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先島諸島編(2)【波照間・西表島】
1997年3月18日(火)
朝、目覚めると夜半からの雨はすっかり上がっていた。
この日は日本最南端の有人島「波照間島」へ行く。
フェリーは火、木、土の週三回の運行である。昨日乗ったフェリーよりさらに小さい定員30人の「フェリーはてるま」が既に私たちを待っていてくれた。
左:「フェリーはてるま」(撮影:石垣港・離島桟橋)
波照間海運の事務所で乗船手続きをしたあと、朝飯用のホカ弁を買いに行く。
フェリーは石垣港を9時に出航。昨日の教訓からとにかく出航したらすぐ寝ることにする。
途中結構波が高く揺れたようだが何とか到着。
船を下りると予約していた宿のご主人が車で迎えに来てくれていた。
今日泊まる宿(たましろ)はTVやガイドブックでも紹介されている人気のある宿。とにかく飯がたくさん出るらしい。
この日は宿で借りた自転車で島内一周。と言っても小さい島なのでそんなに時間はかからないのだが・・・
この島には小さいながら空港がある。早速行ってみると既に営業終了。石垣島から来る飛行機を10時前に
送り出したらおしまいとのこと。一日1便。長閑である。
日本最南端の碑へ行く。本当に何もない。いくつかの最南端の碑より先には荒波砕ける太平洋。
日本最南端「平和」の碑。後ろは太平洋。(碑に上ってるのは筆者)
宿での夕食は噂に違わずボリュームたっぷりの沖縄料理。結構食べる私でも満腹である。
食事のあとは幻の泡盛と言われる「泡波」の酒盛り。
【このとき同宿したある女性と再びその年の6月、北の果て礼文島で再会することになるのだがそのことについては今回は割愛。(^^;】
1997年3月19日
翌日目覚めるといい天気であるが、どうも私が寝ている間に激しい雨が降ったようである。
相部屋の人からそれを聞いたのだが、庭先の大きな水たまりがそれを物語っていた。
朝飯もここの宿はボリュームたっぷり。これで一泊3食¥4500なら十分安い。
この時期、島の中は砂糖黍の収穫期で製糖工場からの黒い煙と共に甘い香りが漂っていた。
午前中は浜辺でプラプラしていたのだが、午後から雨が降り出したので宿に戻ってぼーっとする。
左上:荒れる太平洋 中上:ヒージャー(ヤギ)の親子(島の中ではよく姿を見る)
左下:民宿「たましろ」 中下:製糖工場へ向かう砂糖黍満載のトラック 右:波照間島の製糖工場
この島は夜になると南十字星が見えるとのことであったが、雲がかかって見えずじまい。
1997年3月20日
午前中はいい天気であった。14時のフェリーで石垣島に戻る予定である。
朝目覚めるとあちこち蚊に食われていたのでとにかくかゆい。
ここの宿は建物は古いが食事の量ははグレイト。なるほど、人気の宿である。
帰りのフェリーもとにかく寝ていくことに。
夕食は石垣市内の「あさひ食堂」の定食。ここもボリュームたっぷり。
この晩は、石垣離島桟橋近くの公園でテント泊とする。
1997年3月21日
八重山の天気は移り気である。この日も蒸し暑いぐらいの26度。
朝は気持ちいいぐらいに晴れ上がっていたのだがたちまち曇りだし10時過ぎから雨が降り出した。
今日は西表島へ行く予定だったのだが、宿の近くにある船浦港行きの高速船が高波で欠航である。
仕方なく大原行きの高速船に変更。
高速艇「サザンクロス3号」
高速艇は波の上を走るように飛んでいくのでわずか40分で到着。
西表島はバスの本数が少ないので3時間ほど待ったあと今夜の宿、YHいるもて荘へ向かう。
バスに乗る頃には雨もすっかり上がって強い陽射しが降り注ぐ。
宿に着いて宿泊代を払ったらお金がほとんどない。しかもこの日は金曜日。自転車を借りて郵便局へ行く。
だが・・・郵便局は15km先。約1時間後、閉局間際のATMで何とかお金をおろして一件落着。
この日の夜は泡盛で酒盛り。
沖縄に来てからすっかり酒浸りの生活である・・・(^^;
1997年3月22日
この日はYHで原付バイクをレンタルして島を巡る。免許はこの年の2月に取ったばかりである。と言うわけでエンジン付きの乗り物に乗るのは教習車以来。
それでもこの島は片道50kmほどしか道が出来てないのでそれほど車の往来もない。信号機も島には2ヶ所しかないのでなかなか快適なツーリングであった。
「イリオモテヤマネコ飛び出し注意」(笑)の看板。
自転車と違ってアクセルをまわすだけで進んでくれる。なんて快適なのだろう。(^^)
途中、マリウドの滝へ寄る。川をボートで遡ること1時間。マングローブの林の間を抜け熱帯林の林の中へと入っていく。
岩場に張り付くような小さな桟橋からさらに山へ向かうこと1時間、轟々と流れるマリウドの滝が目の前に現れた。
昨日から降っていた雨のせいかかなり水量が多い。
この日の夜は雷を伴った激しい雨。
1997年3月23日
この日も風が強くて雨が降っていた。西表に来てからあまりいい天気に恵まれてない。
だが海の中はそんな外の世界とは関係ない。
沖縄に来てからやってみたいと思っていたダイビングの機会がやってきたのである。
YHのクルーザーで沖合の珊瑚礁の島へ向かう。
ダイビングスーツを着て、簡単なレクチャーを受けた後、ボンベを背負いいざ海の中へ。
残念ながら雨が降っているので最良の状態でなかったのだが、それでも初めてのダイビングは気持ちのいいものであった。
目の前に群れる魚、足下の珊瑚礁。蒼い透明な海の中では自分が水と一体化した気分である。
1997年3月24日
この日も天気は優れず。一日中曇り。
午前中は港で釣り。でも当然釣れるはずもない。
午後からは星砂の浜へ。本当に砂浜は星の形をした砂(生物の殻だそうだが)である。
既にこの旅も20日目。毎日が旅先である。でもそろそろ帰りのことを考えなくてはならなくなってきた。
旅を始めるときには見えてなかった「旅の終わり」が終わりに近づいてきている。
・・旅は現実の続き。現実は旅の終わり・・・・・
こんな楽しい日々がずっと続くはずはないんだ。いつかは現実に戻されるんだ。
でも、もう一度出会いたいと思った。その時の気持ちは、本当だと思うから。
以下続編【 先島諸島編・3 】へ続く
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