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安中榛名2002年秋

3年ほど前の11月中旬に鉄道の旅に出かけたことがある。その時は、旧信越本線の碓氷峠と
アプト式時代の廃線跡を歩き、長野方面を経由して、篠ノ井線を経由して帰ってきた。「旅の連続
乗車券」のトップページにある乗車券はそのときのものである。それ以来、長野新幹線には乗った
ことがない。今回はその長野新幹線に乗って、日帰りの旅に出かけた。

今回の短い旅は東京駅から始まった。たとえ新幹線での短い旅と言っても
やはり旅情というものはあるような気がする。

東京駅の新幹線ホームには実にさまざまな新幹線列車が到着する。
一昔前(?)までは新幹線といえば、0系、100系、200系ぐらいだった
ものだが、こういうバラエティに富んだ新幹線もなかなかよいものだ
思った。

今日乗車する新幹線は「あさま505号」。安中榛名に停車する「あさま」は
割と少ない。9:12発。これを逃すとなんと信じられないことに、午後に
なってしまう。それまでに何本もの「あさま」はあるが、すべて安中榛名には
停車しないのだ。こう考えてみると、地方のローカル線並である・・・。
さて、その安中榛名とはどういうところなのか・・・。有名撮影地ではあるよう
だが、それだけ本数が少ない新幹線の駅とはどんなところなのだろうか、と
むしろ変な期待に変わってきた。

ほどなくして、「あさま550号」が長野より到着。これが折り返し、私の乗る
「あさま505号」となる。車内の清掃後、乗車。自由席であったが、ホーム
で待っている間から、並んでいる人は1〜3号車の自由席のどこも数人と
いう状況。長野や軽井沢といったところへ出かけるのなら、何もこの
すべての駅に止まる「あさま」に乗らなくてもよいわけだから、なんとなく
わかるような気もする。空いている列車はほっとする。

東京駅を出発した時点では、ごらんのような状況。ちょっと寂しい感じも
するが、これはこれでゆったりした旅ができてよいものだ。ただし、今回
は1時間あまりの短い列車の旅である。上野にまず停車。そして、大宮。
かなりの人が乗り込んできたが、席がすべて埋まるような状況には
ならなかった。

乗車券と特急券を窓ぎわに置き、写真におさめてみた。こんなことをする
気になったのも車内がゆったりしていたからだろう。
列車は熊谷、高崎と停車し、1時間ちょっとで安中榛名に到着。
「さて、どんなところだ?」とホームに降りると・・・なんと降りた客は
私を含めて3人だけ。「新幹線だよなぁ。これ・・・」なんか複雑な気持ちの
まま、ホームの階段を下り改札へ向かう。改札も自動改札で、駅員さんは
いるのだが、とりあえず、駅員さんに会うことはなく改札を通過。
駅弁でも買っていこうか、と売店によるが、どうも11時からの営業らしい。
仕方がないので、自動販売機で缶コーヒーとお茶を買って駅の外へ出る。

見事に何もない!住宅地の造成中のようだったが、現在は何もない。
店などはもちろん。建物すら何もない。朝、東京を出てからの曇り空
とひんやりした空気がいっそう寂しさを増長させた。
何もない道をテクテクと撮影ポイントに向かって歩き出す。だいたい、
こんなところを歩いていること自体なんか変な感じだった。
これが登山道的なところで何もないのならわかるのだが、人工的に
何もないのだ。あと数年すればすっかり様変わりしてしまうだろうが、
こういう景色を見たのも実に久しぶりという感じがした。

駅のロータリーを出たところで、駅を撮ってみる。幸い紅葉はまだ盛り
だった。それにしても寒い。今日は辛い撮影になりそうだ。

5分も歩くとポイントに到着した。新しく道路を作っているところの途中に
そのポイントはあった。ポイントである跨線橋を越えたところでその道路
も途切れていた。したがって、車がくることはない。
天気がいまひとつだが、紅葉はまだまだいけそうだった。

時刻表の表紙にもなった有名撮影地。だれがいるかと思ったが、誰も
いない。今、誰もいないということは車で来ない限りは午後まで誰も
来ないということ。ちょっと寂しい感じもしたが、ひとりでのんびりと
列車を撮影した。新幹線「あさま」が通過。速い。さすがに速い。
曇っていたので若干シャッタースピードを落としたが、在来線なら
十分撮れるシャッター速度でも流れてしまうようだ。

とりあえず、午前中の撮影を終え、駅へ戻る。目的は、温まること
である。(笑) 太陽が全然でないしおまけに冷たい風まで吹いて
きた。
駅へ戻ると先ほどの売店は営業していた。有名な「峠の釜飯」
などもあったが、とにかく暖かいものを食べたかったので、
そばを注文した。今日はとにかく売れない、と店主の方も嘆いて
おられた。確かに人が全然来ない。いつもならとっくに売り切れて
いる時間だそうだ。売り切れた場合は車で横川の「おぎのや」まで
取りに行くこともあるそうだ。

そばを食べて体も温まり、再び午前中のポイントに向け出発。
しかし、30分も経つとまた寒さが襲ってきた。先ほどよりも
さらに気温が下がったように感じる。そんな中何本かの列車を
撮影した。同じ場所でも色々と構図を変えると違った写真に
なるのが面白い。
2:30分をまわった頃に撮影を切り上げ駅へ戻る。

駅の自動券売機で乗車券、特急券を買い、ホームへあがる。
行きと同様、ホームには誰もいない。

安中榛名14:55発の「あさま554号」に乗り東京へ向かう。
この次の安中榛名発の「あさま」は16:07となる。
行きはあれほどがらがらだった車内もなぜか帰りはほとんどの
座席が埋まっている。やっとひとつの空席を見つけ腰をおろした。
どこへ行っても、それが列車だろうが飛行機だろうが、車だろうが
バスだろうが帰りは混んでいる。これは一体なぜなんだろうか・・・
そんな疑問を考えながら、列車は東京へ向け出発した。

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