このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


  【古事記考】
【古事記考】 <神代その1> 〜天地開闢から天の石屋戸まで〜 (1/3) 淤能碁呂島(おのごろじま)島で執り行われた婚姻の儀式もかなり楽しいものです。 立てられた柱の周囲を回るという形式で行われ、伊邪那岐は左から、反対に伊邪那美は右か らぐるりと巡り、出会ったところで声を掛け合います。2神はゆっくりと歩いてゆき、 「あら、いい男」 「おや、いい女」 ...他に良い科白はなかったのでしょうか。いえいえ、愛する者達に私の忠告など耳にも届き ません。こうしてめでたく2神は夫婦となりました。 ところで伊邪那岐・伊邪那美は兄妹なのですが、良かったのでしょうか。少し気になります。 さて、夫婦となった2神は、難関を乗り越えつつ日本の島嶼やその他に神々を産み落として 行きます。ばんばん、ばんばん産み続ける伊邪那美だったのですが、やがて彼女の身にひと つの危機が訪れるのです。 火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)という神を生んだ時のことでした。解説によれば、 物の焼けるにおいの神様なのだそうですが、この出産で伊邪那美は陰部に大火傷を負ってし まうのです。 火傷した身体的部位でもって、 「神様って、我々同様の出産メカニズムだったのか!?」 とか、 「いつの世も出産は大事業なのだ!」 等々感想疑問は数あれど、結局この火傷がもとで伊邪那美は亡くなってしまうのです。 愛する妻の最期に夫の伊邪那岐は怒り心頭、なんと火傷を負わした我が児 "火之迦具土神" を斬り殺すという暴挙に! 読んでいるこちらも、思わず息をのみます。何もそこまでしなくとも...。 家庭内暴力は昨今に限った話ではないのでしょう。ある意味で貴重な証言だと思われます。 先に進みましょう。伊邪那岐の旅は続きます。                               [
続く
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