このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


  【時差考】
【時差考】#3 横道にそれていた話が元に戻ってきたようです。 「え?どういうことですか」 「他の寺院の鐘の音を聞いて、それを他の場所へ伝えたとすると、そこに生まれているじゃないか。  時差が!」 「・・・え、いや、どうでしょう・・・」 咄嗟に納得できる説明ではありません。しかし博士は楽しそうに続けます。 「それどころか、有史以前から人類は時差を知っていた可能性が高いな、ふむ」 一体何が「ふむ」なのでしょう。 「博士、それはいくらなんでも遡りすぎでは・・・」 「例えば、すんご〜くよく喋るおばちゃんが居る。  人の話を聞いているかいないのか全く判断に困る、おもろいおばちゃんだ」 「おばちゃんですか・・・はぁ?」 先が見えません。 「そうだ。そんな彼女は次から次へと話を進めてゆくんだ。『御宅はそんなことない?』の問いかけ  にきちんと答えようとしても、『まぁでも何よね〜』もう次の話題へと移っている。  気付けばこっちの回答と、相手の話題が全くずれちまっている。  はたまた、友人達との楽しい閑談。誰もが忘れていた過ぎ去った話題に『ああ、それもあるね!』  とリアクションを返す友人。キミの周りにもいないか?  さして高度な文明なんか必要ない。時差を持つ人は周囲にいるもんだ、うむうむ」 有史以前からヒトは知っていたんだよ、時間の流れは万人一様ではないと。 たしかにおばちゃんでなくとも、やたらマイペースな人はいるわけで。かく言う私も友人から称号を 与えられているそうです。「King of マイペース」と。 「これにて証明終了。時差の発想なんて誰でも気付くものだったんだ。それが隣村との時刻の差を経験、  丸い地球の裏側が夜だって事に気付いた世界レベルの定義。それがいま時差って呼んでいるやつだな」 「はぁ。ところで博士」 この辺りが頃合いでしょうか、ようやく気になっていた質問をぶつけてみようと思います。 「夕焼け空って、何故赤いんでしょうね?」                               [
続く
]

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