このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


  【時差考】
【時差考】#2 「と言う経緯で、結局人類が短時間で遠距離まで、すなわち高速での移動を行うようになってから  ですよね。時差って考えに気付いたのは」 たまたま休日に読んでいた本が、こんな時に役に立つとは。私は滔々と説明したのでした。 「ふぅ〜・・・ん。それまでは時差なんて考えられなかったのかな、近代のものなのか」 「まぁ、そうでしょうね。それまでは時差なんて考えが必要なほど、あっちに行ったりこっちに  行ったりなんて無かったでしょうし」 私の説明を聞いて博士も何か考えたようです。おもむろに口を開くと、 「話はそれるが、中世や江戸時代の人たちってどうやって時間を知ったんだろうな」 「やっぱ、寺院の鐘じゃないっすか?」 「そりゃ江戸とかの大きな町はそうだろうが、それ以外の中くらいの所なんかはどうしたんだろう」 「さぁ・・・」 何が引っ掛かっているのでしょうか。博士はしきりに首を捻りだしました。 「もしも国王が、時刻を国民や家臣達に伝達しようとしたら、どうしたらいい?  まず各人に時計を持たせる。これはダメだ。一人ひとりへの時計の普及など本当に近年の話だ。  では大きな建物などに備え付けるか。これはさっきの寺院の鐘にあたる方法だな。  しかし、それでも国土の隅々まで伝達するには無理があろう。  加えて『その時計の示している時刻の正確さ』を保証するものが無い。  権威あるところからの『時刻』の提示伝達がなければならない。  そうだよな」 まぁ、そうですね。 「となれば時刻の伝達という問題が出てきたわけだ。情報の伝達と言い換えてもいいだろう。  その当時の情報の伝達だと何が適当だろうか。光? 煙? 音?  やはり寺院の鐘の音を聞いて、そのまま伝える『音』の方式が妥当か。  中央の権威ある寺院(たとえばまだまだ高価だった時計がここははあるとする)の鐘の音を、  次の寺院、次の鐘堂へと、『聞いて、鳴らし』してゆけば、時間の伝達問題は可能になる」 その時、博士は小さく頷くとこう言い放ったのでした。 「なんだ、時差はもっと前から存在しているじゃないか」                               [
続く
]

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