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| C5565号機(門司機関区) | |
| 1年ぶりの更新です。さて個人的な事ですが、どうしたものか?昨年の夏に15年連れ添った家族が突然他界してから、それ以降にも
いろんな災いに相次いで遭い、正直HPの更新まで手が回りませんでした。毎年恒例、正月の三が日の間はトップ頁の画像を変えてお
りましたが、今年は新年の挨拶さえもしなかった理由はそこにあります。無論、そんな状況でしたから、模型制作上でも特に進展が
なく今日まで至ってしまいましたが、何卒、ご容赦の程を宜しくお願いします。
それでは本題に入りましょう。我がしらさぎ鉄道ではスケール統一の為、結果的に余剰となったKATO製(1/140)の蒸気を処分する
為にヤフオク等で鉄道他社に売ってしまい、残すところ僅かとなりました。手元に残ったC57形式としては最後の1両として、今回
C5765を選択、KATOベースでは過去最高の仕上がりを心がけております。一般的には九州より北海道に人気が高いのですが、以前
にも諄いほど、自分は門デフ装備機が好みである為、あえて九州の蒸気でも「かもめ」牽引の経験もあるはえぬきのC5765号機とし
た次第です。プラ工作としての技法は既に確立されている為、特にこれといった特徴は無いのですが、その分細かな部分にまで手を
入れてみましたが...効果の程は如何ほどに?
種者ではキャブ側面の区表さしの位置等が異なる為、タヴァサのD51用エッチングパーツの表さしを用いて位置を変更、後はFデッキ
や給水温め器囲い上面に0.2mm厚のプラ版を更に薄くしたものを貼り付けた所が以前の作品よりも見新しいのですが、実は制作中で
は最大のポイントは“キャブ屋根の雨とい”。Nゲージでは単なる帯板もしくは丸棒で処理してしまうのに少し抵抗を感じていたので
誰もが先ず気にとめないであろうこの箇所の再現に拘ってみましたが、オークションでの反応はサッパリ。(^_^;)
そりゃそうでしょう。(笑)
「誰もこんな場所、気にとめないって!」...まぁまぁ、でも解っていてもやってみたかったんです。(^_^;)
ま、こんな箇所にも拘っているので、当然、他の部分もかなり作り込んでいますし、これまでに得た技法は全て注いであります。中で
も特別機特有の真鍮による装飾は模型では塗料による再現が一般的なのですが、某社の完成品をみてもお解りの通り、陳腐なイメージ
になってしまうのが常。そこで以前にC57117で採用した煙突部分の装飾に真鍮泊を巻き付ける(工作前に撮影した為、C57117の画
像には写っておりませんが)方法、そして他の目立つ真鍮装飾にも真鍮の地肌を生かす手法にて、塗料では得られない光沢を得る事に
しましたが、結果は上々。とても好ましい纏まりになったと思います。
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| | またこの65号機は通過曲線性能を落とさずに仕上げる目的も持たせていた為、泥ダメやキャブ下付近のデティールが下回りに干渉しそ
うな位置関係であっても実際には干渉しないようにしてあります。また個人の制作依頼品ではない為、オークションの多くの参加者に
も解りやすい様、ハンドレールやナンバープレートの突き出し量も幾分、目立つようにしてあります。それに各種の運転会でも耐えう
るデティールに留めてあります。それと画像では解りませんが、転属先のご希望により、下回りの砂撒き管とブレーキロッド等の追加
をしました。
特急牽引機として目立つトレインマーク、広島と下関、そして門司機関区のそれぞれデザインの異なる3種の「かもめ」マークが存在
するのですが、Nでは広島機関区や下関機関区のものしか発売されておらず、この点に関しては流用という事で妥協しようと考えてい
た処、偶然にも知人が展望車等に作成したマークに門司機関区デザインのものがあった為、幸いにもこれをベースに少し手を加えるだ
けで解決出来ました。
先台車につく排障器について、接着剤だけでの固定では、すぐ取れてしまうと思うのでフレームにタップを切ってビス止めによる固定
をして容易に取れないようにしてあります。走行性を重んじた為、排障器の位置が高い(自分がこれまで手がけた中で最も高い)ので
すが、その為もあってか、ビスの頭は前端梁に隠れてしまうので、お薦め工作です。一般的な鉄道模型用としては最も小さいM1.4ビス
を使用しているので、タップを切る場合の下穴を1.1mm、タップを使わない場合、1.25mm位の下穴を開けて直接M1.4ビスをねじ込
んで(曲がらないように垂直に心がける事)O.K! 尚、タップを使わない場合、ビスは新品を使った方が宜しいかと思います。
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| | 今回、この車両の仕上げには九州独自の蒸気の色を再現するにあたり、軽いウェザリングを施そうとも考えていたのですが、天賞堂の
ブラス製品のNゲージにみられるようなイメージの仕上がりも考慮して栄作していた為、先ずウェザリングを施さないで様子見した処
お召しや特別装飾機には、うかつな汚しが出来ませんので一切ウェザリングを施しませんでした。但し、お召し機として制作した117
とは色つやを変えてあり、艶のない分、しっくりと落ち着いたイメージになっています。まぁ、お召し列車とは異なり特急列車は一般
人も乗り合わせるので、こんな感じで宜しいかと。
そうそう、昨年に発売されたクレオスの新メタリックカラー(高額です)を試験的に使ってみた処、とても良好でしたので、この車両
にも採用してみました。なかでも真鍮装飾部分が実際の真鍮の地肌なので、シリンダーブロック側面の色差し、複式コンプレッサーや
給水ポンプの小さな装飾にはこの塗料を用いた為、従来の塗料よりも他の箇所と質感による差違が少なくなったと思います。
尚、実は、今回の車両には...オークションの画像や説明に一切記さなかった(巷で流行の)シークレット(笑)が存在していました。
それが、この自作のコンビネーションロッド(合併テコ)です。これと同じ構造の自作品は99年に仕上げたC6230に初めて装備した
のですが、C6230では非公式側だけがバルブギアに干渉してしまった為、結果的にはこれを取り外してキットに付属する部品で妥協し
てしまった経緯があります。工作にはとてもシビアなものが要求されますし、折角、労をして作り込んだとしてもロッドが動かないと
なれば愚の骨頂〜それ以降、自分の中ではトラウマとなってしまい、その他の工作を作り込んだとしても合併テコの自作だけは避けて
来た場所。
この合併テコに関しては、専門誌で紹介されている技法としては、今日まで帯板をクランク状に曲げたものや下部のユニオンリンクと
の結合部を二股にしたもの等々、私のみならず他の方々も大変苦労されているようですが、今日ではNとは言え、HO水準にまで作り込
まれた作品も多くなり、そんな上回りに対して下回りも無視できない程になって来ました。これは当機関庫にも大きな課題でして「い
つかは越さねばならぬ大きな壁」には違いないのですが、上回りだけが仕上がってから2年近く?ほったらかしのC623には必修項目
でもあり、のんびりと悠長に「いつか...」なんて言ってもいられません。そこで「よっこらしょ(笑)」と重い腰をあげて以前にボツ
になった試作での反省をまえ、新たな方法を見出して試作品を幾つか制作した処、なんとかまとめる事が出来たので、このC5765に初
の採用となりました。この制作方法は「C5765 PART2」にて報告します。
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