このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

サイドワークⅢ (縁で始めた気動車製造)
旧 国鉄型 気動車
西湘車輌は、本来東海型マスクのメーカーですが、実は、オーナーが秘匿している、ある製作部門では、気分転換に違う
マスクの電車も作っています。
当社は、基本的に電車の車輌メーカーですが、今回、当社オーナーは、”気動車の競作企画”に参加表明してしまいました。
さすがに、エンジンを搭載した車輌については、未知の部分が多く、各部署は当初参加に反対したのでしたが、
オーナーの浮気心はディーゼルカーにも及んでいたらしく、結局、オーナー勅命により、気動車製造部門を急遽起こして
対応することになりました。
旧国鉄型気動車は、最終的にはキハ58系、キハ47系など、車体幅を拡幅したタイプに集約されましたが、当社は、
東海型電車以外で、”あの”裾絞り車輌”を創りたくはありませんでした。
しかし今回は、競作のお題が、キハ55系列である、とのことから着手したわけですが、題材が昨年のクモハユニと一緒で、
片運車輌だったので、そこは当社のモットーとして編成単位で製造し商品化するべく、他の車輌も製造したのでした。
製作車輌カタログtop
このページのtopへ
製作車輌カタログtop

と、まあ、例によって現代にキハ55系を製造するためのストーリーを語ったうえで、競作のお題であるキハ26 400
を製作することのモチベーションを高めていったのでした。
当時たまたまオークションで、いさみやのキハ55 100代のキットを確保できたこと、歌川模型のキハ55バス窓の型紙
も確保していたことも、競作参加を決定する要因となっています。
実は、昔の鉄道雑誌で、出雲坂根のスイッチバックを行くキハ55系急行「ちどり」の写真が強く印象に残っており、機会
があれば、模型化したいと考えていました。今回の競作もこのような心理背景があったため参加したわけですが、冷房化、
キロ28の編成への改造編入、というあたりは、キハ55系が現代も急行として運用する際のあるべき姿、というオーナーの
こだわりの産物です。

ともかく、上の写真のとおり、競作の題材である、キハ26 400は、なんとかストレートに組み立てました。赤の塗料は、
GMの缶スプレーにラインナップされておらず、ジェイズの塗料を利用しています。ちなみにクリームはGMの塗料です。
ちなみに、写真の右端にもう1つの顔が見えますが、これは、オークションで確保したロコモデルのキハ26 400キット
組み立て車輌を整備したものです。たまたま、貫通扉の窓位置が異なっていましたが、これだけで顔の幅が違うような
印象が生まれる(実際車体幅は同じですが)あたり、当たり前のことですが、デザインの妙であるところですね。
キハ55系は、1953年から量産されたキハ17系は、車体断面が小さく、優等列車への使用に際しては問題がある
とのことから、1956年に、当時の新造客車と同様の車体幅を持ち、軽量車体を採用して製造された。本系列の開発に
より、非電化区間の無煙化と優等列車への気動車の投入による高速度化が進展した。
しかし、地方線区の無煙化の急速な進展に伴い、1961年から車体幅を拡幅したキハ58系が開発されると、キハ55
系はローカル運用に転用されていった。
キハ55系気動車には、キハ55、26(2台エンジン、1台エンジン車)、優等車としてキロ25、キロハ25も存在し、優等
列車の気動車化を推進したが、キハ58系の進展に伴い、それらキロ、キロハはそれぞれキハ26 400番代、キハ26 
300番代に格下げされ、各地でさらに活躍した。

今回、キハ55系のレストア企画を受注した当社は、現在の座席環境を考慮して、キハ26 400代を中心に廃車輌を
を入手しようとした。しかし、実際に運用する際に、勾配線区への入線を可能とするためには、2台エンジン車の組み込み
も必要であることから、キハ55も編成に加えることとした。
また、現在冷房装置搭載は当然であるが、キハ55系は、1台エンジン車についても、冷房電源用エンジンの搭載スペース
がなく、改造が困難であることから、冷房電源用エンジンを搭載したキロ28も入手し、その車体幅をキハ55系にあわせた
車体に乗せ換えることで、編成としての冷房化を実現し、一方で編成美を確保した。
これらの要件、改造により、現代でも優等列車として利用できる、キハ55系編成のレストアを完成させた。
模型の仕様は、上回りは上の写真のとおり。また、
下周りは、左写真のとおりです。
床下機器、台車は日光製です。床板は、1mm厚の
白ボール紙(色紙のようなもの)を2枚張り合わせた
もので、紙の割りには強度もあり、加工もしやすいこと
から最近、用いるようになっています。
カプラーは、KATOの自連タイプを用いています。
一方、今回の競作で、またも登場させたフリーランスである、キロ28 2500代が上の写真です。(この時点では
つけてませんが、模型自体にはグリーンマークをつけています)
上記想定に基づき、小高模型のサロ152を基にキロ28に似せて窓割りを換えて製作しました。あえてキットを用いた
のは、他の車輌と素材の紙厚などの質感をあわせるためで、元来はペーパーで切り出せば簡単にできるものでした。
床下機器は、エンドウのキロ28冷房改造車用。台車は日光で、カプラーはKATOです。
右端にもう1輌の運転台が見えますが、これはキハ55 100代で、これもいさみやのキットをストレートに組んでいます。
過去のページでも紹介しましたが、今回の競作では、当初歌川模型のキハ55バス窓の型紙も、この機会に組立て
ようと考えました。しかし、車体が完成した時点で、そのまど寸法がおかしいことが判明しました。
実際は、窓回りが全体的に上方に偏って描かれていたことが原因であり、型紙段階でそれに気づいて調整すれば
まとめられたと思われますが、組み立てた車体は急行色に塗り分けた際に、他の車輌と塗りわけラインが合わない
ことから、今回は、一般色に塗り、格下げとしました。
今回の競作プロジェクトは、上の写真の編成の竣工により、完成としました。
改めて、左から、キハ26 401 − キハ26 402 − キロ28 2501 − キハ55 101 となっています。

当社の地元とは縁の薄いキハ55系で、冷房装置を積んで雰囲気は大きく変わってしまいましたが、オーナーとして
は、ある意味で理想的な55系による地方線区の急行編成ができた、と思っています。

今回の競作のおかげで、実は当社には、いつの間にか、いさみやのキハ23系キットが何輌か入荷しています。

                                                                 終わり

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください