りつつ、会話を続けます。連絡先の確認が次に来る質問のはずです。 「はぁは・・・」 ほぅ〜、お婆ちゃん生きてた〜。即座に応答します。 「22」 そんなこんなで、何とか予約完了。 |
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