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 北陸本線ローカル用として、かつての475系急行型を基に製造された413系。西湘車輌の製作工程の詳細をこの車輌の製造を通じてご紹介します。
413系 交直流近郊型

◇ 413系

1975年代に推進された電車急行削減に伴い、直流のみならず、交直流急行型も、ローカル運用への転用が進められた。
その後、
経年劣化の激しい初期の451、471系の置き換えを行う際に、417系を基本とした車体を新造し、電気系、台車、空調装置等は流用する形での新造車が企画された。
そこで1985年に新造され、北陸線系統に投入されたのが、413系である。東北、九州では、交流区間のみの運用となることから、直流機器を省略し、717系を名乗ったが、北陸線系統では、隣接する直流区間への乗り入れ運用の設定が考えられ、交直流電車として製造された。
JR化後も、北陸線系統に残った471、475系は、すべて413系に改造する予定であったが、さらにコスト削減を推進すべく、改造はわずかにとどまり、その後は、車体の大幅な更新作業により延命が図られている。
と、いうわけで、ようやく完成しました、というより強制的に竣工させました。
理由はいろいろありますが、ともかく、下地処理、塗装など、ペーパーモデルの基本、また、出来具合の視点となるところについて、全くうまくいかなかった次第です。
しかし、せめて車体のすそ位置を3輌ともあわせたり、青帯の塗装時に、隣接する車輌との段差がないよう留意したり、等はなんとかなったようで、当社の完成基準である、「遠目で見て観賞に耐える車輌」としては完成できた?ようです。
今回の車輌の特徴は、
①ステップ付き2扉、②交直流屋上機器、③脱国鉄的外部塗装
といったところでしょうか。詳細は、下記の製作記を確認下さい。
ともかく、各画像のとおり、太い青帯と、細い青帯、そしてその間に生じる細い白帯(車体地色)の表現に苦労させられました。青帯の間に生じる細い白帯部分は、実物からみると模型寸法で0.5mm以下と思われますが、本車輌では、1mm幅としました。それでも、ところどころ幅が変動しています。
また、今回は前面オデコの処理をいい加減にした結果と思われますが、本塗装に入って、オデコに、ピンホールや、亀裂が生じていることに気づいてしまいました。サーフェイサーを噴いていた段階では発見できなかったもので、スプレー塗料の溶剤で”ひけ”が生じたのか、原因が良くわかりません。

失敗が多いのは当社のいつものことですが、ともかく、湘南だ、スカ色だ、の東海型とは趣きのことなる車輌が竣工したことは、当社にとってもエポックメイキングなニュースであり、当社社主も喜んでおります。
なお、本形式については、これまで掲載しました、製作過程を以下に改めて紹介します(掲載記事は変更ありません)。特段新規技術はありませんが、わずかでも皆様の参考(反面教師)になれば、幸いです。
2004年 1月4日
さて、製作法ですが、基本的には、当社の標準工法である、ペーパールーフ、コンパスの針によるスジ彫りに基づくディテール表現法等により進める予定ですが、一部改変した工法も含めご紹介します。
上の画像は、まずペーパールーフと側面を含めた車輌の展開図を作成し、切り出し、コの字に折り曲げ、癖をつけたのち、窓抜きを行います。さらに上の画像では、客扉を貼り付けた状態となっています。
本形式には、115系1000番台などと同様、大型の雪切室スリットがあります。今回、この表現については、①まず、スリットの外枠(漢字の”日”の形)を、普通の方眼紙等の薄い紙にケガキ、②それを切り出して、車体の所定場所に貼り付けます。③外枠の内側のスリットは、カッターで切り込みを入れ表現します。④ここまでできたところで、瞬間接着剤をしみこませ、紙のめくれ等を防ぎます。詳細は下画像もごらん下さい。
一方、ユニットサッシ枠は、通常窓の周りにコンパスの針でスジ彫りし、それで表現していましたが、今回、大型の雪切室を表現した方法と同様、事務用の薄い方眼紙を貼り、そこから窓抜きを行いました。
屋根一体の側面ができたところで、上右画像のとおり、3×3mmの角材および、ペーパー帯板により内側を補強し、一方妻面を切り出し、側面と組み合わせ箱状に組み立てます。
右上画像中の右側の車体は、先頭車になります。この状態では、車体の幅を決めるためのペーパー片を、運転台との仕切り風に取り付けています。もちろん反対側は、妻面となります。補強のペーパー、角材は側面より少し長めになっており、後に取り付ける運転台パーツの”のりしろ”となります。
また、屋根については、内側にペーパーを貼り付け補強しています。当初は、これにさらに角材を長手方向に貼り付けましたが、現在は、そこまで行っていません。しかし、十分な接着剤で貼り付け、乾燥前にアルミパイプで、曲げ癖をつけつつ屋根の内張りを圧着することで相当の強度が得られます。
なお、左上画像の屋根の黒く塗ったところは、交直流機器ののるところで、これから切り取り、別のペーパーでふたを行うことで、低屋根構造を表現します。
2004年 2月15日
よおっく
見ていただくと、真ん中のクモハに、前面がつきました。とりあえず、展開図切り出した前面パーツを折り曲げ、車体に取り付けた状態です。
オデコから屋根にいたる曲面については、くし状に切り込みをいれている、前面パーツ上部をこれから曲げ癖をつけつつ、屋根面につないでいきます。
ペーパールーフの屋根部分には、裏から補強のため、もう1枚ペーパーを貼っていますが、それを、やや前面側に延長し、屋根面と段差をつくり、かつ前面屋根部分との貼り付けののりしろとしています。
2004年 2月28日
クモハとクハに、
東海型の前面を取り付け、”オデコ”も大枠やすりがけしたところです。
今回の形式のハイライトは、モハ412のパンタ周りの低屋根部分です。

なお、前面についてはこれまでどおり、TMSの記事に掲載されていた東海型前面展開図を基に作成した型紙を用いています。前照灯は、シールドビームであることから小さい穴をあけています。
また、413系を含む、北陸スジの交直流東海型電車は、一部を除き前面行き先表示窓を埋めています。そこで今回は、完全に蓋をした状態とし、すなわち、窓を切り抜いていません。
低屋根構造の出来具合は、左の画像のとおりです。
ペーパールーフ構造を構築する当社の製造方法から、まず、通常の屋根構造で、車体を作成し、後に、低屋根部分となるところをカットし、開いた穴を別のペーパーで蓋をします。
一方、低屋根部分に存在する側面の通風孔は、画像では見づらいですが、右から2つめの窓の上に小型のものがあります。
外板をまず切り取り、そこに、断面が櫛状になるようペーパーを貼り重ねたパーツを作り、先にあけた穴に差し込むことで、スリット状の表現ができます。
2004年5月22日
久しぶりに、進捗報告です。
下の画像では、一気にディテールまで付いてしまっていますが、製作経過を説明します。
前回できた車体は、
サーフェイサーで紙の地肌を隠し、表面の平滑化を進めます。前面頭部の曲面は右下の図のように、数本の櫛状の紙が貼りあわされたような形で形成され、パテと瞬間接着剤を塗り重ね、削りだしています。そのほかの部分はサーフェイサー塗り、紙やすりでの磨きを2回行っています。
当社のもう1つの特徴的製作法として、画像のように屋上のパーツを塗装前にすべて取り付けてしまうことをご紹介します。
当然ながら、クーラー等は塗りわけしません。完成は、工場出たての状態ではなく、ある程度使いこまれた状態を考えていますので、屋根上が均質に汚れた雰囲気を、一色のやや濃い目の灰色でデフォルメ表現しているわけです。
また、パーツを取り付けて、後サーフェイサーも塗ります。これで、金属パーツでもプラ用の缶スプレーが使用できます。
右および右上図のとおり、交直流車独特の屋上機器をとりつけています。今回は、カツミの485系パーツを用い、413系として必要なものを配置しました。さらに母線等の配管も考えられますが、これだけの機器が植わっていてにぎやかなので、配管は省略です。
今回はここまでですが、車体に関しては、これで工作ははぼ終了です。先に記載したとおり、あとは最終のサーフェイサー噴きと、1000番の紙やすりとティッシュペーパーでの磨きだしで終了です。
次回は当然、足周りの工作になりますが、実は、まだ床板も切り出していません・・・・・・・
2004年7月10日
梅雨が終わらず、
まだ塗装ができません。とはいえ、床板を切り出し、床下機器やスカートを取り付けました。
床下機器は、カツミの475系(Mc、Tc)、403系(M’)をそれぞれ奮発しました。動力は、パワートラックをMcに装着予定です。
ディーテールは
当社の他車の例にもれず、適宜省略・アレンジしています。
というところで、この413系の組立てはこれで完了です。
いよいよ塗装です。が、この車輌の青帯、非常に細い帯と太目の帯との間に、また、きわめて細い隙間があります。青帯に関しては、2度のマスキングを含め、2段階で行う必要がありそうです
2004年8月8日
梅雨は終わりましたが、
塗装作業は亀の動きです。
413系は、当初は赤(特急の窓周りの色)に白帯を窓下に巻いていましたが、今は白に近いクリーム色地に少し水色っぽい青の帯を巻いています。さらに青帯は極細の地色を挟んで細い帯と太い帯から構成されています。ご興味ありましたら実物誌をご覧下さい。また475系や419系(581系改造)も同色です。
そこで、
まず車体全体は、いろいろ考えたあげく、新幹線クリームである白色を塗りました。そして青帯は、小田急と同じ青色を選んでいます。
で、今回ですが、上の画像のとおり細帯まで塗りました。これからさらに極細の白地を残し、窓下に太めの青帯を塗装表現しますが、今回の塗装を十分乾かし、その上からマスキングを重ねて塗装することになります。
しかし、相変わらず、マスキングは難しい!特にドアの段差や、マスキングテープの継ぎ足しで重なったところに塗料が回り、縦に塗料が伸びています・・・・・きらいだ・・・・・
次回は、この青帯の上に太めの帯を塗ります。その他屋根を塗って、一応塗装は完了し、Hゴム等の色いれを行うと、車体は完成です。
2004年9月15日
細かなマスキングは大変ですが、
もう1本の帯を塗装しました。
ご覧のとおり、正面はデコボコが多く、マスキングが大変でした。ちょっと見た感じは綺麗なようですが、近くによって見ないでくれ、と製作者は嘆いております。
追って屋根を塗りましたが、これは、グンゼのMrカラー:No32
日本海軍等軍艦色、という色で、結構汚れた濃い灰色を表現するにはちょうど良い色と思い、特に、旧型国電の屋根に塗っていますが、今回、これを用いました。
あとは、Hゴム、窓枠等を付け、動力を搭載すれば完成になります。細かく見ると、あちこち塗装に問題が多く、また、下地処理の悪さも目立ってしまっています。しかし、もうここで、下手に修正しても、収拾できません。このまま完成させます。

2004年10月10日
車体関係の残りの作業は、
窓セルの貼り付けです。その前に、アルミサッシの窓枠、Hゴムの表現を行います。
Hゴムは、ペイントマーカーで表現します。最近”ガンダムマーカー”なるものが、雑誌で見受けられますが、当社はまだ使ったことがありません。当社は、三菱製を用いています。
窓サッシは、普通紙の方眼紙を基に、切りだし、ペイントマーカーで銀色に塗った後、窓に貼り付けています。その後に窓セルを貼り、車体は完成です。
なお、台車は今回、日光のDT32、TR69を採用しました。

というわけで、本ページの最初の画像のとおり、完成させました。   このページの最初 にもどる。

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