このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


【ナンバー考】
【ナンバー考】#1   とうとう、文具発注まで自分で行わなくてはならなくなった。   先月まで細々とした雑用をこなしてもらっていた女性が辞めてしまい、私自らが事務局   の窓口に並んだり、研究に必要な機器の発注手続きに追われたりと、研究そっちのけの   毎日を送っている。研究費カット問題の影響だ。結果的に人件費削減で難を逃れるた形   で継続した費用を獲得できたものの、このまま研究の成果も上げられないようでは、今   年末辺りには別の窓口に並ばざるを得なくなるやも知れない。   「たしかハローワークと今は言うようになったんだっけかな・・・」   行列に並んで壁に張られたはり紙に目を彷徨わせる己の姿を想像し、我知らずそんな台   詞が漏れる。   「ん?」   職探しの悪夢は隅に追いやっておこうと、計測機器部品発注伝票に目をやった瞬間の事   だ。私の中に疑問が生まれた。   「何だこりゃ?」   今まで何ゆえに気付かなかったんだろう。不思議だ。視線の先に映っていたものは、   「伝票 No. 8767 - XS800680078 計測パレット(数量:10ケ)」   No. って、やはり Number の事だよな。何故 Number を略して No. になるんだ?   Nu. じゃないぞ。   もはや私の頭の中からは、計測パレット10セットの発注など消え去っていた。   Number On の略か!.... いや、そんなはずないな。No.1 って記述するくらいなのだから。   何だ? No. って? [ 続く ]

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