このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

里見電鉄四季物語 〜長月〜 「里見駅」

1 JR山陽本線 姫路行き上り電車車内 

 岡山を出た電車はゆっくりと東へ行く。3両編成の一番後ろの車両にいた男はぼんやりとそとを眺めていた。車内に車掌の声が響く。
「間もなく秋篠、秋篠です。お出口は進行方向左側1番ホームに到着します。特急『いなば3号』鳥取行きは15分の待ち合わせ。ホームは同じく1番乗り場です。間もなく秋篠です。どなた様もお忘れ物の無いように・・・」
 車掌の声を聞きながら男は荷棚から荷物を降ろした。
 

2 JR西日本・里見電鉄 秋篠駅

 男はホームに降りると跨線橋を渡り始めた。降りた乗客の半分ほどが跨線橋を渡る。男は皆里見電鉄に乗るのかと思ったが、結局の所そのまま改札を出ていくのが大半で、里見電鉄に乗り換えたのはわずかだった。とはいえ男が最初に思っていたほど客は少なくはなく、昼時の地方小私鉄としては多い乗客が2両編成の電車にはいた。と言ってもロングシートの席に余裕で座れる程度の混雑だったが。ジリリリン。ベルの音が鳴った。ベルが途切れると、
「里見行き普通電車、間もなく発車します。お早くご乗車願います」
そして間をおいてもう一度ベルが鳴る。鳴り終えると同時にホームにいた駅員が緑の手旗を持った右手をさっと挙げる。車掌は笛を吹きドアの開閉ボタンを押す。電車はパァンと汽笛を鳴らす。多分運転士は「出発進行」と言っているだろう。ちなみに「出発進行」というのは「さぁ、発車するぞ」というかけ声でなくて「出発信号が進行表示(発車して良い)を示していることを確認している」のだ。電車はいくつものポイントを曲がりながら本線に出る。駅の構内を出るといきなり線路は右に曲がっておりJR線から離れていく。そして電車は小さな家々を縫いながら次の駅に向かった。

3 里見電鉄 里見駅 

 安西駅のホームを離れると車庫への引き上げ線が平行して何となく複線のように見える。しかしすぐに引き上げ線は途切れ、最初のように小さな家を縫いながら電車は終着駅を目指す。両側を道路に挟まれた小さな川を渡った。そして電車は小さな終着駅に滑り込んだ。


後書き

 やあっと出来た。頭ふらふら寝不足モード一直線。時間はないし大変でした。これ以上書くと何を書くか分かったもんじゃないので、この辺で失礼します。

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