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AIR DO 北海道国際航空開業までの一連記事(11.12月分順不同)

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許認可関係

定期航空運送事業の路線免許取得(10/26)

ただし、就航前には運行開始前検査に合格する必要がある。
(検査日程が厳しかったSKY(スカイマークエアラインズ)は免許取得後に就航日を6日間延期している。)

■許認可手続き完了(道新12/17)

北海道国際航空は17日、運輸省の運行開始前検査に合格した。運行規程と整備規程も同時に認可され
これで就航に向けた数々の許認可手続きが完了した。

運輸省の実証飛行検査12月1日より開始。(12/2・道新) 

「実証飛行試験」とは運輸省による運行開始前検査の最終項目である。
主に飛行中に発生する様々な非常事態に対する乗員の対応を確認することを目的としている。
1日正午過ぎに羽田から関係者・検査官を乗せ雪の千歳空港へ飛び立った。
千歳からの帰路は急病人や油漏れなどのケースの対処の検査を行い、2往復目はエア・ドゥの
代替飛行場である函館空港へ着陸。函館では整備委託をしている日航により給油、機体点検を
行った後午後9時過ぎ羽田へ戻った。
この検査は4日までにさらに羽田−千歳を7往復し、様々なトラブルによる緊急事態を想定した検査を行う。
順調に進めば開業5日前の12月15日に運輸省より検査合格通知がある予定である。


直接業務関係

■パイロット2名新規採用(道新12/18)

AIRDOは12月18日パイロット2名を追加採用する事を明らかにした。
2機目の機体導入に備え乗務体制に余裕を持たせるためである。採用するのは国内航空会社のOBの
日本人パイロット2名。先月も中華航空のOBパイロット(カナダ人)1名を採用している。
これにより20日の就航時には機長7名、コ・パイロット6名の13人体制で新千歳−羽田間一日3往復を
運行する事になる。

地上準備も整う 〜開業大詰めへ (11/24・道新)

11月24日午前、千歳空港ターミナルビル内においてAir-do地上職として採用された24名の入社式が行われた。
浜田輝男副社長の訓辞の後、早速午後より乗客案内などの訓練が始まった。
また、千歳空港1階・旧JAL団体用受付カウンター跡地ではAir Do専用カウンターの工事が行われており
いよいよ開業準備も大詰めである。
【記事補足】
羽田空港では出発90分前よりJAL20番カウンターにてAir Doの搭乗手続きを行う。


旅客関連

■観光案内機内情報誌創刊〜『エア・ドゥクラブ』(道新12/18)

Air Doの機内情報誌「エア・ドゥクラブ」創刊号(A4カラー・36P。隔月発行・部数5万部)が18日完成した。
この機内誌は同社の支援団体エア・ドゥクラブが機関誌として発行した。
内容は、予約・搭乗方法の手引きの他、札幌・小樽・室蘭などの飲食店や穴場スポットなどを紹介している。
編集には「じゃらん北海道発」「さっぽろたうん情報(さったん)」「すすきのタウン情報(すきタン)」の3社が協力
している。今後、東京のタウン誌とも提携し、道民向けの東京情報なども盛り込む予定。


■就航日

12月20日。第一便は羽田7時30分発
当面は札幌(新千歳)−東京(羽田)間 3往復/日
’99春(平成11年4月)より札幌(新千歳)−大阪(伊丹)間 へ2往復/日を新規に予定。
(これは新しい機体が導入され2機体制となるため。99年春にはスカイマークもこの路線に参入予定)

大幅にずれ込んだ就航予定日

当初の就航予定98年4月
7月に延期
10/30に再延期
12/20へ再々延期

既に数度の延期によりGW、夏期の書き入れ時を逃しており年末年始の書き入れ時の
機会を失えば即経営問題に直結し、会社自体の存亡にも関わってくることから整備、運行面で
委託先となるJALとの連携をより明確にし、絶対的な安全面の確保が要求される。

また、B767機体リース料は
1億円/月(12月までのリース料総額9億円であり
これ以上の延期はさらなる経営圧迫を引き起こすのは必至である。

 


チケット発券関連

★11月20日に始まった電話予約は受付開始後わずか50分で12/20の初便がSOLDOUTした。
 AIR-DOに対する期待の高さの現れであろう。
単なる値段の安さを求めただけかも。スーパーのバーゲンセールと同じで。まぁどうでもいいけど
また、
年末年始の便も初日で順調に埋まってるという。(参照:北海道新聞11/20記事)

●ただ、航空券予約の7割が首都圏での予約であり、道内からの利用割合が少ない事は
道民の航空会社(かなり公的資金をつぎ込んでいる)であるAIR DOの今後の利用状況に
暗い影を落とす予感がするのである。

★★【補足記事・道新12/10記事】
11/20の受付開始以降12/8までに
満席となっているのは、
○就航初日の羽田発、新千歳発、と
○年末年始帰省ラッシュ7日間(暮れの羽田発・年始の千歳発)の計44便。

そのほかはまだ各便30%〜50%以上の空席がある。

年末年始全体のAIRDO予約率は12/20現在85.9%となっている

●(おそらく初日の「あの」報道で「エア・ドゥは込んでるから無理」と敬遠した人も多いものと思われるが…)
前年度の搭乗実績がないAir Doにとってこのオフピークの搭乗率の低さは予想されていたとはいえ不安が
残る。Air Doの中村晃会長は直筆メッセージDM7000通を道内企業などへ出し、Air Doの利用を呼びかけ
ている。

■JR北海道AIRDO航空券販売99年1月より取扱開始(ラジオ報道・12/23)

JR北海道は来年1月11日から全道主要駅の窓口、旅行センター、本州のJR北海道プラザにおいて
AIRDO航空券の取扱を行うことを決めた。
これにより地方での航空券取扱に利便性が増し、地方在住者の利用促進に役立つものと思われる。
また、JR北海道幹部は「将来的にJR&AIRDOのツアーも企画したい」と意欲的な面も見せている。


資金調達関係

依然厳しい道内経済、資金確保に今後課題

出資構成
・法人418社(持株会含む)
・個人1822名
・北海道国際航空支援持株会員1499名
・他、道内市町村からの融資も。(地元空港へのAIR DO就航・観光客の流入を狙ったものか?)
★★主要株主
・京セラ ・レイケイ ・北海道国際航空支援持株会
東京海上火災保険 北海道電力
今後の事業拡大の際には資金繰りが拓銀亡き後の道内主要銀行だけでは賄いきれなくなる
ことが予想されるため道外大手銀行をも含めた資金融資体制の確立が求められる。

★★★札幌市AIR-DOに3億円融資決定
11/4、札幌市は北海道国際航空に5年間で3億円の低利子(1.1%/年)融資を行うことを決定した。
既に道から12億円の無利子融資を受けており、とりあえずの資金繰りについては確保できるものと思われる。


しかし、この裏には桂札幌市長の次期市長選挙に対して絡む動きである、との見方も現れている。
何にせよこういう金の動きは何らかの形で政治がかんでることは暗黙の了解なので今更言うことでもないことなのだろうが
コレがいわゆる『大人の事情』って奴ですか? あぁ くわばらくわばら。

『北海道』ロゴ 機体に塗装 (12/11・道新)

北海道国際航空では、北海道のイメージアップキャンペーンの標語である『試される大地 北海道』を
機体に塗装する事に決定した。費用は100万円。
標語は機体前半部旅客用窓下に
『試される大地 北海道 一歩前に出る勇気があれば きっと何かがはじまると書き込まれる。
また、機体後半部には先発のスカイマークエアラインズに習い民間企業の有料広告に使用する方向で
現在交渉中である。
(SKYの広告収入はマイクロソフト社等から年間1億2千万円。機体広告が低運賃維持に役立っている。)


■日本航空との機体整備契約打ち切りか?

日本航空は先日、AIRDO機体整備の契約を近いうちに打ち切ると表明(経営企画室)。
理由として競合他社に対して日航が手助けをすることは株主に対して説明が付かないと言うことである。
自由化の荒波の中で日航の庇護から離れ、新規参入枠の3往復分が追加される2000年3月以降
AIR DOの一人立ちが求められる。


AIRDO一般報道

第1便は無事出発…でも先行き不安。(12/20.21道新記事・他)

羽田空港では早朝から第1便に搭乗する乗客・報道関係者が集まった。
6時40分からの開業セレモニーではAIRDO関係者によるテープカットが行われAIRDOの開業を祝った。
第一便は満員の乗客・報道関係者286名を乗せ6分遅れの午前7時36分に羽田空港を出発した。
千歳にはほぼ定刻の午前9時05分に到着し、千歳空港で大勢の関係者や道民の歓迎を受けた。
新千歳空港では初便到着後、就航記念式典が行われ、AIR DOの中村晃会長が
「みなさんのおかげで、この時を迎えることができ非常にうれしい。
このプロジェクトは道内企業への勇気づけにもなったのではと思う」

と挨拶を行い、中村会長、堀達也道知事、桂信雄札幌市長らがテープカットし、「道民の翼 AIRDO」
の門出を祝った。

 折り返しの初便は午前九時五十分、満員の乗客を乗せて新千歳を出発した。

しかし、各空港初便以降の搭乗率はふるわず千歳発で約65%、東京発では45%、と
初日としては惨憺たるものであり今後の搭乗率確保に暗雲が立ちこめている。

結局開業初日の乗客合計は1126名。平均搭乗率は65.6%。

また懸念されていた冬季間の降雪対策問題が早くも露呈し千歳発最終便では滑走路の除雪や
機体の除雪作業などで1時間32分の遅延が発生した。
(除雪を委託している日航の契約によりAIRDO便が後回しにされたのが大きく響いている。
ほぼ同時刻発の日航便は5分遅れであった。)

■日航がAIRDO対抗割引策発表(道新12/20朝刊)

日本航空は18日、新千歳—羽田線十二往復のうち、AIRDO便の前後一時間内に出発する便で、往復とも対象
便を利用することを条件とし、片道¥17000(通常期運賃の32%引)となる「スーパー特売り」を99年3月から
発売すると発表した。
 


THE・問題提起

札幌地区格安航空券市場

航空券は、出発日、航空会社、期限、片道/往復、名義、相場などにより変動するものである。
札幌市内金券業者【調査JA,SS,TA,DS,SK,TI】
一例
SPK-HND
\15000〜(本人名義/JAS/OPEN/片道)・SPK-HND
\33000〜(本人名義/会社指定無/期限有り/往復)等。他に回数券の貸し出しを行ってる業者もある。
(つまり回数券の不特定多数による部分使用ですね。)
これらは航空会社の事前購入割引とは違い事前に変更が出来たり
片道のみの用意もでき、繁忙期も割引が効くものである。
毎時間ごとに出発便のある大手3社のチケットがこの有様である。
たかだか \1000-2000の差で一日3便しかなく不便なAir-Doに流れるかどうか…

だがAir-DOの強みは「通年定額」であることからこの点を生かしていくことで生き残りを図って行くであろう。
既に一部の金券ショップではSPK-HNDチケットの値下がりの動きがみられてるが、これは時節柄の問題で
あろうから本格的に金券ショップが動き出すのは11月末から運行開始後しばらくの間であると考えられる。

■見込めない東京の需要&激安ツアーの裏事情

もう一つ懸念されるのが東京方面からの格安ツアーの存在である。
現在でも北海道からの東京ツアーと東京からの北海道からのツアーの価格格差は著しいものがある。
北海道から東京へのツアーはどこの会社もカルテルを組んでるのか横並び状態。2泊3日のツアーでは
4万円以上もするのである。その一方東京からの北海道ツアーは値崩れ状態。中には1万円台という投げ売り状態
のツアーも存在する。通常期航空運賃が片道¥25000なのにどうしてこんな安いツアーが設定できるのか?
そこには『団体包括運賃・他』と言うからくりがある。
航空会社から旅行会社に卸される航空運賃は団体用と言うことで大量に仕入れる替わりに大幅な値引きが
まかり通っている。航路にもよるが通常の団体包括運賃はノーマルの45%程度。ツアー料金の6割が航空
運賃だと言うことを考えればある程度はこの理由で片が付く。
しかしながらそれよりも安い料金のツアーは一体どうなってるのか?…そこには特定の大手旅行会社には
航空会社が激安運賃(通常運賃の30%程度)で卸しているという裏事情がある。
空荷で飛ばすよりは何でもいいから乗せて飛ばした方がいいに決まっている。
しかし、それがエスカレートすると激安ツアーの穴を通常運賃の「カモ客」で埋めるため通常運賃を値上げする
と言う本末転倒な事態になりつつある。

もちろんそれだけではない。この不況で北海道の観光地は青息吐息。道内客は見込めない。
ならば「内地」の観光客が頼りである。稚内市などは東京からのツアー客にカニを食わせるために市民の税金を
投入して特定企業のツアー補助金を出してまで観光ツアー呼び込みを図ってる。
また、宿泊施設も豪華観光ホテルが1泊2食¥3000で卸しているという話もあり、(当然黒字になるはずもない)観光バスは回転率を上げるために乗務員に過酷な労働を強い、その結果近年道内での観光バス事故が増加
してるのは当のツアー参加者には一切知らされるはずもない(笑)

そんな激安ツアーがまかり通ってる訳だから今更ノーマル運賃\16000のAir Doが出たところでたいして驚きにも
ならないようだ。むしろ大幅な割引をしてくれる大手の方がありがたいに決まっている。
エア・ドゥは本数も少なく、ツアーのうまみもない。これでは東京方面からの需要はとても見込めそうにないのでは…


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