このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
【対談:『自然と人類の共存の模索』】#3 「黒いって、あの競走馬や馬車馬につけられている?」 目の横に四角く象った黒いものの事だ。材質までは知らないが、たしか馬の視界を前方方向へ のみ向けさせ、左右からの情報をカットして疾走に集中させるものではないのか。 「はっ!まだそんな妄想にしがみついてるんですか」 なんと男は違うのだと言う。 「では何なんだ、あれは?」 「簡単です。誰が背中をむち打っているか気付かせないようにする為、ですよ」 2問目で早くも2度目の、はぁ? 「すまん、ちょっと専門的過ぎて分からなかったのだが・・・」 「考えても見て下さい。この世の中に背中やケツを鞭で叩かれて悦ぶ輩がおりますか? それとも馬の調教って、サドマゾのマゾにさせることなんですか?博士」 いや、確かに鞭打たれて気持ち良かろうはずはないが。 「いやいや、そんな・・・」 「それとも博士には他に説明できる話がありますか?」 「だから、あれは視界を前方に限定することによって」 「ノ〜ンノンノン。いいですか、馬は走るのが好きなんです」 それは良く聞く話だ。もっとも私自身馬らか直接聞いた話では無いが。 「もしあの目隠しがなければ、右行ったり左曲ったりしていたんでは、通常の荷馬ですら勤ま らないのではないですかな」 想像してみる。 背中いっぱいに朝採れた野菜を積んだ荷役の馬が、市場が開かれる町中に辿り着いた。会場ま ではまだすこしあるようだ。それにしても街の華やいだ雰囲気は田舎者には目の毒ばかりだ。 馬を連れているお爺さんも、思わずきょろきょろと左右に目をやってしまう。「うちのネコだ ったら、興味津々であちこち駆けずり回ってしまうだろうになぁ。ネコじゃなくて良かった」 うむ、確かに言う通りだ。 「でしょう? 馬は別に左右が見えようと見えまいと、走るのが好きなんですから、ほっとい たって走ります。イヤなのはお尻をぶたれることです!」 なるほど一理ある。 [ 続く ] |
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