【古事記考】 ＜神代その２＞ 〜因幡の白兔ほか〜 (1/3) 神代のその他の主な話をしましょう。 大国主神（おおくにぬしのかみ）が海岸を歩いていて、皮をはがれた兔を見つける話です。 ちなみに古事記には「素兔」としか記されておらず、白いとはどこにも書いてありません。 まぁ、皮をはがれているのですから、白いかどうか分からなくて当たり前なんです。 ところで何故大国主神は海岸を歩いていたか御存じでしょうか。 実は、彼は兄弟の鞄持ちをしていたのです。 稻羽（いなば）に住む八上比賣（やがみひめ）を嫁さんにしようと、我先に彼女のところへ 向かう兄弟神達の鞄を持たされていたのです。しかし世の中は皮肉です。 重い荷物を背負いこみながらも倒れた兔を助けた事により、八上比賣は結婚相手として他の神々 ではなく、彼を選ぶのです。彼の心根の正しさに惹かれたのでしょう。 と、ここまでの話はおとぎ話で良くある話。めでたし、めでたしと終わるはずのエピソードな のですが、悲劇がこの後大国主神を襲います。 目当ての八上比賣を一番鈍くさいはずの大国主神が獲得した事で、兄弟達の怒りは抑えられま せん。ついに彼を罠にはめ殺してしまうのです。 何という事でしょう。でも大丈夫です。母親が見つけだし、なんとか生き返る事ができました。 よかったですね。が、なんと再び罠は張り巡らされ、大国主神は再び殺されてしまうのです。 ひとり連続殺神事件です。 ま、でも結局生きて帰ってくるんです。神様の世界での推理小説って流行りそうにありません。 何度でも生き返られては、名探偵も困ってしまいますからね。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[
続く
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