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【古事記考】 <神代その2> 〜因幡の白兔ほか〜 (3/3) 天照大御神のお孫さんは名を「天邇岐志國邇岐志天津日高日子番能邇邇藝命(あめにきしくににきし あまつひこひこほのににぎのみこと)」と言います。えらく長いです。 これは後の天皇にも共通して言えることなのですが、押し並べて皆さん、非常に手が早いです。 笠沙という地で美しい人を目にした「ひこひこ(省略)」さん。さっそく声を掛け「結婚しよう」と 口説き始めます。 「私の姉さんと一緒ならいいわ」 しかし「ひこひこ」さんは、とっても面食いだったのです。好みの妹だけを残し、姉を実家へ返して し契りを結びます。 これに対し娘の父親は言います。 「ああ、そんな振る舞いをされているようでは、子々孫々長生きできないことでしょう」 約束を違え、見目だけで人を選別するような真似をしていては、先が思い遣られる。そう言い父親の 気持ちを、我々は理解して余りまります。しかし、この瞬間から天皇家は代々短命と決めらてしまう のです。ただ短命と言っても、それは飽くまで神様との比較。100歳以上長生きした天皇は決して 少なくありません。 やがて妹さんは妊娠した事を「ひこひこ」さんに告げます。応えて彼は言い放ちます。 「そんな1回の契りでワシの子供だなんて信じられんわい!」 これを現代では「悪い男に引っ掛かった」と申します。 ここで引くわけにはいきません。 「もしも天の神様の子供なら、火の中でだって産まれるはず」 なんと小屋に火を放ち、その中での出産に挑みます。暴挙です。 いやはや、ダメダメの「ひこひこ」さんの方こそむしろ人間的とすら思えてきます。女って恐ろしい。 火の中で生まれた子の一人が、やがて海の中に住む鮫との間に子をなします。 そして、その子から生まれた、「ひこひこ」さんにとっての孫が初代天皇となってゆきます。 人と鮫とのクォーターにして初代天皇「神武天皇」から、古事記は人の世の記録へと移ります。 [ 古事記考へ戻る ] |
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