このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

157系 東海型ベースの特急電車
157系 レストアバージョン
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例によってフィクションを交えた能書を書かせていただいた上で、今回製作した”157系レストアバージョン”を紹介させて頂き
ます。
上記の能書、および上の画像のとおり、今回は、かつての157系特急「あまぎ」を再現したく着手しましたが、いつものとおり、
当社風にアレンジ?しています。
最大の特徴は、オリジナルの特徴である、Mc+M'+Ts+Ts+T+M’+Mcの編成を、Tc’+M’+M+Ts+M’+M+Tcとした
ことにあります。
個人的にMc+M’が上り下り双方向に向いて編成されていることが気に入らなかったことと、185系と同様の10輌編成に組成
したかったことから、いっそのこと、フリーランスにした、というわけです。もちろん特急色と「あまぎ」の愛称版の組み合わせは
再現したく、”レストアバージョン”としたわけです。
車体は、小高のペーパーキットです。客扉の窓サイズなど疑問点もありますが、ほぼストレートに組みました。上の画像は
Mとしてサハ157キット、M'としてモハ156キットを組んだものです。床下機器も小高の101系のものですが、黒色に塗ると、
ディテールの表現もあいまって結構らしく見えます。台車は日光とし、M’にパワートラックを1つ組み込んでいます。また、今回
は、M+M’ユニットを2つ製作しましたが、双方のM’にパワートラックを1つ組み込んでいます。
屋上機器は、上記の想定どおり、本来はAU12クーラーを積んでいたものを、Mは165系廃車発生品であるAU13、M’は同じく
AU72を再用したとして、それぞれを搭載しています。M’のパンタと配管は、現在波動輸送用として田町に居る189系を参考に
アレンジしています。
157系は、1958年の東北・日光線の電化を受け、1959年から同線の準急「日光」に投入された車輌として有名である。
先に開発された153系をベースに、国際観光都市 日光への旅客輸送のためや、競合する東武鉄道のロマンスカーへの
対抗、などの目的から、性能的には153系でありながら、内装は151系「こだま」に準じた特急電車のそれを持つ車輌として
1959〜1960年にかけ製造された。また同系列には、貴賓車クロ157がある。1963年には冷房改造されている。
やがて、157系はその内装が特急仕様であることから、東海道の特急「ひびき」や、「こだま」用の151系が事故等で充当車輌
に不足が生じた際のピンチヒッターとしても用いられた。それらはやがて、新幹線の開通に伴い運用が縮小されたが、急行「伊豆」
の運用を経由して、153系「伊豆」との運用を分けるべく、1969年には「あまぎ」として再び東海道線の特急電車として運用された。
その他157系は、1968年から信越線の臨時特急「そよかぜ」や、1971年からは、吾妻線の「白根」にも用いられている。
しかし157系は、一段下降窓を採用したことから、そこからの雨水の進入による車体腐食が激しく、1976年には全車運用から
撤退、クロ157牽引用2ユニットを残し、廃車された。また残存2ユニットについても、その後クロの牽引を183系に譲り廃車
された。
今回、当社はこの157系のレストアを受注した。東海型マスクを製造する当社において157系は、153系の親戚すじの設計
による電車であること、また長期にわたり愛称をかえつつも地元の優等列車として運用されたことからそのレストアについては
積極的に取り組んだ。
但し、157系オリジナルの性能では、現在運用されている185系「踊り子」と比べ劣ることから、廃車された165系の足回りを
活用して性能向上も図り、185系と並んで「踊り子」と同じ区間を同系列と共通に運用できるものとし、往年の「あまぎ」として
運用できるように改装した。また冷房装置も165系のものを用い、メンテナンス上の手間を低減させることとした。
今回は、サロを含む7輌であるが、最終的にはサロ2輌を含む10輌編成1編成をレストアし、185系「踊り子」と共通運用できる
ことを目指している。
上の画像のとおり、先頭車はクハとし、上り向きと下り向きで車体のジャンパ栓の作りわけをしています。
ちなみに、クハの台車も動力者と一緒で165系の廃車発生品を再用するとしてTR69(M車はDT32)を履いていま
すが、TR69は小高のパーツを使用しています。画像を見てその雰囲気はいかがでしょう?決してディテールは
甘くなく、価格とあいまって比較的良いパーツと思います。
元々乗務員扉と客扉との間はMGが搭載されていた機器室でしたが、外部ハッチも、今回のレストアで埋めたとし、
ツライチのままです。
サロは、今回の製作で最もオリジナルの形状を残したほうのものです。最も冷房装置は上記のとおりAU12に代え
てAU13を搭載しています。それ以外は、小高のサロ157キットをそのまま組んでいます。また、この車輌の台車は
ジャンクボックスの中から、カツミのTR69を使用しています。

以上の7輌に共通の仕様は、床下機器は、M+M’に上記のとおり小高のプラ製床下機器ユニットを使用したほか、
クハ、サハはカツミのクハ111ほか用のプラ製床下機器ユニットを使用しています。
連結器は、先頭はエンドウの稼働式密着自動連結器を用い、中間はカツミのドローバーです。先頭のスカートは、
やはり小高の153系用を用い、165系の足回りを再用した、との想定にあわせています。
塗装は、GMの特急用赤とクリーム。屋根は自動車用塗料のシリーズのサーフェイサーです。結構ざらつき感が表現
できます。
また、窓セルは緑の色のついたものを用いていますが、これ、文具店で売っている”クリアファイル”です!

最初の画像のとおり、先頭車には今回作りたかった表情を表すため、エンドウ製の愛称板を購入し、「あまぎ」を貼り付
けています。
今回のレストアにおいて、基本設計から大きく変更したのは、電動車をオリジナルのMc+M’からM+M’とし、先頭車はクハ化
したことである。これは、157系の動力者ユニットが両栓構造だったのを、メンテナンスの効率化を考え上り下りの方向を固定する
ための処置である。従来のクモハ157はクハとし、上り方向と下り方向で仕様を分けた。車体としては従来のサハをモハ化し、
オリジナルのモハ156と組み合わせた。
また、冷房装置等も廃車した165系のものを活用し、メンテナンスの効率化を図った。また冷房装置の更新による能力アップに
伴い、本系列の最大の弱点であった一段下降窓を151系以降の特急車と同様の固定窓とし、あわせて車体の延命措置を行い、
今後長期の使用に耐える車体によみがえらせた。
今回の製作分は、左のとおり、クハ2輌、モハユニット
2つとサロ1輌です。
が、あと、小高のキットでモハ156、サハ157、サロ157
が各1輌ずつあります。これらも組んで、この7輌とあわせ、
10輌編成に組成して完成としたいと思っています。

当社は東海型の電車を製作していますが、やはり特急車輌
は作りたいと思っていました。しかし、181系や485系を作る
ことには抵抗があり、改めて157系について調べてみると、
まさに東海型153系の車体断面と同じで車内装備は151系
なみである、という内容から即製作を決定した次第です。

また、近年はエンドウの完成品や、フェニックス−KSのキット
もデリバリされましたが、案外製作頻度の少ない車種であり、
その点からも製作意欲をそそられました。

というわけで、追々残り3輌も製作し、当社オーナーのフィク
ションの世界では、今も伊豆急下田行き特急「あまぎ」が、
「踊り子」とともに走っているのです・・・・・・・

2007年11月11日 竣工
                               − 終わり −

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