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夢を喰う男 〜宮崎康平伝〜

小池亮一著

 宮崎康平の学生時代から亡くなるまでを描いた作品。いわゆる伝記形式という
ものではなく、永 六助やさだまさしといった生前宮崎氏と仲良かった友人、和
子夫人、島鉄の白倉氏(7代社長)などからの見聞録で構成されている。

 従来の世間の宮崎氏に対する見方とは異なり、宮崎の問題点(自己中心的
に物事を進めるなど)にも名言をしているが、作者は実際には宮崎氏には会っ
ていないようである。

 『盲目の作家 宮崎康平伝』では、「本書は余りにもひどい、宮崎康平をほとん
ど知らずに面白可笑しく描いている、宮崎康平がかわいそうだ」と批評されてい
る。
 よくありがちな、島鉄での宮崎氏の功績やその才能を描いた書籍、というより
はどちらかといえば宮崎氏個人の性格、人間性などを描いた書籍であろう。

 この書籍によれば、宮崎氏は「呼んだら呼んだで場を関係なく長々と話をして
困る」「呼ばなければ激怒する」など「困った人」だったそうである。また、「好き
なものはとにかく女、というより女の局部」と書かれるぐらいの女好き、法螺ば
かりでインチキなことばかり言っている(ザビエル上陸海岸のでっちあげや、踏
絵もどきを作って肥溜めに漬けて腐らせ「本物の踏絵だ」といって売ってみたり)
男のようだったらしい。

 宮崎氏のエピソードに関しては事欠かさない書籍である。『盲人重役』や『ま
ぼろしの邪馬台国』を読む前に一読しておくと、面白いだろう。

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Book Date

夢を喰う男 〜宮崎康平伝〜

昭和57年9月6日 1刷発行

著者: 小池亮一

発行者: 加藤勝久

発行所: 株式会社 講談社



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