このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

里見電鉄四季物語 〜冬〜 「晦日前」

1 里見電気鉄道 里見信乃駅

 今年も残すは幾日か。新年を迎えるに当たって、榛名は一年間に溜まったゴミや埃を片づけていた。手っ取り早く言えば大掃除。普段なら手も着けないような場所を含めて丁寧に埃を払っている。いくら小さいとは言え、喫茶店も入るくらいの駅だ。それなりに大きく榛名1人で片づけるのは大変そうである。
「駅長さん。大変じゃの」
「えれぇ、てぇへんじゃけぇ、てごしてくれんかぁ(凄く大変だから手伝ってくれないか?)」
「そりゃぁ、おえんわ(それは駄目だね)。俺も忙しいけぇ」
「そうじゃなぁ。年末じゃし、しょうがないかぁ」
「それじゃ、駅長さん頑張ってな」
「あぁ、そうするよ」

2 里見電気鉄道 里見駅  

 駅の入口に数人の駅員が、注連縄を取り付け、門松を両側に置いた。駅入口には他にも「静谷神社参拝には里見電鉄をご利用下さい」と広告した立て看板が置かれたりしている。
「今年もこれを出す季節になったか」
門松を置いた駅員がぽつりと言った。

3 秋篠駅前商店街

 秋篠の小さな商店街。めぐみは母親に頼まれた買い物をしにやってきていた。年末と言うこともあり商店街も普段の何割増しか多くの客の姿があった。
「これも買ったし、あれも買った。うん、大丈夫ね」
どうやら買い物は終わったらしく、メモを見ながら中身を確認している。そんなめぐみに誰かが声をかけてきた。
「めぐみ、何してんの?」
「あぁ、由加里。買い物を済ませたところよ。由加里こそ何やってんの?」
「暇だから遊んでるの。めぐみも遊ばない」
「私は忙しいの。由加里も自分の部屋の片づけくらいはしたの?」
「しなくても良いよ。面倒じゃない」
「そう、でもした方がいいと思うわよ。じゃあね。わたし帰るから」

そしてそれぞれの年末は過ぎていく・・・


後書き
 今回は大晦日前の大掃除とかの正月準備ネタです。3の後、かすみや文香も書こうかと思いましたが、この2人さほどすることは変わらないだろうと思うと面倒になって・・・。(苦笑)
 ご感想等御座いましたら掲示板なりメールなりで知らせていただけると有り難く、かつやる気が出ます。

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