このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

1.はじめに

 いつ頃からかは覚えてないが、いつのまにか私は「青大将」が走っていた時代の列車しか作らない物好きなモデラーになっていた。最近になって旧ナカセイキットがハセガワより完成品の形で再生産され、また、ようやくマロネ29も製品化され、ようやくこの時代の列車を作るのに必要な車両も出てきつつある。しかし、情報が足りない。「つばめ」程度の作例はまあないではないが、「あさかぜ」レベルの「特急」ですらまともな作例をNで見たことがない。いわんや急行をや、である。ひとつにはネックとなる車両が多い、という面があるだろう。マロネ29ですら出てなかったのである。しかし、その他にも、実際にどんな編成をしていたのかわからない、という面もあるのではないだろうか。この文章が、その情報不足を補うことが少しでもできたならこの上ない喜びである。
 そんなわけで、この文章は「つばめ」「はと」が、いわゆる「青大将色」だった時代、つまり’56—11改正から’60—6改正までの東海道本線の特別急行・急行列車を、編成を主として論じたものである。したがって、時刻等に関してはあまり詳しく記述しない。
 まず始めに、この時代近辺の東海道本線関係の簡単な年表から見ることにする。

主な出来事
1955711等寝台を格下げ、廃止
 10 ナハ10試作車、落成
19563 ナハネ10落成。15年ぶりにハネが復活。以降、東海道筋各急行に組み込まれる
 6 ナハ10量産車、落成
 1119ダイヤ改正。東海道全線電化・「青大将」の登場など
    
19579 ナハネ11、落成。東シナに配置され、東海道筋の列車に組込まれていく
 101ダイヤ改正。「さちかぜ」の新設など
 101旅客運送規則が改正され、特ロ制度を廃止、座席指定制を採用
1958101ダイヤ改正。電車特急「こだま」(11月から)、「あさかぜ」20系化など
    
19593 オロネ10落成。大ミハに配置され、「彗星」に組込まれていく
 715紀勢本線全通
 922ダイヤ改正。20系特急「さくら」、急行「能登」新設など
    
196061ダイヤ改正。「青大将」の終焉

 以上、東海道の、特に客車に関係する、独断と偏見で私が重要と考える事項を年表にしてみた。以降の各論については、上の年表にある各ダイヤ改正における変化を中心として話を進めていくことにする。
目次に戻る    2.時刻の変遷に進む

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