このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

2日目:大都会東京を闊歩
3日目:念願の大井川鉄道見学!


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←「僕は今、煙突の掃除をしているんだ。」と声が聞こえてきそうだ。整備中のため、まだアンパンマンなどのキャラクターの人形が乗せられていない。

 東京での自由行動も無事に終え、いよいよ大井川鉄道を視察する日を迎えた。ここにはさまざまな旧国鉄、私鉄の旧型車両が今なお現役で活躍しており、それらを間近に見たり、乗車したりできるのだから非常にすばらしい。ファンにはたまらない鉄道だ。福岡の近くにあったら、しょっちゅう見にいけるのに新金谷駅に着いてさまざまな車両が留置してあるのが目に入ると会員たちはいっせいに歓声をあげた。特にSLは彼らには新鮮に映るらしくほとんどの者が初めてSLというものをなまで見たそうだ。その中でも「C11 227号機」を特別に改造した「SLマン」(マンガ“アンパンマン”に出てくるキャラクター)にご対面したとき、会員たちの感動のボルテージは最高潮に達したようだった。
 マニアの中には大事なSLを改造してはいけないと抗議してくる人もいるそうだが、私はこういう改造ものも単純に好きだ。そういう限定ものを見たりできるとマニアの中でも自分だけが貴重なものを見たような気分になり、ある意味でマニア魂が快感をおぼえる。あ〜私もすっかりマニアになってしまったのだろうか。同駅構内ではあらかじめアポイントを取っていたため、同鉄道部の久保田正弘さんが私たちを待っていてくださった。そして同駅構内をSLの信号・点検・保守作業の過程等について解説をしていただいた。そしてあの「SLマン」の運転台にもあがらせてくださった。この場を借りてお礼申し上げます。
 構内を見学しているとき、久保田さんに一番質問をしていたのが2年の宇野だった。入会2ケ月の宇野はこの日を機に、プラモデル部門から鉄道部門へと変身をとげたのである。ただ元々彼は鉄道が好きだった上に(ひいきは583系)、飛行機マニアであることには変わりなく、修学旅行のときに福岡空港の出発ロビーで私に機種の見分け方を解説してくれたそのマニアックぶりは飛行機をやめたというよりはむしろ、鉄道マニアにもなったというべきだろう。「ポケモン」でいえば進化したということだ。

0803.jpg←「SLマン列車」では客車も特別な塗装が施された

 新金谷からはその「SLマン」牽引の客車列車に乗車した。車内ではSLに関するアナウンスがあり、鉄道唱歌が流れ、「SL弁当」を食べた。この「SL弁当」だが1500円もして高いなと思ったが、食べてみてびっくり、とてもおいしいものであった。お米やおかずがおいしくて、静岡ならではのわさび漬けお茶は本場の味という感じだった。そして、しょうゆ入れがSLの形をしててマニアを喜ばせてくれる。

 列車は千頭駅に着いてSLともお別れし、ここから天井で頭を打ちそうなぐらい小さな井川線の列車に乗り換える。もともと井川線は中部電力が井川ダム建設のための資材や人夫を運ぶことを目的に引いた路線なので、車両を大きくする必要がなかったのだろう。また、山岳地帯に鉄道を敷くのに多くの経費がかけられなかったということもあっただろうか。修学旅行で黒部ダムに行ったとき、ダム建設の際に事故などで犠牲者が出たことを知って悲しみが胸に込み上げる思いをしたが、やはりここでも犠牲者が出たのではないだろうか、かなりの山岳地帯だ。

井川線車両スハフ7
(左)井川線の車両は私(身長166CM)と比べても小さいことがわかる
(右)マニア必見! スハフ7は個性的な車両だ

 川根両国駅で下車、同駅構内にある両国機関区を見学させていただいた。ここでは、同線の車両区の棚森敏郎さんに工場内を案内していただいた。ここで驚いたことは、同線の車両を部品ひとつから手作りしているという点だ。ちょうど私たちが訪れたときは、貨車(おそらく“トラ”と思われる)の土台を改造して客車を作っているところだった。また構内には初代の主力DLやマニアにはたまらないスハフ7などの珍しい車両も拝めた。私はあまり知識がないが、スハフ7を味のあるすてきな変わった車両だなあと思っていたら、それが見たくてここまでくるマニアがいることを聞いて、自分がますますマニアに近づいたことを確信した。このように今までの車両区等見学にない貴重な体験をさせてくださった棚森さんにこの場を借りてお礼申し上げます。
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 その後井川線で途中アプト区間を通って終点井川まで行った。井川線を訪れるまではこのアプト式線路や小さなそして変わった車両が井川線の魅力だと思っていたら魅力の最大はその雄大な車窓だった。大井川沿いの車窓は去年の「まごころ5」四国の四万十川沿いのそれにも負けないくらいのものだった。SLや旧型車両見たさに大井川鉄道を訪れる人の中には千頭駅で引き返す人もいるそうだ。大井川鉄道の真の魅力はこの井川線の車窓にあると言ってもいいのではないだろうか。きっとの季節には言葉を失うくらいなのだろう。「いつかは、家族を連れていきたいと思う日本の心の旅10選」に加えておこう。旅行前にはあまり喜ばないのではと心配していたプラモデル部門の生徒たちも充実した内容の大井川鉄道には満足してくれたようだった。



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