このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


3日目 〜納沙布を巡って〜

26.雨の根室,そして納沙布

「おはようございま〜す。いやぁW杯もそうですが、ここ札幌は快晴です〜」

ここ霧多布湿原は真っ白です。ラジオから流れるパーソナリティの言葉に、ついツッコミを入れる。霧である。今にも雨が降りそうな気配。

根室市街を越えた辺りからジャカジャカと降り始めた雨が、容赦なく我々(ワシ& MG-F 君)を襲い始める。案の定。そして更に追い討ちをかけるように、ラジオからはこんな声も聞こえていた。
「これから週末までは、曇りまたは雨の見通し」
う〜ん。この雨と霧だと、岬から北方領土を目にするのは難しいかも知れん。残念だ。

給油のタイミングで車の幌を閉め、タオルで室内の水滴を拭き取る。愛知の方だったろうか。ふとフェリーの中で交わした年輩の旅行者の言葉が思い出された。

「北海道って初めてなんですよ。梅雨が無いって聞いて、非常に楽しみにしてるんです」

今頃どこで、どうしているんだろう。札幌辺りだと天気良さそうだけどなぁ。


[雨が激しくなってきた]


[納沙布岬も白かった]

27.看板

根室市に入った辺りから、道沿いに立つ「北方領土返還」の文字が目に飛び込んでくる。

かわいいアシカ君や魚達が「返せ、返せ」と呼び掛けている看板だ。改めて地図を見ると、北方4島の1つ歯舞諸島は、納沙布岬の10キロ先というだけで、指呼の距離とは行かないまでも、非常に近い場所にある島々だ。
漁場問題は勿論だが、戦前まではそこで漁をして暮らしていた軒先きに、ある日突然異国の人々が住みつき、そのまま居続けている。今までニュース等で「北方領土=漁業権」という言葉だけの認識だったが、目の前にある存在が与える実感というのは、千葉と根室ではきっとかけ離れているのだろうな。

と言って、逆にアイヌの人々の土地を奪ってきたではないかと問われれば、それもそうなのかも知れない。段々とよく判らなくなってくる。納沙布岬は北海道最東端の地である。

28.コミュニケーションツール

「あんた寒く無いか?」
「ええ、寒いですよ〜、あはははは」

間抜けな会話である。
土産物屋のおっちゃんに話し掛けられ、つい笑顔で肯定していた。寒いよ。だって半袖だもの。

「俺なんて1ヶ月も半袖着ないね、1年のうち」

そんなモンなのだろうか。「この時期北海道では、半袖がコミュニケーションのきっかけ」。これが私が今回のドライブでつかんだ1つの法則である。おっちゃんの例によらず、半袖姿というだけで何度か話し掛けられる事になるのだ。

「俺なら知床半島(車で先っちょまでは行けない。道が無いのだ)へ向かって、羅臼からの山越えをお薦めするね。くねくねしてるけど、あそこは良いよ!」

おっちゃんの推薦が何故か嬉しい。しかし、ツラいな。スケジュール的に無理かも知れないんだ。おっちゃんゴメン。

29.野付半島

途中の別海町のほか弁屋で買ったハンバーグカレーをかき込みながら、再び地図を見る。う〜む。やっぱり羅臼はパスだな。その代わり、

「これ何だ?」

北海道の東に突き出た2本の角。根室半島と知床半島だ。その間に、良く見ると小さなトゲのような半島がある。長さ十数キロの野付半島。一番狭いところで、幅が何メートル(百メートルくらい?)という単位の地。うむ、これは行って見ねばなるまい。

スケジュールの都合で羅臼行き取りやめたのに、士別が遠いと知ってしまったのに。そんなこんなの旅路は続くのである。

 ⇒ ようこそ番外地


[両側が海!]


今回の旅のトップへ

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください