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プロローグ
〜最北端へ
1998年8月10日
なかなか暑くならない ’98北海道の夏だがそれでも照りつける太陽は輝きを増していた。
今回の旅は3年ぶりの九州だ。最初は札幌を起点に出発する予定であったが、あるゲームソフトの影響か
どうかは図るところではないが、今回は最北端「稚内」から最南端「西大山」へ向かうこととなったのである。
私の住む札幌から稚内まではバスで六時間。起点に行くことがまず最初の旅となったのである。
都市間高速バス「はまなす号」(北都観光)/車内アナウンス音声は こちら (.ra file 394kb)
バスは滝川で高速を降り日本海側へ出ると、留萌からは左手には延々と続く日本海を右手に旧羽幌線を
眺めながらの行程となる。
金駒内陸橋などのかつての「名所」も廃止後10年以上経った今では薮の中に埋もれつつある。
北に進むにつれ人家もまばらになり、あたりは牧草地と原野が広がっていく。
バスはひたすらサロベツ原野をまっすぐと延びる道なりに淡々と走り続け、やがて陽が西に傾きかけた
17時頃、稚内の風力発電所の大きな風車が私たち乗客を出迎えるかのように現れた。
夏とはいえ稚内は北緯45度。バスを降りると少々肌寒い。温度計は16度を指している。
しかしさすが観光シーズン。町中は全国から集まったライダー達で賑やかである。
有名な稚内港防波堤ドームには幾十張りものテントが林立し、差詰めテント村である。
この日は稚内駅2階の夜間休憩所で持参したシュラフにくるまり夜を明かした。
部屋の中でも少々寒かったのだが、これはこれから始まる旅のほんの序章に過ぎなかったのである・・・
【写真のスキャニングはヒューレットパッカード社 HPScanJet 4Cを使用しました。】
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