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【古事記考】 <神代その1> 〜天地開闢から天の石屋戸まで〜 (3/3) 「あ〜あ、汚れちゃったよ〜」 命からがらこの世へ戻ってきた伊邪那岐くんは、そそくさと服を脱ぎ捨て、川に浸かり全身を 洗い始めます。流れに身を任せ、水面を浮いたり川底に潜ったり楽しそうに洗っています。 やがて濯ぐ左目からは天照大御神(あまてらすおおみかみ)が生まれ、同様に鼻を洗うと須佐 之男命(すさのをのみこと)が生まれました。 「おお!これは貴い子を得たぞ」 天照大御神は高天の原(たかまのはら:天上界)を治め、世界を明るく照らす神とし(それま では暗かったのでしょうか?)、須佐之男命は海原を司る神へと任じるのでした。 この須佐之男命の姿は雷神のように描かれており、八俣の大蛇(やまたのおろち)を後に倒す ほどの神様ですから、さも勇ましかったに違いありません...ところがどっこい、そうは問屋が 卸しません。 「お母ちゃんに会いたい。会いたい。いぃぃ〜」 なんと毎日を泣きぬれて過ごす有り様です。なんと情けない。そればかりか、 「ならばここは1つ、天照大御神にお願いしてみよう!」 母に会いたし嘆願のため、高天の原にいる天照大御神のもとへと向かいます。昇り来る須佐之男 命の姿に不安なものを感じたのでしょう。 「きっと何かしでかすに違いない」 疑心暗鬼の天照大御は、彼に訪問の意図を質しますが、 「ぜ〜んぜん、全然。心は清く明るく真直ぐだし、邪心の欠っ片もないよ。 母ちゃんのいる國へ行きたいだけなんだよう!」 しかし予感は適中します。 丁々発止のやりとりの末、天上界への立ち入りを許された須佐之男命だったのですが、いきなり 暴れます。その様たるや半端じゃありません。天照大御神が天の石屋戸(あまのいわやど)に隠 れてしまうエピソードを御存じの方は多いと思います。彼女は何故隠れてしまったのでしょう。 どうやら目前で繰り広げられる乱暴な須佐之男命の振る舞いに衝撃を受け、ついに石屋戸に引き 込もってしまったというのが、その真相のようです。(詳しくは後ほど述べられるでしょう) どのくらい酷い暴れようだったのでしょうか。御想像下さい。原文(訓み下し)にはこう書かれ ています。 『その大嘗を聞こしめす殿に屎(くそ)まき散らしき』 どんな言葉を尽くせばよいのでしょう。こともあろうに、彼は屎(くそ)をまき散らす暴れ様 なのです。他にも田畑を荒らすは、機織り娘の働く小屋に天井を突き破って馬の皮を投げ込む はと、それはそれはの悪行三昧。 遂に天照大御神は天の石屋戸に隠れ、世の中から光が失われてしまったのです...。 [ 古事記考へ戻る ] |
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